専門家会議「PCR検査が少ないのは●●のせい」
5/1に引き続き、5/4にも新型コロナ対策専門家会議から新たな提言が出ました。「PCR検査がなぜ少ないか」について理由が述べられてます。小学生でもわかるくらいに噛み砕いて説明しました。
はじめに
こんにちは!「こどもコーチのこーちゃん」ことスタスタCEOの鈴木孝一です。
東工大院卒、ITベンチャーと一部上場企業を経て教育ベンチャー2社経営、趣味で器械体操やプレミアムテキーラのインストラクター、・・・。誰かが敷いたレールには従わない人生を毎日楽しんでいます。
😎--ちょっとCM--😎
自分で決めて実行できる子を育てる「こどもコーチング」やってます!
--- -- --- -- --- -- --- -- --- --
5/1に引き続き、5/4にも新型コロナ対策専門家会議から新たな提言が出ました。「PCR検査がなぜ少ないか」について理由が述べられてます。小学生でもわかるくらいに噛み砕いて説明しました。
◆専門家会議は5/4にも新たな提言
👦:専門家会議が昨日また新しく提言を出したの??
父:そうなんだ。昨日話した「新しい生活様式」とかもそこに書いてあったことだよ。でもそれ以外にも割と大事な話が書いてあったんだ。今後の緊急事態宣言の解除条件(=新しい生活様式への移行)にも関わる話。
👦:なになに? どんなことが書いてあったの?
父:諸外国に比べて日本は「PCR検査が少なすぎる」って海外からも国内でも指摘されてたのは知ってる?
👦:朝のニュースとかで「もっとPCR検査をしないと!」って言ってるのは見たことあったよ。でも特別な装置と材料が必要だから検査できる数に限りがある、って前にお父さんが教えてくれたよね??
父:そう。限りがあるのはどこの国でも同じなんだ。なのに海外に比べて圧倒的に検査数が少なすぎるって言われてたんだ。それについての理由とか、少なかったけどそれにしてはよくやってるよって話とか、今後はどうするか、みたいなことが書いてあったんだ。
👦:専門家会議がある種の「言い訳」みたいなことをしたってこと? どんなこと言ってるのか気になる!!
◆各国のPCR検査数
父:まずPCR検査の現状について説明している。外国と日本でどのくらい検査数が違うのかがわかるグラフだ。「総検査数」と「10万人あたりの検査数」が書いてある。
【各国、地域における PCR 検査数の比較】
👦:どうして「総検査数」と「10万人あたりの検査数」を分けて描いてるんだっけ? 検査の数が大事なら、総検査数だけ見ればいいんじゃないの?
父:それじゃダメなんだ。例えばシンガポール(Singapore)を見るとわかりやすい。総検査数は99,929で他の国に比べると圧倒的に少ないよね。日本は236,984だからそれよりも少ない。でも10万人あたりの検査数は1,708で日本の10倍くらいだ。
👦:そっか「10万人あたり」を見ると、PCR検査がどれだけ行き届いているか、ってのがわかるのか。
父:そう。単純な検査数だけを見ていてもそれはわからないよね。まあ人口で割ってるだけだから総検査数からすぐに計算できるんだけどね。この「10万人あたり」を見たら一目瞭然だよね。日本の検査数は諸外国に比べて圧倒的に少ない。
👦:本当だね。
父:で、検査が少ないからわかってないだけで「本当はもっと感染者がいるんじゃないか」ってツッコまれてるんだ。この数字だけだとそう考えるのは妥当だよね。だって検査しない限り「感染者」ってカウントされないんだから。
👦:「この数字だけだと」? ってことは、なにか別の数字も一緒に見れば違う解釈になるってこと?
◆各国のPCR検査陽性率
父:そう、それが「検査陽性率」つまりPCR検査したもののうち「陽性」が出た率のことだ。「検査を沢山すればするほど陽性率が下がる」ってのは理解できる?
【各国、地域における検査陽性率の比較】
👦:検査多いほうが陽性率は下がる? んー、わかんないや・・・。
父:人口100人のうち10人感染しているとする。30人分しかPCR検査できないときは、30人中10人が感染してたってことだから陽性率は33%。一方100人分検査できるとすると100人中10人が感染してたってことだから陽性率は10%。つまり沢山検査したほうが陽性率は下がるんだ。
◆人口100人、感染者10人のときの陽性率
・ 30人検査 30人中10人 → 33%
・100人検査 100人中10人 → 10%
👦:なるほど。陽性率が低ければ、検査は足りてるってことなんだね。
父:見逃している感染者も少ないはずってことだ。でさっきのグラフに戻ると、日本は5.8%だから比較的低いよね。1.8%の韓国には負けるけど、34.3%のニューヨークとか26.9%のイギリスに比べたらめちゃ低い。
👦:つまり日本は、検査が足りなくて見逃してしまっている感染者が諸外国に比べるとかなり少ないはずってことだね。
◆日本のPCR検査数と陽性率の推移
父:今はね。一時期は陽性率が高くなってたよ。10%を超えてた。日本のPCR検査数と陽性率の推移のグラフがこれだ。緊急事態宣言後は陽性率が下がっていってるね。
【PCR 陽性率と検査数の推移】
👦:検査数も4月から増えていってるね!
◆各国の死亡者数
父:つぎは死亡者数も見てみよう。最初のPCR検査数と同じで「10万人あたり」も描いてあるグラフだ。日本は人口10万人あたり0.3人しか死んでない。
【各国、地域における死亡者数の比較】
👦:「感染者10万人あたりの死亡者数」ではなく「人口10万人あたりの死亡者数」なんだね。圧倒的に日本は死亡者数が少ないね。
父:「コロナで死んでも検査されてないだけじゃないか?」みたいなことを言う人もいるんだけど、それは日本の医療体制から考えて極めて少ないだろうから気にする必要はない。
◆PCR検査が増えなかった理由
👦:今までのグラフを見ると、確かにPCR検査は少なかったのかもしれないけど、陽性率は低いから検査はある程度足りてるみたいだし、死亡者も少ないよね? なにが問題なの?
父:昨日話した通り緊急事態宣言の解除条件(新しい生活様式への移行)の中に、
・必要なPCR等検査が迅速に実施できること
ってのが入ってるんだ。3月下旬以降、感染者数が急増した大都市部で検査待ちになっちゃうことが結構あったらしいんだ。「検査したいのにできない!」って。これが起きないようにしないと緊急事態宣言は解除できない。新しい生活様式への移行ができない。
👦:なるほど。
父:で専門家会議は、今までPCR検査を増やせなかった理由を明らかにして、どうやってこれから増やしていくのかを明示したんだ。
■日本でPCR等検査の能力が早期に拡充されなかった理由
・制度的に、地方衛生研究所は行政検査が主体。新しい病原体について大量に検査を行うことを想定した体制は整備されていない。
・その上で、過去のSARSやMERSなどは、国内で多数の患者が発生せず。日本でPCR等検査能力の拡充を求める議論が起こらなかった。
・そのような中で、今回の新型コロナウイルスが発生し、重症例などの診断のために検査を優先させざるを得ない状況にあった。
・専門家会議提言等も受け、PCR検査の民間活用や保険適用などの取組を講じたが、拡充がすぐには進まなかった。
■PCR等検査件数がなかなか増加しなかった原因
① 帰国者・接触者相談センター機能を担っていた保健所の業務過多
② 入院先を確保するための仕組みが十分機能していない地域もあったこと
③ 地衛研は、限られたリソースのなかで通常の検査業務も並行して実施する必要があること
④ 検体採取者及び検査実施者のマスクや防護服などの感染防護具等の圧倒的な不足
⑤ 保険適用後、一般の医療機関は都道府県との契約がなければPCR等検査を行うことができなかったこと
⑥ 民間検査会社等に検体を運ぶための特殊な輸送器材が必要だったこと
👦:これが「言い訳」だね 笑
父:まあ一応「弁解」って言ったほうがいいかな 笑 背景として検査の拡充が難しい状況があったってことだ。検査が増えなかったのも仕組みとしての問題とかもあったみたいだね。で、これを解決しないと、というのも言ってる。
■今後求められる対応
医師が必要と考える軽症者を含む疑い患者に対して、迅速かつ確実に検査を実施できる体制に移行すべき。
① 保健所、地方衛生研究所の体制強化及び、労務負担軽減
② 都道府県調整本部の活性化
③ 地域外来・検査センターのさらなる設置
④ 感染防護具、検体採取キット、検査キットの確実な調達
⑤ 検体採取者のトレーニング及び新たに検査を実施する機関におけるPCR等検査の品質管理
⑥ PCR検査体制の把握及び、検査数や陽性率のモニターと公表
さらに、政府に対して、PCR検査等を補完する迅速抗原診断キットの開発及び質の高い検査の実施体制の構築を早急に求める。
👦:なんか漢字ばっかりで頭に入ってこない・・・。
◆緊急事態宣言の解除条件とPCR
父:たしかにね。僕たちはあまり気にしてもしょうがない情報だしね。この中で注目するとすれば、
⑥ PCR検査体制の把握及び、検査数や陽性率のモニターと公表
これだ。緊急事態宣言の解除、つまり新しい生活様式への移行の条件に関係してるから。でも昨日も説明した、専門家会議が出した条件って抽象的でよくわからなかったでしょ? それを大阪府は具体的に出してくれたんだ。
👦:ほんとだ!
・PCR検査の陽性率 7%未満
が7日間連続で達成できればいいんだね。めっちゃ具体的でわかりやすいね!
父:はっきり数値で示してくれたのがいいよね。具体的な目標ができると自粛も頑張れる気がするよね。さっきも話した通り陽性率は検査数が多いほど下がるから検査の数は大事なんだ。
👦:それはわかるけど、でも検査だけムダに増やして陽性率を下げても意味なくない?
父:意味なくはないんだ。もちろん陰性だった人を1分ごとに10回連続検査したら意味ないけど、常識的に考えてそんなことはしないよね。沢山検査できる体制を作り上げておくのは大事なんだ。
👦:どうして?
父:「新しい生活様式」に移行した後、気を抜くとまた感染拡大しちゃうってのは昨日話したよね。感染者が増えてきたらなるべく早く察知して再度緊急事態宣言を出さないといけない。そのためには迅速に十分な量のPCR検査ができるようにしておかないといけない。
👦:なるほどね。だいぶ状況が理解できてきた気がする!
さいごに
お父さんお母さんに役立つ記事を毎日書いていますので「スキ」「フォロー」で応援いただけると嬉しいです!
小学生でもわかるコロナウイルス解説やってます↓
#子育て #育児 #教育 #子ども #小学生 #親子 #コーチング #新型コロナウイルス #コロナ #COVID19 #専門家会議 #緊急事態宣言 #新しい生活様式 #大阪モデル #PCR検査