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はじめてのお月謝

月の最後のお稽古は、1ヶ月の感謝を込めてお月謝をお渡しする日。今月はお稽古が2回あったので、8,000円+水屋料3,000円を握りしめて、今日のお稽古へ向かう。

いつ渡すものかとドキドキしていたが、お稽古はいつもどおり始まった。作務衣を着て、懐紙と帛紗を懐中し、畳のへりから16目を空けて座る。その際、閉じた扇子を、要を右に向けて親骨を上下にし、畳のへりから1目空けて置く。ごきげんよろしゅう。

本日のお菓子は「石清水」。白餡のまわりに白いんげんが組まれており、井戸のように見える。まさに井戸から水が湧き出ているようで瑞々しさを感じる。豆をこんな大胆に用いることもあるのだなと感心した。

盆略点前

帛紗捌きを何度か復習し、前回に引き続き今回も盆略点前のお稽古である。そういえばこんなのやったなーと思いながらも、一人ではまだ全然できない。覚えるにはまだまだ時間がかかりそうである。

ここへきて、改めてお茶の飲み方を教わる。出されたお茶をまず右手で持ち、自分の正面に置く。再度右手で持ち、左手を添え、右手で2回茶碗を回す。なぜ茶碗を回すのか?茶碗には正面があり、客にお茶を出すときは相手に正面を向ける。それをそのまま受けて飲むのは恐れ多い。茶碗を回すのは謙遜の表明なのである。

背筋を伸ばし茶碗を持ち上げ一礼しいただく。この際、音を立てるのがポイントらしい。数回に分けてゆっくり飲む。そして最後はズズッと音を立てて吸いきる。これが飲み切った合図であり、「美味しくいただきました」という感謝の表明になるのである。

お月謝

月謝袋は二つ用意されていた。月謝と水屋料は別で納めるものらしい。一緒でもいいよと言ってくださったので諭吉と英世に任せる。

お札にも入れ方がある。袋からお札を出すときに裏面が見えるのは失礼にあたる。また、諭吉や英世の顔が先に出てくるとびっくりしてしまう。つまり、お札の表面を上にして顔から入れるの正解ということだ。こういったマナーも意外と知らないもので、優しく教えていただけるのは大変助かる。

さてここで扇子の登場。挨拶のときは閉じているし、お点前のときは後ろに除けて使わないので、今回初めて扇子を開くこととなる。自分の正面右側に扇子を開いて置き、月謝袋をその上に乗せる。そして扇子ごと先生の方へ向けてお納めする。そうすると金だけ取って扇子は返してくれる。こんなに優雅な扇子の使い方は初めてで感動した。毎月月謝を渡すのが楽しみである。

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