「しぐれうい」という一つの回答
本投稿はファンでもなければアンチでもない(と思う)人間の主観であるため、期待外れであればブラウザバックを推奨する。
目的として、しぐれういというイラストレーターの活動に焦点を当てて、整理する。
以前の投稿に挙げた内容と連動するので、以下の投稿を読むと少し理解がしやすいと思われる。
https://note.com/ss_a458/n/n394a6b4b3561
概要
以前の投稿を要約すると、「イラスト生成AIは今後も進化して来るし、企業も活用するから人間側は何かしらの考えをまとめた方がいいよ」ということなのだが、おそらく気が気ではないのは専業のフリーランスのイラストレーターだろう。
そのように仮定したうえで、前投稿に書いたのは、「セルフプロデュースを明確に定め、生き残りの道を探る」というものだった。
本投稿の結論を言うと、しぐれうい自身は生き残りを探っているという結論になる。
そもそもしぐれういとは
フリーのイラストレーター、漫画家。ホロライブの「大空スバル」のママ(デザインイラストをした人の通称)である。また他箱のタレントのママでもある。記憶が正しければ2019年ごろにスバルに召喚される形で配信デビュー(Live2Dでモデルを用意)。その後3Dまで行い。楽曲までリリース。企業に属さない所謂個人勢としては破格の約200万人のチャンネル登録者数を誇る。単独ライブなども行い、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。
彼女が伸びた理由はあえて語らない。そこは論点ではない。
活動の現状
これまでデビュー以降、観測してきて、イラストレーターと名乗るにはもう手広すぎるくらいタレント活動をしている。
批判の意図はない。強かさと運、環境をフルに生かした立ち回りだと舌を巻くしかない。
まず、娘にあたる大空スバルに召喚され、その声やキャラが話題になり、Vtuber化。その後はすさまじい勢いで伸びる。まずこのころVtuber黎明期であり、比較的参入しやすい業界であったこと。また、ホロライブと強い関係を持ち、にじさんじ、ぶいすぽっ!などと、関係を構築し、強固なコネクションを持っている。まず、Vtuber業界で大きな箱は抑えているといっても過言ではない。また、個人勢であるため、強制力がなく、マイペースで配信スケジュールを進められる。楽曲やライブでアーティスト要素を追加しながらタレントとしてのネームバリューを高める。
そのネームバリューを駆使しながらイラストレーターの仕事を受ける。
見事なスパイラルである。
Live2Dによるデビュー→3D化→楽曲リリースの流れはにじさんじ、ホロライブの常套手段である。ほかに、有力なタレントの配信に参加し、切り抜きで知名度を高めることも忘れない。かつて、白上フブキや湊あくあが多用し、ホロライブが成長したメソッドを積極的に活用しているように見える。現在、すでにその段階は過ぎているので、コラボの頻度は限りなく低迷している。
ここまで書いたが、結局のところ彼女が専業イラストレーターという当初の職業に回帰するのかは彼女しかわからない。
ただ、現状ではVtuberしぐれういを手放すとは到底思えない。
活動の動機
今後の業界でイラスト一本で喰っていけるかは不明瞭である。その中で生き残るには「その人でなければならない」というネームバリューを高めていくことに腐心する必要があるだろう。
しぐれういの活動に触発されてかどうか、ホロライブのママ・パパたちが配信活動を始めだしたことも、特筆しておきたい。おそらくそれだけVtuberという業界とイラストレーターの技能と親和性が高いこと、少しでも生き残りを図るために始めたという理由が全員が同様にあるように思えてならない。
それだけイラストレーターの業界は厳しい。
ではなぜネームバリューに固執するか。例えば、手塚治虫が現在まで存命していた場合、多くの人間が金を出してでもイラストや漫画を描いてほしいと願うだろう。
なぜならそれは手塚治虫だからだ。
「手塚治虫に自分のために絵を描いてほしい」。このような存在になることをしぐれういは狙っているし、現状それはうまくいっているように思う。
既存の売り出し方であった、ネットにアップしてのネームバリューを稼ぐにしても、いくらでも同業はいるので、埋没する。なにか他とは一線を画したプロデュース手法が必要だった。それはイラストレーター、漫画家が経験したことのない違った形のセルフプロデュース。自分自身さえもコンテンツ化して配信業で人気を搔っ攫う。得てしてそれは上手くいった。その清々しさが彼女の一つのキーワードであるように思う。
似たようなイラストレーター兼Vtuberはいくらでもいるが、現状、しぐれういが2周以上差をつけてリードしていることは認めなければならない。
その動機がイラストレーターを続けるためなのか、Vtuberとして大成するためなのかは未だに図れない。
戦略
彼女の生き残り戦略は「狡兎三窟」というキーワードがよく似合う。賢い兎は穴蔵を3つもっている、転じて、何かが一つ使えなくなっても保険が複数あるということだ。
楽曲がコケても、チャンネルの収益で生き残れる、Vtuber業界が衰退してもイラストレーター専業に戻ってもいい。つまりキャリアを柔軟に変えられ、重心を置く分野を自在に変えられるということが活動における最大の強みであるということがよくわかる。
観測できる範囲での予想だが、しぐれうい自身の活動比重は未だイラストレーターではあると思われる。
根拠としては今年個展を開いたということが大きい。
個展は正直言って、儲からない。イラストレーターの個展ならなおさらである。
案の定、すさまじい数のグッズが販売されていた。おそらく好調であっただろう、赤字ではないはずだ。自身のネームバリューをよく自覚している。
ただ、イラストレーターであることが彼女のアイデンティティであるということも透けて見えた。
彼女が今後どのようにキャリアを歩むのかはわからない。変質するのか、不変なのか、今後もそれを観測し続けていこうと思う。