Nスペ雑感。

また体調不良で1週抜け。週一ライターの名折れ。今度はちなみに胃腸炎。
季節の変わり目。体調不良は予兆なく襲ってきますが、自分を労って過ごしましょう。 

さて、今回取り上げたいのは病床(?)から見た「ジャニー喜多川 ”アイドル帝国”の実像」 のこと。散々いつもSTARTOのことを書く私が何故?と思うかもしれませんが。  
むしろ、だからこそ書きたいテーマでもあった。ジャニー喜多川の作るエンタメに励まされ、楽しんできた日本人はたくさんいる。私もその一人。ティーンになり、アイドルに目覚めるよりも遥か前、参加していたコーラスや歌のレッスンで「勇気100%」や「世界がひとつになるまで」を歌った記憶もある。2曲とも、ジャニーズの「社歌」とは言えないまでも、誰が歌ってるどんな曲か、は分かる人が多いだろう。その背後で、ここまで根が深い問題が起きていたことは、この1年、時々私の心を疼かせる。

もちろんそういう忌わしい疑惑があった事は、中学生のころ、母親も面白半分で言っていたし、それこそ中学生になり、インターネットの海を自由に泳ぎ回るようになったかなり初期段階で知った。(誓って検索はしてない。けど出てきたのだ)その時は「まぁ今の話じゃないしー」と、今思えば、随分事態を軽く見ていた。

ところで、ファンの中には社長であるジャニー喜多川への思い入れが強い人もいるようだ。
そりゃ「我が推したちを見出した人」という意味では本当に凄いと思う。何百人の男の子たちからよく「この子が化ける」というスターがわかるなぁ、と。個人的にはそれ以上でも以下でもない。正直、タレントたちがバラエティーで話していた「ジャニーさん」の話を聞いても「そんなキャラの人いる?ホントに?」という思いが強かった。ユー呼び、は本当だとしても、どこかピンと来ず、テレビ特有の誇張された話だと思い、話半分で聞いていた。だからこそ余計に、少年たちを何年にもわたり「食い物」にしていたことには、本当だとすれば許しがたい思いが湧いてくる。

だが、ここで私は大きな矛盾にぶち当たる。 彼が組んだ(で、大枠は合っているのだろうか、そもそも)グループは大好きなのである。SMAP、KAT-TUN、そしてSexy Zone(timelesz)にSnow Man。KAT-TUNのバックについていて知ったキスマイや、A.B.C-Z。そしてKAT-TUNの田中聖の弟がいるSixTONES。SixTONESは特にジュニアの頃から知っているメンバーばかりで、グループが組まれた直後の雑誌でとても驚いた記憶がある。ティーンの頃から、私の人生に彩りをくれていたのは、ジャニー喜多川の「息子たち」だったのである。他にもボーイズグループはたくさんいる中で、なぜ彼らが好きかというと、ジャニーズのエンタメが、その歴史も込みで好きなのだということ改めて、最近気づいた。性加害のニュースのあと、このことを特に後ろめたく感じているわけではない。ただ、後ろめたくはなくとも、自分が享受して楽しんでいたエンタメの背後に、痛烈な苦しみを味わった人がいることは間違いない。性加害が明らかになったあと、誹謗中傷により命を絶った人もいる。このことと、エンタメを楽しむ自分の気持ちにどう折り合いをつけたら良いのか、時々わからなくなるのだ。この前のNHKスペシャルは、さらにその気持ちを強めるものだった。ジャニーズ事務所が本格的に発足するよりも前から、ジャニー喜多川による性加害は起きていたのだから。(もちろん、今回初めて出てきた事実ではないが)
歴史に、たらればは無いが、この時点で誰かが
勇気を持って行動をしていたら日本の芸能の歴史は大きく変わっていたかもしれない。

うまく結論を結べない。
以前「アイドルを推すことは元来、ハッピーなことなのに、最近どうもそれが」といった
ツイートを見たことがある。これはジャニーズ事務所の性加害以外にも推し活が孕む構造的な問題なども加味したものだったと記憶している。そう、ファンが「アイドルを推すこと」を楽しむのは、悪いことじゃないよね?と誰にともなく問いかけながら。せめて、自分軸の「楽しい、大好き」には絶対的な自信を持っていよう。