物乞い
今の日本は、とても良い社会だ。
もし、空腹で、路上に倒れていたら、
誰かが声をかけ、関係者を呼ぶでしょう。
お金がないようなら、地域社協に連絡して、
とりあえずのお金を準備してくれます。
もし、寝床がないなら、一時的に収容する福祉施設があります。
仕事に就けないようなら、生保もあります。
私が支援した、精神障害者は、職が不安的。
要するに、一定の所で長く働くことができない。
嘘を平気でいう、一時の出まかせが多い。
信用されません。
そういう人は、いつも金欠です。
サラ金から借金があります。
しかし、サラ金はチャラにできます。
自己破産すればいい。
財産が全くない人。
だが、自分だけではできない、当然私が手伝う。
ときに、どうしてもお金がないという。
私もカンパするには限界がある。
草取などの簡単な仕事は、
私の同級生に頼んで何度か紹介したが、
それも限りがある。
ほっておくには可哀想。
私の友人。
そこで、一緒に物乞いして回ることにした。
お金を得るというのが、どんなに大変か、
一緒に体験して学んでもらおうという魂胆。
飛び込みで、玄関で寄付をお願いして歩くことにした。
身分をある程度明確にしないといけないので、
簡単な説明ビラをつくり、
お金に困っているので、寄付をお願いします。という文面。
近くの町を、道路沿いに軒並みベルを鳴らして歩く。
半数は留守。
たとえ居ても、趣旨を理解してもらえない。
当たり前。
一軒だけ、カンパをいただく。
しかし、精神的に疲れる。
断られてのダメージが重なる。
この街並みには、恩師の家がある。
そこでは、いくらかもらえると計算したが、
残念、留守だった。
結局、男の親戚を尋ねて、
何とか、お金を工面する。
男は私がすることを隣に見ている。
当然、何かを感じたはず。
この後、私に対して、お金をねだることがなくなった。
私の物乞い体験。
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