\テレワーク導入とみなし労働時間制は⁈/
新型コロナウイルス対策として、テレワークの導入が推奨されています。テレワークの場合の労働時間の管理やみなし労働時間制との関係はどうなるのでしょうか⁈
【みなし労働時間制とは⁈】
みなし労働時間制には2つのタイプがあります。
①事業場外みなし労働時間制
労働者が労働時間の全部または一部について事業場施設外(社外)で業務に従事した場合に、労働時間の算定が難しいときは、所定労働時間、労働したものと”みなす”というのが、事業場外みなし労働時間制です。
この業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働することが必要な場合は、当該業務の遂行に通常必要とされる時間、労働したものとみなすこととなります。
取材記者や営業の外勤、出張などの場合、用いられる企業も多いと思います。
「労働時間を算定しがたいとき」とは、事業場外(社外)で労働が行われるために、労働時間を十分に把握できるほどには使用者の具体的指揮監督を及ぼしえない場合です。
単に社外で労働が行われている=労働時間を算定しがたいということにはならず、現在ではスマートフォンなどにより、電話やアプリ等を通じて連絡がとれるため、労働時間を算定することは可能かと思われます。
事業場外みなし労働時間制を導入するためには、労使協定の締結が必要で、またみなし労働時間が8時間を超える場合には、所轄労働基準監督署への届け出が必要となります。
裁量労働時間制について
次に②裁量労働制みなし労働時間制があります。
これは、「専門業務型」と「企画業務型」に分かれます。
専門業務型裁量労働時間制
「専門業務型」の場合には、新商品の研究開発や情報システムの分析・設計の業務、新聞・出版の記事の取材・編集など対象業務が規定されています。
導入に当たっては、やはり労使協定の締結と届け出が必要となります。
企画業務型裁量労働時間制
つぎに「企画業務型裁量労働制」ですが、「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するためには、その遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段および時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」となります。
専門業務型・企画業務型のいずれにしても「労働者の裁量」にゆだねる必要があります。
テレワークとみなし労働時間制の関係
では、基本的に社外で行うテレワークとの関係についてはどうなるでしょう。
厚生労働省の「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(平成30年2月22日策定)には、「テレワークにおいて~略~労働時間を算定することが困難であるというためには、以下の要件をいずれも満たす必要がある、とされています。
(1) 情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと
(2) 随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと
さらに解説では、
「「使用者の指示に即応する義務がない状態」とは、使用者が労働者に対して情報通信機器を用いて随時具体的指示を行うことが可能であり、かつ、使用者からの具体的な指示に備えて待機しつつ実作業を行っている状態又は手待ち状態で待機している状態にはないことを指す。例えば、回線が接続されているだけで、労働者が自由に情報通信機器から離れることや通信可能な状態を切断することが認められている場合、会社支給の携帯電話等を所持していても、労働者の即応の義務が課されていないことが明らかである場合等は「使用者の指示に即応する義務がない」場合に当たる。」とされています。
つまり、テレワークにおいてみなし労働時間制を導入しようとする場合は、
〇上司からの連絡に対して即応する義務を課さないこと
〇上司からの指示は業務の目的や期限等の基本的事項にとどめること
異常の2点に注意をする必要があります。
テレワーク導入に関してもお気軽にご相談ください。
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