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書初めは性格が出る|母のバンド名、判明
帰省2日目。通算で4日目。早めに起きて山の写真でも撮ろうと思っていたが、気づいたらお昼だった。実家は空間がねじれているため、時間も通常とは違う進み方をしている。もそもそと起き出して、朝ごはん兼昼ごはんの目玉焼きを食べた。
実家はカフェなので、僕がいつ起きようが関係なく賑わっている。駐車場を見て店の混み具合を予測し席についてもいいかを判断しているが、これくらいだったら問題なさそうと移動。実家とはいえ営業中の店に入るときは一お客さんみたいな気まずい顔で入店する。昼から起きてきて店に陣取るやつは叩き出されても仕方ないから、表情だけでも恐縮しておきたいわけだ。
会ったことのないスタッフの方もいて、何だか新鮮な気持ちで着席。みんなおしゃれでキビキビと働いているもんだから、職を失って実家に寄生しているニート的ないたたまれない気持ちになった。本当は東京でどんぐりとか拾って働いているんです、という言い訳が空に消えていく。
店の壁にはスタッフらによる書初めが張ってあった。達筆な人が多くてすごいや。書いてある抱負もパワーがあって、実家ながらこの店は安泰だろうなと安心する。特に「断捨離」の力強さよ。墨が垂れるほどの息遣いで書かれた「断捨離」の3字からは、確実に捨てまくるという強い意志が感じられた。
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かくいう僕は「少しずつ良くなる」を今年の抱負として据えた。威勢よく書き始めて後半がぎちぎちになってしまった時点で「本当か?」という感じもあるが、今年はこれを意識していきたい。
特に、「良くなりたい」という宣言ではなく「良くなる」という予言めいた言い回しにしたのがポイントだ。言い切ることで「あ、良くなるんだね〜」と神を騙す作戦である。姑息書初め。
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偶然母が学生時代に組んでいたバンドメンバーがお客さんとしてやってきていて、母のバンド名を知ることができた。その名も、【𝑺𝑬𝑹𝑰𝑶𝑼𝑺 -シリアス-】。かっこいい━━。THE ALFEEが流行っていたらしいのでその影響を受けたらしい。当時母が「イカ天(いかすバンド天国)」をめちゃくちゃ観ていたというのも面白かった。人に歴史あり。
夕方、再び東京に向かう特急列車に乗り込む。この年末年始は大きく横に移動し続けていて、長距離を移動する蟹みたいだなと思った。横に並行移動するだけでこんなに色んなことがあるんだからすごいよ。さくらももこのエッセイを読み、インド人にブチギレる話でケラケラ笑いながら帰宅した。
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