
【ムーラン】「恥晒し」とは殺傷能力の高い言葉だよ
私の映画のオールタイム・ベストはディズニーアニメの『ムーラン』です。
そもそも木蘭辞といわれる中国におけるムーラン伝説が好きなのです。
本も、一番好きなのは田中芳樹の『風よ、万里を翔けよ』です。
これは若い頃、夢中になって読みました。
基本的に木蘭目線ではありますが、いろんな将軍たちの武勇伝なので飽きないです。
悪名高い煬帝の孤独と、正義とは何かに揺れ動く木蘭の心情が興味深いです。
木蘭と盟友たちとの友情もいいよ。
ディズニーアニメ版『ムーラン』に話を戻しまして。
この映画が好きな理由は、私の根本思想を刺してくるからだろうと思います。
根本思想について表現のプロフェッショナル山田ズーニーさんは、このように説明しています。
私は常ひごろ、
表現というものは、「なにを言うか」より
「どんな気持ちで言うか」がすごく大事だと思っています。
その人の根っこにある想い・動機。
これを「根本思想」と言います。
Lesson13より
私の場合の根本思想は、【恥晒し】。
作品中、ムーランが何度か言われる言葉です。
私の年代では高卒の人はまだいます。
でも高校も行っていない社会人には今のところ会ったことがありません。
こんなに金のない難病患者も、たまたまですが周りにいない。
他に、ここには書けないような親不孝をしてきました。今もです。
だからこの映画は、観ていて1番しんどい。
劇中の歌詞もそう。
Honor to us all(皆の誉れです)もつらい。
I’ll make a men out of you(男にしてやるよ)もつらい。
やめてくれーってなる。
従軍したムーランが、
Make a men(男にしてやるよ)
Be a men(男になれよ)
という、彼女にとっては残酷なサビを背負いながら訓練し、遂に塔の頂上まで登りきった時。
シャン隊長に見せた呆れ笑いのような疲れた笑顔をみると、必ず、毎回、号泣しちゃうのです。