21世紀はどんな時代
漢字「利息」の語源は、
息(すなわち息子)は利のごとし。史記より。
らしい。
子どもは、親にとって、利益を生み出す源泉。
「子宝」なのだ。
古代のシュメールやエジプトでも、「利子」と「産む」は同じ言葉だった。
利子の誕生は、お金よりも古いという。
穀物を借り、収穫後に利子をつけて返す。
利息は、ハムラビ法典では33%だった。
20世紀のインドで、穀物種子は倍返し(利子100%)。
インドネシアで、利子50%。
フィリピンで、コメは100%。豚一頭借りれば二頭にして返す。
日本も、平安時代まで年利率は100%が普通。
鎌倉・室町幕府は、利息の上限を100%としていた。
ルネサンス期のイタリアは金利40%。
お金を貸す場合、穀物や牛や豚よりも金利は低い。当然。
穀物の種は収穫できれば、約20倍近くになる。
牛や豚も子どもを産む。
お金は子どもを産まない。
1920年代のアメリカ株式のバブル。
株価指数は約10倍まで登りつめ、
バブル崩壊後、10分の1になった。
その後、消費者物価指数調整後の実質株価指数がもとの水準まで戻るのに、
なんと、60年もかかった。
1980年代の日本のバブル。
株価指数は約10倍まで昇りつめ。
その後10年で5分の1まで下落。
元の水準に戻るには、40年近くかかるだろう。
世界銀行のホームページでは、
各国の株式時価総額を名目GDPで割った値が掲載されている。
内閣府のデータによると、
1980年代後半に140%がピーク。
それ以後は、60%から100%をうろうろしている。
もし、今の株価の倍増を期待するなら、
GDPが二倍にならないとダメということを示している。
日本の場合、ほぼ不可能。
これからの時代は、GDPで表現できない要素が重要となる。
つまり、実質的な生活向上。
資金やお金が貴重な時代。
つまり、世の中にお金が不足している時代。
人類社会は現在まで、いつも変わらずそうだった。
しかし、今、
アメリカも中国も日本も紙幣をどんどん増刷している。
しかし、お金の価値は、思うほど低下しない。
世界中にモノを生み出す供給余力があるからだ。
買うべきものがいくらでもある。
投資先がいくらでもある。
お金の使い道がいくらでもある。
従って、貨幣価値は維持される。
これ以上の利益やお金はいらないからと、
もっと良いお金の使い方を提示する企業やNPOがある。
国家の政策よりも、先を行く。
利息はいらないから、
人類世界にとって、
有益な事業を拡大してほしいという投資家たちが生まれている。
人類社会は、
お金で手に入らないものを探し始めている。
利息や利子や株の時代が終わるのが、
21世紀。
子どもをもつことが利得につながる、
そういう時代が終わる。
お金を増やすことが利得につながる、
そういう時代が終わる。
20世紀後半、投資の利益率は約8%。
株を持てば、資産倍増の時代。
21世紀に入り、利益率は2%に低下。
もはや、投資や株では資産を増やせなくなった。
AIとロボットの発達で、
これから、生産費はますます低下する。
すべてのモノが安くなる時代。
資源を節約しながら、エネルギー消費も最小になる。
どこの国で生産しても、コストが同じになる時代。
投資の利益率はゼロ。
お金を貯める人はいなくなる。
つづく