事業創造デザインプログラム2023 Advanced Day5 開催レポート
こんにちは!SSDCデザイナーの山下です。
この記事では、2023年9月29日(金)に開催されたSSDC事業創造デザインプログラムDay5(説得力あるビジネスプランを策定する)の開催レポートをお伝えしていきます。
当日の雰囲気と熱量を、少しでもお伝え出来れば幸いです!
はじめに
事業創造デザインプログラムとは、産・学・地域のイノベーターが、社会や地域の課題を解決するビジネスアイデアを構想し、実現するためのプログラム。
SSDC主催で2019年から開催しており、今年で5年目を迎えるプログラムです。
2023年度のAdvancedでは、7-10月までの約3ヶ月をかけ、社会課題・地域課題解決のビジネスコンセプトをつくっていくことに受講生は取り組んでいきます。
2023年度事業創造デザインプログラムに関する詳細は、SSDCホームページの特設サイトをご覧ください!
前回のあらすじ
9/8(金) Day4(中間報告会)
Day4は中間報告会という事で、プログラム受講生の皆さんは、Day3までに作成したソリューションアイデアを、SSDC理事・会員企業ゲスト・アドバイザーを相手に報告しました。
👇Day4の様子についてはこちらをご覧ください!
👇Day0〜Day3の開催レポートは、こちらの開催レポート一覧からご確認ください
Advanced Day5概要
2023年9月29日(金)Day5は、Advancedプログラムの折り返し地点!
Day5では、「ソリューションアイデア/サービスを、ユーザーに届けるにはどうすればいいのか」を考えました。
せっかく素晴らしいサービスが出来上がっても、そのサービスを求めているユーザーに届けられなければ意味がありません。届けるためにはどんなことを考慮すべきか、類似のソリューションに埋もれないためにはどうすればいいのかを、業界の先輩方から学びました。
Day5のアジェンダ
Day5のアジェンダは下記の通りです。
このレポートでは、特別講義の概要と講義やワークの様子をお伝えします。
特別講義と講義の内容は、SSDCチーフデザイナーの北村からお伝えします!
特別講義:『心を揺さぶるアイデアの作り方と伝え方』大澤孝さん(アイデア総研/トイクリエーター)
今回ゲストとして特別講義をお願いしたアイデア総研代表/トイクリエイターの大澤孝さんは、前職時代、ビーダマン・ベイブレード・人生銀行などのおもちゃを世に送り出してこられた「アイデア発想の専門家」。
2022年10月には著書『おもちゃ流企画術』を通して、ワクワクを具現化するアイデアのつくり方を解説されています。
そんな大澤さんからはこの日、おもちゃの企画開発者として大切にしてきたこと、人の心(情緒)を揺さぶるアイデアをつくるコツ、そして企画を見込み顧客に届けるための伝え方・巻き込み方についてお話を伺いました。
大澤さんから教えて頂いたのは、以下の3つ。
1)「情緒的価値」を起点に企画を考えよう
「顧客のニーズに応える」「顧客の持つ課題を解決する」といった課題解決型アプローチは大切です。
でも、人のニーズや課題は似たり寄ったりです。その結果、どうしても似たような機能の商品やサービスが生み出されて(≒コモディティ化)、低価格競争に陥りがちです。
大澤さんは、自動車とスーパーカーのもたらしている価値を引き合いにしつつ「情緒的な価値」に目を向けて発想していこうと話をされました。
『おもちゃ流企画術』では、おもちゃを“人にポジティブな感情を与えるプロダクト”と定義し、さらに「6つのポジティブ感情」に注目していきます。
それが以下の6種類。
❶興奮(ワクワク)
❷喜び・笑い(フフフ)
❸感動(ジーン)
❹安心(ホッ)
❺好き(ウットリ)
❻驚き(ドキドキ)
感情にも、これだけ多くの種類と特性があるんですね!!
2)「人×感情×テーマ」で発想しよう
続いて、情緒的価値を生み出すため大澤さんから教えて頂いた公式が「人×ポジティブ感情×テーマ」。
講義では「20代女性がワクワク(興奮)するような新しい自転車」「50代男性がウットリ(好き)するような新しいカフェ」などを題材に、それらのシチュエーションに合わせたアイデアを実際に発想してみました!
(このワークは面白すぎたので非公開…)
3)「何を作るか」「どう伝えるか」は同時進行で考えよう
最後に伝えて頂いたのが、商品の価値をお客様に伝えるための情報設計。北村が無理をお願いして、大澤さんに追加頂いた部分です。
なぜならば、世の中にはすでに多くの情報があふれているから。
「良い企画」「良い商品」を作ったからといって、選ばれるわけではありません。
”どのようにすれば情報が伝わるか”をあらかじめ設計しておくことの重要性を、実際に大澤さんが商品開発に携わった猫型クッション「ミャウエバー」のクラウドファンディング事例を通して教えて頂きました。
ミャウエバーはクラウドファンディングにて、目標金額比で3608%、2300名を超えるサポーターという驚異の数字を叩き出しました。
その裏には、10万人を超える「猫好きクラスター」を発売前から巻き込むという情報設計があったのです。
大切なのは、企画を作ってから情報設計を考えるのではなく、企画と情報設計を同時に考えること。あらためて、口コミやSNS利活用や広報活動の重要性を思い知らされました。
▼書籍『おもちゃ流企画術』
▼アイデア総研
アイデアの生み出し方、企画書の書き方などお役立ち情報が満載です
▼Twitter(X)
https://twitter.com/idea_soken
講義:『市場性と差別化要素におけるリサーチ方法』
大澤さんのお話のあとに北村から触れたのは、市場性と差別化要素におけるリサーチ方法。
トラクション(牽引力)
市場規模
差別化
ビジネスモデル
の観点で、確認しておきたいポイントをお伝えしました。
特に市場リサーチについての主な項目や
白書の活用、業種別審査辞典の活用などに触れていきました。
また、もっとも大切なこととして「顧客はなぜ買うか?なぜあなたから買うか?」についても触れました。
自社のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション:独自の価値)は何でしょうか?顧客が自社を選んでくれる理由を言語化できているでしょうか?
北村からは以上です!!
北村さん、ありがとうございました!
ここからは再度、山下からお伝えします。
ワーク:ビジネスモデルの検討結果の共有・相互フィードバック
Day5までのタスク
プログラム受講生は、各自で下記のタスクをDay5までにこなしてきました。
中間報告会の振り返り
課題/ソリューションインタビュー
ビジネスモデルの検討
Day5の目的
Day5での目的は、大きく下記の2つでした。
ソリューションアイデアのブラッシュアップ
ビジネスモデルのブラッシュアップ
Advancedプログラムも後半に差し掛かった中、ここからどれだけソリューションアイデアをより具体的なものにできるかが鍵となります。
”ソリューションアイデアのブラッシュアップ”や”ビジネスモデルのブラッシュアップ”と言われても、考えなければいけない項目はたくさん…
そこで、Day5では下記の5つのチェック項目に沿って、”ブラッシュアップ”を進めて行きました。
課題/ソリューションインタビュー結果をもとにユーザー像を見直していること
課題/ソリューションインタビュー結果をもとにユーザーが置かれている現状を見直していること
課題/ソリューションインタビュー結果をもとにユーザーの抱える課題の本質を見直していること
課題/ソリューションインタビュー結果をもとに初期MVP(プロトタイプ)の改良点が明確になっていること
ビジネスモデルを見直していること
それぞれのバーチャルチームに別れたあと、各々のアイデアを発表し、それに対してメンバーからフィードバックを行いました。
Advancedプログラムも後半に入ってきて、メンバーからのフィードバックにも熱が入ります!
振り返り
受講生の振り返りでは、特別講義を行っていただいた大澤さんのアイデア発送の方法に対する、ポジティブな意見が多く見られました。
様々なアイデア発想の方法を活用して、よりユーザーに求められるアイデアを見つけられるといいですね!
Day6に向けて
次回は、Day6とDay7の様子をまとめてお届けします!
Day6の前半では、中島将仁先生(仁法律事業所代表弁護士/SSDC監事)による「グソクの力 事業立上の基礎知識」というテーマで、事業を立ち上げる際の事業形態やお金周りに関しての特別講義をしていただきます。
Day6の後半とDay7では、最終報告に向けての準備を進めます。
最後は、恒例の全体で写真撮影。
続きは、Day6,7レポートをお楽しみに!!
参考:Advanced各日程レポート
▼Advancedの各日程のレポートはこちらに▼
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