剣の達人

先日のブログで、人は苦手な分野を選んだ方が、

人生は豊かになる、と書いた。


得意なことを続けると、

成功や名誉につながることが多い。

これが、大きな落とし穴。


成功や名誉が、当人にとっていいかどうか。

それはわからない。


しかし、富や名誉を得て成功すると、

周囲の評価が変化する。

賞賛や媚びへつらいが増える。

これが問題。


自己についての認識が歪められるからだ。

おれは、優れた人間だと信じるようになる。

平凡でどこにでもいるような凡人ではないという、自己認識。

素晴らしい人間になったような感覚。


ところが、この世には素晴らしい人などいない。

誰も彼も、皆、ちょぼちょぼの半人前。

それが真実。


いくら剣の達人といえど、自分を知らない。

親しい人についても理解できない。

人間関係のもつれを解くことはできない。

人は皆同じ。

碁や将棋、野球やゴルフの達人も同様。


人は生涯、変化していく。

成長しているか成熟しているか、それは不明だが。

積み重なった体験と周囲の環境で変わっていく。


人の人生の醍醐味は変化を楽しむことにある。

大きな変化には喜びや満足が得られる。


一番いけないのは、得意だからといって、

生涯、同じ道を歩むこと。

まるで依存症のように、それなくしては生きられなくなる。



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