人生で成功するコツ

質問「成功者になるコツをいくつか教えてもらえませんか?」

私の回答は下記。

73年の経験から、成功者になるコツを考えてみた。

まず、成功の定義です。

生が終わるまで、人生の総括はできないとするなら。

成功とは、生の終末期で、自分の人生に満足できることです。

例えば、地位も名誉も富みも得て、多くの人々の賞賛の的になっている人で、末節を汚すことが起こった場合を考えます。

例として、老化による不注意で、運転する車で人身事故を起こした時。

老化は誰にもあります。事故後の対処が普通にできれば、大きな問題にはならないでしょう。自己管理の甘さを反省しなくてはいけないでしょうが。

人生は最後まで何が起こるか分かりません。慢心はできません。

私の考えでは、人は死ぬまで愚かなままです。

どんなに努力しても賢くはなれません。

長年生きれば誰もが知る常識です。

生の終わりで、良い人生だと満足できるには、

長い一生の中で、どんな失敗があってもいい、

かなり深刻な過ちがあってもいいと思います。

肝心なのは、失敗や過ちの責任をきちんと果たしていることです。

例えば、人生の過程で、

殺人を犯してしまった。充分にありえることです。

人はどんなに誠実で堅実であっても、

付き合う相手によっては、何が起こるか分かりません。

怒りが極限まで至り、殺してしまうこともありえます。

私にもそんな可能性がありました。

人は誰も皆、環境や事情によって殺人犯になりえます。

人は皆、例外なく、過ちを犯す可能性を秘めています。

話は変わります、人は皆、難病や障害に陥る可能性もあります。

突発事故や障害や重病、また大切な家族の重病なども、防ぐことはできません。

人は未来の予知できません。

事故や破産や重病など、人は人生の過程で大きな重荷を背負うことがあります。

それらを事前に防ぐことは人の知恵を超えています。

特に、人の世話や支援などを積極的に行う人たちは、

自分以外の他人の不幸の一端を自分のことのように引き受けるものです。

問題は、そういう大問題に陥ったときに、どうするのか、ということです。

親切で善意に満ちた仲間や友人が多ければ、乗り越えやすいと思います。

良い友人を沢山つくれるのは、その人の人柄です。

しかし、人によっては友人が少ない人もいます。孤独な性格です。

人生で成功する一番のポイントは、自分の特性や個性をできるだけ早く知ることです。

孤独を好む人は、適応できる仕事を探さなくてはいけないでしょう。

人は各人、持ち味があります。それを知れば活かせます。

頭が良くて成績優秀、卒業後もエリートコース、全てが順風満帆。

そういう人は、特に気を付けなくてはいけないでしょう。

自分の特性や個性に気付く機会が少ないのです。

周りから期待され、その通りに生きているのです。

周囲に適応して問題が起こらないので、気付く機会がないかもしれません。

大きな問題にぶつかれば、人は考えます。

どこがいけないのか、そこから反省が始まります。

私の場合は、10歳で直面した吃音です。

どこにも相談する人がいない。医療機関もない、治療法もない。

親も教師も無知。自分一人で苦闘するしかありません。

お陰で、人を頼りにしないで、自分の考えで全てを行うという、

自主独立の精神が出来上がりました。

これが私の人生で大いに役立ちました。

勿論、人の助言を頼りにしない生き方は、大変な苦労となります。

人が敷いたレールに乗って生きることに慣れると、

人は変わったことができなくなります。

ところが、人は皆、個性があります。

普通の人と違ったことをしたいという思いを秘めています。

自分の本性に合う生き方は、だいたい世間とぶつかるものです。

大問題にぶつかったときこそ、その人の生き方が試されるのです。

例えば、子どもが重度障害者になった時です。

私の長女(当時32歳)が、脳出血後遺症で重度障害になりました。

8年前。それからの経験は、私の生涯で貴重な宝物です。

この体験から私が学んだことは、

「子どもが重度障害になれば、親は幸せになれる」という思いです。

しかし、普通の人に話しても、ほぼ分かってもらえません。

これは体験者でしか共感できないようです。

娘のお陰で、障害者の家族など、多くの人と知り合いになりました。

私は吃音の体験(10歳から50歳まで)があるので、

障害者についてはよく知っているつもりでしたが、世界は広い。

障害者の世界も広いことを再認識しました。

幸せという視点で見ても、

健常者と障害者はどちらが幸せか、とても判断できないテーマです。

私の人生は、40代と50代はボランティア中心の生活でした。

収入よりも生きがい。色々な課題で活動しました。

教育関連では、近くの中学校への支援を約4年半。

毎朝、校門で全校生徒の顔を見て挨拶し、私に何ができるか考えました。

また、精神障害者の支援では、一人の男性のことが忘れられません。

ちょうど、池田小事件のタクマさんのような感じの人です。

粗暴な態度、言動も暴力団風、犯罪歴も多い。人格障害、てんかん、幼児から酷い虐待

を受けて育っている。世界中を敵にしている目つき。友人は一人もいない。嘘を平気で言う。人を騙すのが得意。歪んだ認知。おしゃべりは得意なのでセールスでは好成績、しかし無責任なので長く続かない。

彼と15年付き合い、生活の支援をしました。

最期は生活保護。途中で自己破産の手伝い、内縁の妻の任意整理の手伝い。

小学生の連れ子への児童虐待。

これは現場に遭遇して対応しました。

結局、51歳で亡くなるまで看取れて満足です。

彼を知り、世の中は広いなあと、あらためて実感しました。

彼とほぼ毎日付き合った時期があります。

ある時、「何か楽しいことをしよう」と私が言うと。

楽しいとは何か分からないというのです。

幼い頃から虐待を受けて育ち、大人になってからは暴力団の仲間と交友していましたから、悪いことは一杯やっています。人の恨みをかうような悪事です。そのため、仕返しが怖くて、部屋は刃物だらけ。常時、腹巻の下に刃物を隠していました。一時も安心できないのです。

こころが不安で、楽しいことができないのです。

いつも、びくびく怯えているような感じ。

だからこそ、虚勢を張らないと生きられない。

強く見せることが大事。

ものごとを楽しむというゆとりがないのです。

ものごとを楽しむためには、少なくとも、こころがリラックスしていることが必要です。

緊張が続く状態で人は気楽になれません。

この世には、楽しいことが出来ない人も多くいるのです。

人の一生で大事なことは、問題が起こったときの対応です。

日頃から準備万端であっても、思いもかけない事態に遭遇することがあります。

そういう時の対応です。事故や病気や部下の失敗などです。

あるいは家族の問題です。

人が試されるのは、そういう時です。

何事もなく平和な一生。それは理想かもしれませんが、

人の一生はそれほど簡単ではありません。

成功が失敗に変わることは普通です。

人生を通じて、あなたしかできない、余人にできない業績を残し、

生きてきた証としての足跡をしっかりと残す方もいます。

人生の成功者と言えるかもしれません。

人の一生の価値は、その人にしかできないことを沢山すること。

それこそ、成功の証し、という意見もあります。

例えば、子どもを立派に育て上げた母親。

その母でしかできなかったのかもしれません。

私の父は、個性が乏しく自立心のない人で、可もなく不可もなく、平凡に生きた人です。

誰もがするようなこと以上はしませんでした。

父に反発するにはあまりに弱い人で、父子、私たちの関係は良好でした。

個性ある人は、父のような生き方は不可能です。

人と違う道を探します。たぶん、本能がそのように命じるのでしょう。

普通の人が通らない新しい道を切り開くのです。

その方が、生きがいもやりがいも緊張もあります。

当然、報酬も大きい場合があります。

成功の喜びも大きいでしょう。

同時に、失敗や過ちも付きまといます。

生きるというダイナミックさを満喫できます。

人生を振り返っても満足できる生き方でしょう。

余人ができないことを成し遂げるのが、人生の成功かもしれません。

その人でなくはできない業績です。

当然、失敗の恐れもあります。

この社会では、失敗と成功は、時と場と運で決まることが多いです。

個人の力では及ばないことがあります。

しかし、人生でギャンブルしてはいけません。

どちらでもいいように予期しておくことが知恵です。

長くなったので、そろそろ結論を書きます。

人生の成功のコツは、3つあります。

一つは、自分の個性や特性を早く知ることです。

このためには禅や瞑想がお勧めです。

自分の成長を助けてくれる友人や先輩たちを多数もつことも重要でしょう。

自分を知るには周囲の手助けが役立ちます。

二つめは、

大きな問題に遭遇したとき、それを自分の人生の糧として使えるかどうかです。

もし、人生行路を狭く考えていると、コースを外れることができなくなります。

どんなに困難に見えても、失敗や過ちを活用できるかどうかです。

三つめは、

自分の個性や特性を伸ばすことがポイントです。

世間的な成功から逸脱することを恐れないことです。

理解者が得られないこともありえます。

その時は、自分を信じるしかありません。

そういう時に、禅や瞑想が役立ちます。

上記は3年前の回答です。

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