システム開発会社から見たオフショア企業のポイント
今どの開発現場でもオフショアのシステム開発会社を使う企業が増えています。
オフショアとは日本に支店がある海外のシステム開発会社を指します。
オフショア開発と言うと、多くはベトナムなどの東南アジアであることが多いです。
ですので低単価で開発が出来るため、少しでも開発予算を下げたい企業が重宝して利用しています。
私自身、オフショア含め様々な国の方と開発したことがありますが、文化や習慣が異なるので日本の仕事の進め方に慣れているとギャップを感じることも少なくありません。
この記事では私の経験則から意識したほうが良いポイントを書きます。
発注者が決断をする
大前提としてオフショアの方は優秀で、様々な提案も行ってくれます。
しかし海外からリモートでの仕事で言語の壁もありますので、フワッとした要望だと意図したものとは違う方向に進むことがあります。
また「これを決めて」と決断は迫られますので、事前にある程度準備してから発注するのが良く、オフショア企業に全て任せるのは向いていません。
特に準委任契約ですと、せっかく抑えられた予算が発注者の意思決定待ちでいたずらにコストだけ掛かることもあります。
逐一システム開発会社と相談しながら進めたい時は、契約前に依頼するシステムについて決めておくか、会って話せる日本企業にお願いするのが吉です。
自社で環境を用意する
意識したほうが良いポイントでは無いかもしれませんが、発注前に知っておくこととして、サーバーは発注者が用意します。
日本企業によってはサーバーは開発会社が用意してくれることもありますが、開発会社を変更しにくいというデメリットもありますので、良し悪しを言及するものではありません。
ただサーバーやシステムに詳しくない方が技術的にもしくは環境設定に少し難易度が高いシステム開発を依頼するとトラブルになったケースを見てきました。
オフショア企業は日本企業と比べると業務範囲がハッキリしていますので、ここから先は自分たちでやってくださいという場面が出てきます。
もちろんサポートはしてくれますし、突き放すようなことはありません。
これはオフショア企業に限った話でもないですが、依頼したら終わりではなく、発注者もタスクがあることを把握しておきましょう。
専任の担当者を置く
良い部分なのですが、質問・相談は頻繁に行われます。
発注者側にボールがある場合はリマインドもありますので、連絡に時間は取られます。
その分、開発コストは下がっているはずですので専任の担当者を置きましょう。
日本企業の開発でも担当者はいるはずですが、任せるのではなく、一緒に開発を参加する意識が大切です。
開発中に機能を付け足さない
契約にもよりますが、開発中にこういう機能を付けたいと思うことが出てくるはずです。
もちろん相談していただくのは構いませんが、開発途中に差し込むと納期がずれ込んで想定以上のコストが掛かることもあります。
開発コスト削減というアドバンテージを機能追加で失ってしまったり、当初依頼していたシステムから仕様変更したことで開発に失敗したケースを何度か見てきました。
これはオフショア企業に限ったことではありませんが、コミュニケーションや距離の壁がありますので、発注前に疑問は無くなるまでとことん話し合い、全て決め終えてから発注するのが望ましいです。
営業から発注を急かされることもあるかもしれませんが、いかに発注前に完璧な準備が行えるかでシステム開発は成否が決まりますので、参考にしていただければと思います。
ありがとうございました。