EM有機栽培の基本の基。農場での作業紹介。その2「土づくり」。
「土づくり」。
奥の深い話です。
僕はまだその入り口に立ったあたり。
「土づくり」に関してアレコレ言える立場ではありませんが、サンシャインファームでの土づくり作業を紹介するカタチで書いていきたいと思います。
サンシャインファームでの土づくりは大きく分けると二つ。
「苗床用の土」と「圃場(「ほじょう」と読みます。畑のこと)の土」。
「命のスイッチオン! ハーブの種まきその1」でも軽く触れましたが、「苗床用の土」は種まきをする土。
まず、野菜の種類によって、種をまく土が違います。
どのサイズまで育てるのか、それまでにかかる時間も考えて、どんな土にするかが決まるのです。
「苗床用の土」はいろいろな資材をブレンドしてつくられます。
保水性、通気性に優れ、肥料分のない、ピートモスを中心にした「種まき用の資材」と、圃場の土に以前使用した苗の土を混ぜ、EM活性液をかけて「熟成した土」をベースにします。
ベースになる土に、ふるいにかけた鶏糞堆肥など、栄養分を適量入れます。(多くて全体の1割程度)
大雑把に言えば、葉物など、比較的早く苗ができるものは「種まき用の資材」が多めで栄養少なめで、セルトレイと呼ばれる小さな凹みがたくさんあるトレイに。果菜類などある程度大きく育てるものは「熟成した土」を多めで栄養もある程度持たせて育苗ポットに、という感じです。
育苗期間が長い場合、ピートモスなど保水性の高い資材が多すぎると、根腐れを起こしてしまうこともあるのです。
保水、通気、保肥性が優れたバーミキュライト、排水、通気性がいいパーライトなどの資材を使ったりもします。
苗は野菜の赤ちゃん。
「苗床用の土」は赤ちゃんのベッドつくりと言うイメージ。
苗が赤ちゃんなら、子供期〜一生を過ごすのが圃場。
「圃場の土」づくりには、何年にも渡る長期の土づくりと、今から定植される野菜のための土づくりと言う、二つの視点があります。
サンシャインファームの土壌は、粘土質で雨が降るとグチャグチャに、乾燥が続くと固まってカチカチに。
コレを改善するためには、緑肥といって植物の繊維を補給して腐植とします。腐植の効果で微生物の繁殖、土壌の団粒化などを促します。
作付けの合間に、ソルゴーやひまわりを育てて、刈り倒し、そのまま圃場にすき込むのです。
緑肥にはその植物によって様々な効果があり、豆科なら根粒菌による窒素固定、ひまわりは菌根菌によって土中の養分供給が期待できます。
緑肥には生育期間が約2ヶ月必要で、もちろんその間は野菜が育てられません。そこで沖縄の畑オフシーズン、緑肥植物の生育にも適した夏場に行います。
この緑肥と同じような効果がのぞめるような土壌改善策として、刈り取った雑草をEM活性液に漬けた後、元肥と一緒にすき込む方法や(←この方法はまた別の機会に詳しく)、有機マルチも腐植として働くなど、比較的短期間で施せるものもあります。
他にも自家製の炭をすき込んだり、いろいろな方法を何度も施して、土の状態が徐々に良くなるように工夫を重ねます。
これが長期的な視点での土づくり。
できるだけ不耕起で、肥料も最小限で良くなる状態を目指します。
長期的な視点での土づくりを進めながら、作付けする野菜に合わせて、EMを使って熟成された牛糞堆肥・鶏糞堆肥(主に自家製)・ボカシと、バットグアノ(コウモリの糞)や苦土石灰、海藻などミネラル分を供給してくれる資材を組み合わせて元肥を施しています。
元肥を施したらEM活性液をかけ、管理機をかけてから平らにならして、マルチング。その後2週間ほど寝かせて、作付けのための土づくりは完了。苗の定植を待ちます。
元肥の量が多すぎると虫を呼んだり、窒素過多などで不具合が出ます。
逆に少なければ、生育不良に。
元々の土の状態を良くして、バランスよく状態の良い元肥を施す。
言うのは簡単ですが、こればっかりは経験を積むしかありません。
どこまで掘っても掘りきれない、奥深さ。
土づくり。
とんでもない沼にハマってしまいました〜。
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