【ソード・ワールド2.5/2.0】公式キャンペーンシナリオ感想まとめ【TRPG】
ソドワ、キャンペーンシナリオだけでも結構な冊数があるため何を買えばアドなのかわからん。
ネットで調べてもアマゾンのレビューくらいしか参考にできるものがなかったため、これから遊ぶ人向けに備忘録を書き残します。
※ゲーム終了時点のPC最高レベル、キャンペーンオリジナルギミック、ストーリー概要に触れる微ネタバレあり。
敵情報、ギミック攻略等の致命的なネタバレはない。
※遊んでないキャンペーンについては触れていません。
遊び終わったら都度追記していく予定。
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【SW2.5】
ヴァイスシティ -悪徳の贄-
GMを立て、PLとしてプレイ。PL人数は3名。
ゲーム終了時のPC最高レベルは7。
自分たちでMAPを作りながらゲーム内を冒険するタイプのシナリオ。
ゲーム難易度はMAP運によってだいぶ変わる。
とはいえ最高レベル7前提でシナリオが作られているため、事故死する可能性はそんなにないと思われる。マジで引きが悪かったら1回死ぬくらい。
オリジナルギミック「魔神化」について。
これは事前に「魔神化血清」を使用しておけば、PCは死亡時に魔神化をすることができるという代物。
魔神化したPCの見た目はさておき、魔神化能力は強いことしか書かかれていないため死に得 死んでもタダでは転ばないRPができる。
ストーリーは「悪徳の都」を名乗るだけあって全体的に治安が悪い。
その辺で奴隷売買してるし怪しい薬が蔓延している。
善人RPしたい人は注意。
感想:
登場人物ほぼ治安が悪い。特にモブ。他キャンペーンシナリオと比較してもモブの行動に悪意がよどみまくっていてまさしくスラム街。
ルルブやサプリを読み込んでいる人なら「これ出来ますか?」で回避もできるが、不慣れな初心者にとっては中々厳しい冒険になると思われる。
私は初心者で右も左も分からなかったため、諸先輩方にキャリーしてもらいました。感謝。
一点、条件を満たすと「唐突な死!」になるのは頂けなかったけど、魔神化能力がどれ見ても強いから許した。ビルドと魔神化能力がかみ合わない可能性があるのはご愛敬。
特殊ギミックは魔神化だけだが、敵の湧き方がいやらしいのと道中イベントでのPC達への妨害が激しいため噛み応えは十分。
週4(平日4時間、土日終日)で遊んで一か月ほどでクリア。
エンシェントブルー ‐七王群島の夜明け‐
GMを立て、PLとしてプレイ。PL人数は2名。
ゲーム終了時のPC最高レベルは11。
たぶんここまで上げなくてもクリアはできる。
ヴァイスシティと同じく、自分たちでMAPを作りながらゲーム内を冒険するタイプのシナリオ。
ゲーム難易度はMAP運によってだいぶ変わるが、MAPの仕様上、運によって積むことが無いのは救い。
特筆すべきゲームギミックは3つ。
・「スイッチ」
一人二役システム。
戦闘中、PLは作ったPC2体の内1体を場に出し、状況に応じて「スイッチ」でPC変更を行いながら有利な場を作っていこう!というもの。
この情報だけだと「普通に2PC並べればよくない?」になるが、これの真価は「スイッチ」時に発動できる「スイッチ能力」を獲得してから輝き始める。
スイッチ能力はハマれば激つよ爽快感MAX!(ネタバレに配慮した言い方)
ストーリー上におけるスイッチの扱いについては特に記載がない。
リプレイ化を考えている方、ストーリーラインを考えながらプレイしたい方は事前に設定をすり合わせた方が無難。
・「疲労点」
HPもしくはMPの最大値を減らすもの。
これにより、戦闘以外でPC達を殺すことができる。殺すな
疲労点の蓄積による影響は馬鹿にできないため、定期的に休息をとる必要がある。
・「チャレンジ」
簡易戦闘に近いが、加えて探索判定や見識判定なども触れるようになったもの。
成功すると結構な経験値やガメルが手に入る上、ストーリー進行の時間短縮にも繋がる良ギミック。
ストーリーは「表紙のイラストは一体どうした?」と思うくらい明るかった、はず(個人の感想)。
温泉がその辺で湧いてるし、娯楽施設もあるし、金払いもいいし、シャブ吸ってるやつもいないし、奴隷商人もいないし、活気に満ち溢れたまさしく冒険!という感じの内容だった印象。
感想:
複数人で遊ぶならオススメの一冊。
金払いがいい。無理なく数万ガメルの装備品が買える。
有り余るガメルを使ったミニゲームっぽいのもあり、冒険者として非常にいい空気を吸えるキャンペーン。楽しい。
難易度はよくも悪くもMAP運によるっぽい。とはいえ海に出入りしてチャレンジをこなせばレベリングできるし、簡単な方なんじゃないかなあ。
スイッチ能力は強過ぎとも思う反面、ビルドによってはそこまで上手く使えない可能性がある。スイッチそのもので悪さができるルール自体ややこしいため、ルールはGMときちんと確認したほうがよい。
ストーリーはあんまり覚えてない。冒険そのものが楽しくて目的がそっちのけになっていたからしかたないね。THE・勇者の冒険!みたいなストーリーだったはず。
ていうかスイッチのストーリー的背景が設定されていないあたり、そこまでストーリー重視型のシナリオじゃないと思う。
悪いこと言わないんでパーティーの一人はソード持ちがいた方がいい。
週4(平日4時間、土日終日)で遊んで一か月ほどでクリア。
グリフォンロード -黄金のキャラバン-
ソロプレイとGMとしてプレイ(PL人数4人)の2パターンで遊んだ。
ゲーム終了時のPC最高レベルは7。
全12話で繰り広げられるナラティブ系シナリオ。
他キャンペーンと違い、自分達でMAPを作ることはないため注意。
ゲームブック形式で進行を行うため、TRPG自体が初心者の方にも優しい。
ストーリー進行に手間取ることはまず無いだろう。
難易度は1~2話は苦戦~大苦戦、3話目からいきなり優しくなる印象。
話数ごとに推奨レベルが設定・表記されており、それに従って進めば大体イージーウィンが約束される。
1~2話は鬼門なので頑張ってください。特にソロプレイ。
特筆すべきゲームギミックは3つ。
・「疲労点」
HPもしくはMPの最大値を減らすもの。
ゲームの仕様上、エンシェントブルーと違い人数が多ければ多いほどあまり問題にならない。
・「プラトーン」
NPCの集団を1PCとして扱うもの。
集団、なのでNPCを加えれば加えるほど各種ステータスが強くなり、加えたNPCによっては特殊能力が生えてくる。
ただでさえ強いが、購入できるプラトーン専用アイテムでさらに強くなる。
・「バトルギミック」
1戦闘ごとにバトルフィールドになにがしかのギミックが生えてくる。
説明文は結構長いが効果はだいたい強い。頑張って読もう。
なお、設置されているタイプのギミックは敵も使ってくる可能性がある。
ストーリーは一本道冒険。
ゲームブックの体を取っているため選択肢は用意されているが、どの選択肢を選んでも(だいたい)次の話に進めるようになっている。
他キャンペーンにありがちな「世界観知らないと解けないクイズ」はない。
感想:
ソロプレイならまあ楽しく遊べる。
複数人プレイだと戦闘面でもストーリー面でも突っ込みどころが多い。
戦闘面:
「このバトルギミック、この動作したらどう処理するの?」の進行面の疑問はまあまあ発生する。GM-PL間で協定を結ぶのはザラ。
難易度は3話目からはぬるすぎる反面、1話目と2話目が本当にキツイ。
ビルドによっては成すすべなく死ぬと思う。
ストーリー:
「道草食い過ぎじゃない?」「自分はそういうRPしないですね…」という素朴な疑問や突っ込みがまあまあ発生する。
文章も一文一文長く冗長で、どこまでが主語でどこまでがキャラクターの発言なのかが非常に分かりにくい。
登場人物もやたら多いわりにチョイ役も多いので、単にGM側でストーリーを読み上げるだけだとPLは理解するのが困難だと思われる。
あと前日談導入に6ページ使うのはやりすぎだよ!!真面目に読み上げてたらPL全員寝ちゃうって!!
ちなみに全部本に書いてある通りに処理しようとすると「モンストラスロア」が必須です。
GMでコントロールできる個所ではあるのと、MLが必要になるタイミング=ほぼゲームエンドなので進行にさしたる影響はないと思われるが、念のため注意。
基本ルルブ3種だけで遊べるとの触れ込みなのに何故オリジナル敵の説明にMLの話を入れるのか、これがよくわからない。シナリオ作成の参考にしてね♡のつもりで書かれているのか?
12話×3~4時間シナリオが続くキャンペーン。
順当にいけば12日間で終わります。
デモンズライン -追憶の守人-
GMを立て、PLとしてプレイ。PL人数は3名。
ゲーム終了時のPC最高レベルは10。
推奨最高レベルは9だと思われる。
既存のMAPとにらめっこしながら、リミット日までに効率よくクエストを消化することを考えるゲーム。
MAPは1エリアごとにおよそ6マスほど×9エリアあるため結構広く、レベリングと冒険のバランスを考えつつ動くことになる。
特筆すべきゲームギミックは2つ。
・エリアボス「主」
(大体)ランダム徘徊している主とかち合ったら戦闘だ!
逃走可能なのが優しい。
・敵の群れとの戦闘
全員が同座標乱戦エリアにいるものとして扱われる簡易戦闘。
敵のHPが高く、かつ後衛にも攻撃が飛んでいくためしんどい戦闘!!
……と思いきや範囲攻撃は群れへのダメージが2倍のため、良調整が効いていると思われる。
ストーリーは「各エリアにある奈落の魔域をぶっ飛ばしつつフェローを集めて次の街へ!」みたいなポ◯モンストーリーだった、はず……。(適当すぎんだろ)
奈落の魔域に行くと魔域毎に対応するフェローのストーリーがムービー形式でお送りされるため、ストーリーはソドワ公式シナリオ随一の分かりやすさ。他が分かりにくい
感想:
オススメの一冊。
面白かった!!!!!!!!!
適度な難易度の戦闘でとてもよい。たまに挟まる特殊戦闘、経験値オヤツの群れ戦闘も清涼剤として優秀。
金払いもよく、冒険者としていい空気を吸える。
オリジナル装飾品もあるぞ!!!!!性能はオモチャに近いかもしれない(小声)
惜しむらくは、リミット日が短いために(公式シナリオ内では)比較的早くにゲームが終わってしまうことが挙げられる。もっと遊ばせてくれ〜
なお、デモンズラインは致命的な記載ミスがあるため、遊ぶ際は必ず公式サイトのエラッタを参照すること。参照しないと詰みます。エラッタ関係なく「それはカス問だね〜」の謎解きもあった
週1(終日)で遊んで2ヶ月でクリア。
リミット日気にして全てのMAPを探索できていないこともあり(あとマギライダーというクソビルドのせいで足踏みが必要だった)、二周目プレイもアリだな〜の気持ち。楽しかった。
【SW2.0】
カースドランド ‐凶夢への反攻‐
GMを立て、PLとしてプレイ。SW2.5に改変して遊んだ。
PL人数は2名でそれぞれ2PC作成(4人PT)。
ゲーム終了時のPC最高レベルは11。
15レベルまで上げられるキャンペーンシナリオではある。
自分たちでMAPを作りながらゲーム内を冒険するタイプのシナリオ。
ゲーム難易度は初手半分の確率で死ぬと考えて差し支えない。
もはやMAP運なんて問題ではない。
命が惜しかったらカースドランドに来るな。
特筆すべきゲームギミックは3つ。
・「変異」
ヴァイスシティの魔神化に似ているが、ついてくる能力は弱い!だけではなく、デメリットになりえる。
引いた内容によっては冒険者を続けられなくなる。
5カ所変異するとキャラロスト。
・「濃霧浸食度」
濃霧浸食度を一定値貯めた状態で変異チェックを行うと、出目に応じて変異が起こる。のだが。
イベントにより高確率で上がっていく&死亡したら上がるためケアが難しい。
一応ケアできないこともないがゲームの仕様の話にもなってくるため、この辺の難易度はGMによると思われる。
・「猟犬」
夜中にティンダロス猟犬が襲ってくる可能性がある。
ネタバレに配慮した結果あまり深いことは言えないが、カースドランドをカスランドたらしめている敵だと思う。
ゲーム内では一応、一応!ザコ扱いだと思われる。一応ね。
ストーリーにかまけている余裕は正直ないが、生存のためにあがいた結果ストーリーが進んでいる印象。
感想:
苦行。
「他キャンペーン全部しゃぶりつくした……俺より強ぇ奴に会いに行く!」な人以外はお勧めしない。
強い奴には会えます。
・足切り猟犬
・レベル適性外のボス(特に最序盤)
・一部の敵は逃亡不可
・完全ランダムMAP配置
・MAPイベントとして頻出する高レベル通常敵
・おやつ感覚で出てくる濃霧浸食度上昇イベント
・冒険者を続けられないレベルのデメリット変異
これらが嫌な嚙み合い方をした結果、最恐のキャンペーンと化している。
楽しく遊びたいならハウスルール設けた方がいい。
シナリオ概要の「調査、探索、一攫千金。」←これも非常に欺瞞に満ちていてとてもよくない。こんなことしていたら死にます。
シナリオ独自ルールが全部ヤバいため、自分が遊んだときは1回死んだタイミングでゲームを続行するかしないかのガチ審議が始まりました。
本編ストーリーはスッキリしない終わり方。
こんなに頑張ってこんなあっさりなことある?ナレーションみたいなノリで冒険の目的完了しちゃったんだけど。
一応、封鎖領に関するサブストーリーは面白い。国として行き詰まっている感じがそこかしこに見受けられて趣深かった。でもルートによってはこの辺何も分からないままゲーム終了すると思われる。
悪環境・クソバランスの副産物として、成長は通常のキャンペーンをはるかに超える回数をこなせた。なんとレベル10時点で成長回数70回超え!?
お陰様で「成長回数さえこなせばレベルが5も上の敵でも撃破できる」という知見を得られた。
だからって野良ポップでレベル15を出すな。
公式サイトに👆書かないのダメだろ!!!!
私が遊んだときはGMが全部持っていたので事なきを得ましたが、持っていなければ進行不可能だったように思います。注意。
週4(平日4時間、土日終日)で遊んで二か月ほどでクリア。
生存第一優先で動くと10時間くらいを足踏みで費やす事態になる。
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キャンペーンシナリオを遊ぶ理由
昨今は同人シナリオを手軽に遊べるようになったこともあり「金額安い同人シナリオでよくないか?」と思いがちな人へのダイマです。
①長く遊べる!特に複数人プレイ。
ほぼ毎日遊んでも一ヶ月間はしゃぶれるデータの多さが魅力的。
②ソロプレイ・複数人プレイのどちらも可能!
1冊だけで何通りもの遊び方を試せる。
ソード・ワールドを楽しみたいなら一冊は抱えておくと吉だと思います。
自作シナリオでソード・ワールドを遊んでいる方も、「公式はこんなことしてるから自作シナリオももっとはっちゃけていいな」の勉強になるのでやっぱり1冊は買うと世界が広がると思います。
予想以上にすごいことを言っています。特にエンシェントブルー。
大事なことにつき念のため。
キャンペーンシナリオはエラッタが多いため、購入したらまずはこのページに飛んでエラッタが出ているかを確認した方がよいです。
初版じゃなくても訂正漏れは結構あります。
進行にかなり影響の出るエラッタも頻出するので注意。
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みんな、公式キャンペーンで沢山冒険、しよう!
終わった時の達成感はひとしおだ!!
おわり。