オルカン(全世界株式)かS&P500か 国際政治の観点から

前回「日本経済はオワコン。米国株を買うしか日本の衰退から逃げ切る術は無い」と言ったことを記事にした。

その投資であるが、インデックス投資が老後資金作りに一番適当であるという考え方はずいぶんと浸透し、データでも実証されてきている。

最近ではドル建てのETFを買うよりも円建てのインデックス投信を買うほうが一般的になってきており、「オルカン(全世界株式)かS&P500か」というのが結構議論になる。
少し前はオルカン派が多かった気がするが、最近になってS&P500派が増えてきているように感じる。

おそらく両方持っている人はパフォーマンスの差が少しずつ開いてきていることに気づくからだろう。

オルカンとS&P500の比較 S&P500がジリジリとオルカンを引き離しているのがわかる

私は、といえば迷うことなく「S&P500」である。

元々私は資産形成を漠然と始めたわけではなく、経済学、歴史などを勉強してから株式投資の世界に入ってきている人間なので、資産形成ありきでスタートした人とは少し立ち位置が異なる。

なぜS&P500が良いのか、それにはアメリカというのはかなり特殊な国であるということを理解しておく必要がある。

アメリカには以下のような特徴がある。

企業の税負担、労務負担が少ない企業が利益を出しやすい環境。
消費税が無い、企業負担の社会保障が薄い自己責任の国。解雇規制も無い、年功序列もない。

・移民が多く、人口も増えており、高齢化が進みにくくイノベーションが起きやすい。

・世界No.1の圧倒的な軍事力があることと、周辺に米国を脅かす大国がないため、安全保障面もばっちりである。

・地震も少ない、広い国土があるため、災害が少ない場所が多い(農業などでは大切)。

・食料とエネルギー、両方自活出来る数少ない国家である。

・大統領制をとっており、政治の意思決定機関が小さいため、大国であるのに動きは速い。

・事実上近現代史を牛耳っているユダヤ人がイスラエルに次いで多い。

・S&P500はグローバル企業が多いため、ダメになった国から撤退し、伸びる国に進出することで機動的に動ける

・キリスト教が根幹宗教として根付いている
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他方、アメリカ以外の国には次のような国が多い

・高福祉国家のため、必然的に重税となり、企業の儲けがその国の国民や労働者に還元(年金、保険等)されてしまい、企業に利益が残らない。

・解雇規制もあるため、グータラ社員が居残る。 ダメ企業も生き残る。するとリスクを取らないようになるので、イノベーションが起きにくい。

・人口が増えていないか減少している

・地政学的に危険な国である

・食料、エネルギーが自活できないため、有事のリスクが高い

・日本のように災害が多い国が含まれている

・少子高齢化で高成長が見込めない

・新興国の企業の業績には信頼性が薄い

・アメリカに比べればグローバル企業が少ない

・第二次大戦の敗戦国(日本、ドイツ、イタリア)の株式が含まれている

・日本のように宗教観が無い国の株式が混ざっている
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つまり、オルカンというのは「アメリカに不純物をわざわざ加えたもの」という商品であり、パフォーマンスがS&P500に劣るのは不純物が含まれている以上、当たり前である。

有名人がこんなことを書くと大問題になるだろうし、間違ってることもあるるとは思うが、一個人だからこそ思い切ったことも書けると思ってる。

5年でのパフォーマンスの差はまだギリギリ許容できるかもしれない。
しかし20年でのパフォーマンス差はおそらく許容できない範囲になっているであろう。













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