Jupiter -A VIRTUAL JOURNEY-
音楽配信イベント「Jupiter -A VIRTUAL JOURNEY-」が開催された。
ヴァーチャルな木星への旅というコンセプトの元ストーリーの設定がなされ、Unreal EngineによってVRステージを構築。そして、VR空間にVJをリアルタイムで合成するという斬新なアイディアも盛り込まれた。その仮想ステージにてドラムンベース界のアーティスト3名がライブを実演。演者たちも三者三様でありながら、ストーリーラインを意識したDJセットでバトンをつないでいき、イベント全体をグルーヴで包む圧倒的なパフォーマンスを魅せた。
各クリエイターの意気込み(TWITTER)
・今なお革新し続ける日本のドラムンベースマスターDJ AKi
・リアルとヴァーチャルの間の未知の大陸での音楽体験を切り開く開拓者Gak Nagamatsu
・Gak Nagamatsuの実弟で映像クリエイターのAyumu Nagamatsu(最強兄弟か)
・今回ヴァーチャル空間でVJライブという新しいアイディアをパフォーマンスする映像クリエイター(今回はリアルタイムでグローバルリモートVJという大魔法をさりげなくやってのける)
・英国Viper Recordingsの首領であるFUTUREBOUNDも参戦
メディアの反応
「PR TIMES」、「v-tuber zero」、「FLOOR mag」「BARKS」
今回のイベントはクラブ系メディアだけでなくVtuberメディア「v-tuber zero」からも注目を浴びたことが大きい。「v-tuber zero」は今回のイベントの技術的革新性が、Vtuber界にも新しい音楽体験や表現の可能性の道標となることを詳細に書いている。
また今回のイベントは、東京都のプロジェクト「アートにエールを!」によるサポートを受けている。約4倍を超える応募率の中からの選定であり、技術的先進性やアート性を認められての支援決定である。東京のクラブミューックを代表して選ばれているということの意義は決して小さくない。
これまで、コロナ禍で真っ先に矢面に立たされ現場を失ったDJ AKiをはじめとする06Sチームは、オンライン上での活動を模索し、創意工夫を凝らしながら発信を続けてきた。まさに「新しい日常における自律的な創作活動を支援する」という東京都の支援要項に寸分違わぬ努力をしてきた。それだけにこの「Jupiter -A VIRTUAL JOURNEY-」開催にたどりついたことに感動するとともに、逆境に負けずにアクションを続けてきた06Sチームに敬意を表したい。
DJ AKiの宇宙一かっこいいDJ
100万年ぶりというか、7月のMoment Tokyoのステージ振りにDJ AKiがDJブースの前に立った。
OPはDJ AKi Streamでおなじみ「DJ AKi&Yellock&Kid drama-Great Space Journey」から、コンセプトのストーリーライン通り木星への旅にふさわしい曲から始まった。ステージは曲と合わせてUnreal engineで構築された宇宙船のステージになっており、船内を所狭しとVJが自由自在に飛び交う映像に痺れる。
シーンはDJ AKiが宇宙船から木星に降り立ち、木星にも負けいない重低音を効かせたハードなセットで魅せる。
中盤の核心部ではシーンが変わり、プラネタリウムのようなドーム状セットで惑星と星が流れる美しいステージになる。そして、「DJ AKi&Yellock - CODE TO OPTIMIZE 」➡「ISOLATED HUMANISM - Azmai remix」のアンセム連発セット。
終盤は木星に現れた謎のアーティファクト内にステージが移る。ここでDJ AKiが今年前半でNo.1アルバムと称賛したMetrixを畳みかけ、〆はFUTURE BOUNDのRemixでバトンタッチした。
FUTURE BOUNDのエモーショナルなパフォーマンス
FUTUREBOUNDはUKからの参加で、VRとVJは会場の青山にて合成するという遠隔コラボレーションを実現した。
ステージはDJ AKiからバトンタッチした謎のアーティファクト空間でのDJ。のっけからお宝チューンを惜しみなくダブルドロップして湧かせてくれた(ブッ飛ばされた人?ハーイ)
中盤からはハードとエモーショナルなチューンを交互にかけ、オーディエンスの感情に大きく揺さぶりをかけてくる。リヴァプールの暴れ馬のグルーヴのダイナミズムに驚かされる。
メガヒット曲「Matrix & Futurebound - Control (Ft. Max Marshall)」も流れて、気が付けば同接視聴者数1200人を突破した。日本時間の22時のTwitch音楽カテゴリー接続者の10%近くがこのイベントを視聴したことは凄いことだ。
終盤はFUTUREBOUNDもアーティファクトから木星ステージに帰還しYellockにバトンタッチした。
とりをつとめるYellockはレジェンド2人に引けを取らないステージを披露
エモーショナルなチューンでバトンを引き継ぐと、Yellockの特徴であるベースが歌っているナンバーでフロアを温めていく。
オリジナル曲「Yellock&DJ AKi ISOLATED HUMANISM」で乾杯の音頭をとると新曲「CODE TO OPTIMIZE」へとつなげる。
中盤のストーリーは木星から宇宙船へステージが切り替わり地球への帰路へと向かう。ハードなベースが特徴のスマッシュチューン「Shimon, DJ Aki, Yellock - Incurable」がかかったところで、DJ AKiが乾杯で登場するライブならではの演出もあった。
「Sub Focus & Wilkinson - Air I Breathe」×Metrikのミックスの響きはオーディエンスをざわつかせ、DJとしての進化も垣間見せた。
終盤は宇宙船から地球に帰還しヴァーチャル渋谷交差点にステージが移る。そして、Yellockの鉄板曲「Beggining」でフロアが湧いて絶頂を迎えると、「Replaced Heart」の最高にエモーショナルなパフォーマンスとともに渋谷交差点に大量の花火が打ちあがりフィナーレへ。
誰もが終わりと思ったそのとき巨大化したYellockの分身がパーティーの終わりを告げるかのように渋谷の街を破壊してエンド。これは次回への伏線なのか?またこのような機会があることを期待して待つとしよう。
感動をありがとう!