意識の誕生

人の意識は、どのようにして生まれるのか(その2)


人が生きるとは、どういうことかを知るには、

意識について考えざるをえない。

意識は、すべてのおおもと。


生きものは、個体として生命をまっとうし、

子孫を残せば、役目は終わりです。

子孫は種(遺伝子)として残せばいい、

個体の役目は限られていますが。


生きものは、生きることが一番大切です。

例えば、地球上で生き延びるには、

太陽の恵みをしっかり受けることが肝心。


太陽の恵みとは、エネルギーが豊富な可視光線。

色で言えば、緑。

地球は緑の大地が中心。

人もまた、緑に安らぐ。

人の視覚が緑をめでるのも当然。


例えば、人体をつくる食べ物。

おいしいものは、人体に必要なもの。

人は、樹上生活が長い霊長類。

果実だけでも生きることができる。


二足歩行で脳が発達した人では、

脳は重さで人体の5%だが、エネルギー消費は20%以上。

糖分は特に大量に使う。

草食動物のように植物をエサとしていたのでは、

脳に必要なエネルギーを吸収できない。


肉や魚を主食にすることで、ヒトはこの不足を補ってきた。

火を使う料理の発達が不可欠だった。


美味しいという記憶。

何をおいしいと感じるのか。

それは、半分以上、遺伝で決まっている。

そして、生後の経験で、より詳細な記憶が積み重ねられる。


例えば、

人は外界を見ているが、

生きるのに必要な事柄を見れば、充分。

外界の実態や真実などは、人には不要。


人は直線を感じることができる。

これは視覚をつくる遺伝子がそうなっている。

直線や円や角を感じるのは、

外界を整理するのに役立つ。

図表であらわし説明できる。


言葉の仕組みも、遺伝子から生まれたもの。

母音と子音の区別や組み合わせ。

生まれながらに、言葉に親しみを感じる能力。


人は胎内にいるとき、

母親の心臓の鼓動が一番の刺激。

そして、母を取り巻く環境からの音。

人の話す言葉や生活音。

その経験の集積が誕生後に役立つ。

記憶や意識が生まれるもとになっている。


私は、瞑想のとき、

心臓の鼓動と、鼓動が身体に与える微妙な振動。

これらの刺激のみの世界にただよう。

まさに、母の胎内にいる状態と同じ。

当然、心身は満ち足りて安定する。


人の記憶の積み重ねから意識が生まれる。

意識は、外界を映すものではない。

生きものとして生きる上で必要な事柄が蓄えられる。


意識は、外界の実態や真実とは無縁。

真実は、人の生存にとって重要事項にはなりえない。

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