【小説】ラヴァーズロック2世 #45「シンギング・カウボーイ」
シンギング・カウボーイ
カーテンに降りそそぐ光は白地に青のイカット柄をくっきりと浮かび上がらせ、おとなしく遊ぶフルーツたちのクスクス笑いを祝福する。
マルメロとアンズがカーテンを巻き込み、抱き合いながらくるくると回る。妙な形になったカーテンを指さし、顔を見合わせて笑うのは、いつも一緒にいるキワノとカリン。まだ冷たい床にチェリモヤが積み木を置くと、すかさずイチゴが赤い三角をその上に乗せる。
日曜の朝の柔らかな日差しは徐々に部屋を暖め、フルーツたちの騒めきと混ざり合ってゆく。
カントクはダークグリーンのロッキングチェアに腰掛け、パイプに火をつける。
フルーツたちには昨日の疲れが少々残っているようだ。が、問題はないだろう。何せ、今日はあのふたりがやって来る日なのだから。
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