いろんな介護施設を紹介していきます
本日は、「介護老人保健施設」を紹介します。略して「老健(ろうけん)」。
特養と老健って同じ公的施設ですが、その
役割・機能は、実はまったく違います!
老健は、他の施設にはない大きな特徴があります。そこをみていきましょう。
老健(ろうけん)
1)特養とは違う役割
特養は、福祉的な役割があり終身で入所できる施設ですが、老健は、リハビリ等を提供し「在宅復帰を目指す施設」なんです。
ここが1番の違いですね。
よく老健は、自宅と病院の「中間施設」って呼ばれたりします。
2)医師とリハビリテーション専門職が働いている
施設は、国が決めた「人員の配置」をして
運営をしなければけません。
老健では、在宅復帰に向けたリハビリが必要なため、リハビリテーション専門職が、
入所者100名に対して1名以上必ず働いています。
さらに常勤の医師もいて、入所している方は、医学的管理下で、リハビリと介護(日常の世話)を受けることができる施設なんです。
リハビリが充実している点が、最大の特徴ですね。
3)要介護1~5の方が入所できる
特養とは違い、要介護1,要介護2の方でも入所できます。
ただ、特養も同じですが、介護保険を申請して認定(保険証)を受けないと利用できません。
4)部屋のタイプ
5)料金
入居一時金はなく、月額費用9~20万円くらいです。特養よりは高いことが多いです。
内訳は、
「施設サービス費+居住費+食費+その他日常生活費」の合計を毎月支払います。
ここは特養と同じです。
6)おむつ代
特養と同じで、おむつ関連の費用はサービス料に含まれていますので、別途請求されることはありません。
今、おむつを再利用しようって試みが始まってます。こういうサスティナブル?な取り組みいいですね。
7)手厚い医療ケア
老健では、日常的に必要な医療については「施設サービス費」に含まれているため、
別途医療費はかかりません。
そのため、医療費を気にせず治療を受けながら生活して、在宅復帰を目指すことができます。(*すべての医療行為が対象ではないです)
日常的に必要な医療とは、
・血液や尿などの検査
・傷を消毒するなどの処置
・投薬や注射など。
薬の代金も施設の負担となっています。
一方、特養での医療行為は、すべて医療保険を利用しますので、施設に支払う利用料とは別に自己負担をする必要があります。
8)入所できる期間が決まっている
入所期間は原則3ヵ月(約90日)と決まっていますので、施設側は、入居した時点で、
退去後の計画を立ています。
ただ、強制的に退所になるということではありません。
リハビリを頑張ったけど、結果がでなかったということも当然ありますでの。
大事なのは、
終の棲家を期待して選んではいけない施設ですので、この点はしっかり押さえておくといいと思います。
9)地域包括ケアシステムで重要な施設
今、国は地域包括ケアシステムの構築を目指している最中です。
「住み慣れた地域で最後まで自分らしく」ってフレーズ・理念は、とてもすばらしいですが、これは、地域に十分な医療と介護の資源があってこそ達成できるものです。
もし資源が不十分だと、
「老々介護」「孤独死」「介護離職」など
最近ますます表面化してきた問題へとつながり悲劇的な結果になってしまいます。
今後、医者をはじめ、看護師、リハ職、介護職が常勤で働いていて、中間施設に位置づけられる老健は、このケアシステムが機能するために期待されている施設なんです。
10)老健が抱える問題点
計画どおりに在宅復帰ができないこともあります。
在宅介護は、やはり介護する側の状況に大きく依存しますので、
老健は、「(役割り的には)自宅へ帰したいけど、現実的に帰せない」ってジレンマに陥りがちな施設なんです。
在宅復帰が難しいようであれば、
本来は「老健⇒特養へ」の流れになるんですが、特養は空きがなく行き場所がないという問題が起こっています。
これを「老健の第2特養化」と言ったりしています。
施設は、それぞれ役割・目的があります。
特に公的施設は、社会的、福祉的な大義があります。
しかしながら、特養の待機問題、老健の特養化、他にも色々な課題が山積しているのが、今の介護現場の実情です。
読んで頂き、ありがとうございます。
次回は、新しい施設の「介護医療院」を紹介します。
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