週報 2024-05-07

旅行weekでした。最高でした。書を捨てよ町へ出よう。

消費コンテンツ

  • 現代フランス哲学入門

  • コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法/名和高司

  • 世界の一流は「雑談」で何を話しているのか/ピョートル・フェリクス・グジバチ

  • インセプション

  • ダンジョン飯 14話~18話

後述するが、強制デジタルデトックス環境にいた割には読書が進んでいない…というよりかは、現代フランス哲学入門が入門をうたう割にかなり骨太だったことが大きい。ビジネス書を2冊読んでいるが、これは哲学の抽象的思考に耐えかねた逃げの読書。ビジネス書は伝えたいことが明確にあり、それを丁寧に記述してくれるので負担なく読める。あと知ってることしか書いてない。読書している感、進んでいる感を得るために読んでいる。不健全!

『ダンジョン飯』魔物への異常好奇心のライオスと、人間への異常好奇心のカブルーの対比が面白い。というかライオスが面白い。
ライオスとシュローの喧嘩の中で述べられていた、「話さなければ伝わらないことがある/普通の人ならコミュニケーションで察することができる」という対立は最近の問題意識だなという印象がある。全く同じことが『ルリドラゴン』でも述べられていた。『ルリドラゴン』では、感情で暗示する/言葉で明示する、という対立が、「どちらが幼いか」という口論に着地した。解決はしていないが。
『ダンジョン飯』では違う。命を賭して(あんまり賭してないという説もある)ダンジョンに潜るパーティメンバーは、命を預けるからこそ市場を抜きにしたビジネスライクな一面があり、それはチルチャックが折に触れて説明している通りである。そのため、メンバー同士には死という重大インシデントを避けるため「嫌いでもなんとかうまくやっていく」ためにコミュニケーションコストを支払うというインセンティブが働く。それが裏目に出たのがシュローだ。シュローが言うように、コミュニケーションのコストを他人に強いているというのは「普通」の目線では正しいが、言われなきゃわからん人にとっては理不尽なものいいだろう。そういう「文脈に乗らない/乗れない人」が意外と大勢いますよねというのが最近の社会が提示している多様性であって、それは思想とか信条とか幼さとかそういう次元ではなく、生得的、原理的なものだ。だから殴って分からせるしかなかった。お互いに理解不能かつ強固な前提があって、それらが対立している場合、もはや対話での解決は不可能で暴力で穏便に解決するしかない。そういえば『ルリドラゴン』でもルリは普通に殴りそうになっていたな。やはり暴力はすべてを解決する。

週報

GWを生かして大旅行に行っていた。新門司から深夜に出るフェリーに車で乗りこみ、翌日の21時ごろ横須賀へ。そこから静岡、伊勢、熊野、大阪、宮島を経由して九州まで帰ってきた。かなりやってよかった。一度だけと思ったけど何回でもやっていいな。あと、同行者の間でロングドライブ耐性が如実に表れて面白かった。
今回の旅で痛感したのは、「ここあそこに似てるな」の多さだった。静岡インターは金沢だし、伊勢は出雲だし、神戸は横浜に似ていた。代替可能なファスト風土を没場所性と詰るのか、それとも思い入れや探訪を寄る辺にして主観的価値を見出していくのか。俺は後者を支持したい。あと、地域の歴史は没場所化しない固有のものであり、それを手がかりにしていくのもファスト風土の超克の可能性の一つだと思う。
余談として、海上でのデジタルデトックスが効果覿面。時間が無限にある。普段何に時間を消費しているんだ。インターネットです……
一日中本を読んでいた。物理本とKindleを往復して3冊読了。注意散漫が顕著。狭いコンパートメントでビジネス書や哲学書を読みふけっているのにはカッコ良さを覚えるが、学びて思わざれば…… 一日他人と連絡を取らないくらいどうということは無いな。いいことではあるがかなしい。他人との接続に飢えている。承認欲求!悪いことではない。


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