意識とクオリア
人の意識は、どのようにして生まれるのか。シリーズ13
意識の核心は、クオリアと呼ばれている固有の感覚。
その当人にしか分からない実質的な実感のことだ。
例えば、あるものを食べて美味しいという実感。
それが、どのような感覚であるか。
それは、当人にしか分からない。
言葉では説明できない感覚。
幼い頃からものを食べた記憶情報の全てが背景になっている。
過去のあらゆる記憶、エピソードの上に成り立っている。
だから、人に伝えられない。
そして当人でさえも、それを記述することはできない。
あまりにも大量の情報が背後にある。
意識している感覚は、表面に浮かぶ氷山のようなもの。
海中に隠れている方が圧倒的に巨大。
当人でさえ意識していない意識下の感覚を大量に含む感覚。
それが、クオリア。
一言で云えば、感覚の質のことだ。
その当人にしか体験できない固有の質のこと。
クオリア - Wikipedia
このクオリアこそ、
意識の本質ともいえる。
基本的に、人に伝えられないもの。
従って、言葉にして概念化できない。
個々人の個性が激しくて、
一般化や抽象化や概念化が不可能。
このクオリアがないとなると、
それは、ロボットと同じになる。
将来、意欲、計画、議論、合意形成が可能な
高度AIのロボットができたとしても、
クオリアがないとなると、感覚の質がないから、
感じていないことになる。
例えば、人を殺して、何も感じない。
それはロボット。
クオリアがない。反省や理性や理屈とは違う感覚。
人の意識が生まれるとは、
このクオリアが生まれると同じ。
クオリアが生まれるには、
感覚や感情体験の蓄積が不可欠。
特に、母親の胎内にいるときに感じる、
5感からの体験の積み重ねが不可欠になる。
胎内にいるとき、
毎秒聞いた母親の心臓の鼓動。
そして母親の声など。
それらが、人の誕生後、
感覚や感情など感性と知性が発達するもとになるからだ。
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?