脳地図(3)
昔、医師のブロードマンが、脳の部位を
機能別に番号でまとめてくれました。
「脳の機能局在論」と言われています。
今回は、そんな地図から、下図の黄色枠の
【1番】【2番】【3番】を紹介します。
ここは、「体性感覚野」と呼ばれていて、
”熱い” ”冷たい” ”痛い” などの感覚を司る場所です。
脳地図(2)で紹介した【4番】の運動野の
傍に感覚野があるんです。
「動くこと」と「感じること」は、隣人さんの関係で、脳内で蜜に連絡を取り合っています。
そのため、感覚神経も、運動神経と同じように、右半身⇒左脳という「反対側支配」の
関係になっています。
さらに興味深いのは、【1番】【2番】
【3番】の部分のなかでも、手の指、足の指、顔、鼻・・・って感じで、入ってきた
信号・情報が行きつく場所(細胞)は、
決まっているんです。
つまり、「身体の部位」と「脳の表面」には、対応関係があるんです。
この対応関係を細かく調べた人が、
医師のペンフィールドです。
これを「対部位再現地図」って呼んでます。
面白いことに、脳の表面では、身体部位そのものの大きさではなく、感覚の敏感さ
(識別能力)に基づいて部位が再現されています。
これをもとにすると、こんな感じのちょっといびつなプロポーションになっちゃうんです。
この手と唇のでかいアンバランスな人間?は、脳のこびと、ホムンクルスって呼ばれてます。
「手、でかっ!」ですね。
手や唇の感覚が敏感なのは、生物学的にとても理にかなっていて、それが脳内でちゃんと再現されているんです。
脳っておもしろいですね。
ファントムペイン
棘(とげ)が指に刺さると、「痛い」って
信号・情報がこの感覚野に届くことで、
私たちは「痛い」ことを知覚します。
通常は「身体→脳」の伝達方向なんですが、このペンフィールドの地図(細胞)が直に刺激されるだけでも、感覚は再現することができるんです。
つまり、身体からの信号・情報がなくても、「感覚野」が活性化すると、私たちは
「感覚」を知覚します。
「幻肢痛(ファントムペイン)」とは、
手足を切断した後でも、あたかも手足があるかのように、無い部位の痛みを感じるというものです。
実際の手足は切断してなくなっていますが、脳のこびとの手足はなくならないため、
感覚は残ってしまうんです。
「体性感覚野」は、この不思議な現象に関係している場所なんです。
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