AIは人の仕事を奪うのか②
どうも、ナザレです。いつもお読みいただき、ありがとうございます!
3月12日付の読売新聞に、1973年にノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈さんの、AIに関する記事がありましたので、少しご紹介したいと思います。
江崎氏はまず、AIの辿ってきた歴史に言及しています。
以下でまとめてみました。
①AIの概念は1950年頃、アラン・チューリングにまで遡る。
彼はコンピュータの理論的原型を提案したイギリスの数学者で
「コンピュータが人間と同じように考えられるか」を議論していたようです。
②1980年代になるとチェスのAIの開発が始まります。
IBMの「ディープブルー」が1997年、チェス王者に勝利を収めました。
③2016年に英グーグル・ディープマインド社の「アルファ碁」が、
世界トップの囲碁棋士に圧勝しました。
④2019年1月、世界知的所有権機関はAI関連特許が2013年以降急増していると
発表しています。過去のデータを解析して法則を見つける「機械学習」の特許
出願は2016年に2万件を超えて、2013年の2.1倍となっているようです。
人間の脳の神経回路の働きを模した「深層学習(ディープラーニング)」は
画像認識などの中核技術ですが出願数は毎年平均175%も伸びているそうです。
そして、人間の知性は「分別力」と「創造力」の2つに大きく分けられると江崎氏は考えているようです。
「分別力」とは、知識を獲得し、その解析、理解、判断、選択をする能力のことをいいます。既知のものを対象とし「聴く」「読む」「覚える」ことで養われるもので、従来の学校の受け身型学習のイメージです。
一方で「創造力」とは、核心を捉えて問題の実体を見抜き、想像力と先見性をもとに新しいアイデアを生み出す能力のことをいいます。「疑う」「考える」「調べる」という自主的学習で養われるものとなります。
「分別力」は社会活動に必須ではありますが、個性はあまり発揮されません。しかし、「創造力」は社会における独自の活動の原動力になる、と江崎氏は言及しています。
「分別力」に関しては、AIは人間をはるかに超える能力を持っていると思います。過去の経験から、最適な結果を導くということについては、AIは得意かもしれません。
しかし、「創造力」に関しては、現在の技術で開発したAIでは不十分でしょう。
何かを閃いたり、イノベーションを起こすようなことを思いつくことはAIにはまだできない分野だと思います。
しかしながら、最後に江崎氏はこう警鐘を鳴らしてる。
研究開発が進み、AIが何らかの自我を備え、創造力を持つ可能性もないとはいえません。ノーベル賞級の大発見や大発明をし、科学・技術文明の進歩に貢献するようになると、人間がAIに使われるようになるかもしれない、と。
昨年亡くなったイギリスの物理学者スティーブン・ホーキング博士も「完全なAIの開発は、人類の終わりを意味するかもしれない」と警告していたようです。
以前、上のリンクの記事において書かせていただきましたが、AIは創造性や人と人とのコミュニケーションに関する部分では、まだまだ人間に劣ります。
AIが人間の創造性やコミュニケーション能力を身につける日が来るのは、まだ先のことだと思われます。もちろん現在も研究開発は進んでいます。いきなりすごいイノベーションが起きて、ドラえもんみたいなAIが誕生するかもしれないけれど。
そう、ドラえもんぐらいの能力やコミュニケーションができないと、人間の仕事を完全に奪うまでにはいかないでしょう。
だからと言って安心していい、というわけではありません。
我々人間は、AIができること・できないことを正しく理解し、いたずらにAI脅威論に惑わされないようにしないといけません。
そして、AIを使ったビジネスや仕事に適用していくことが重要だと思われます。
そのためには、繰り返しになりますが、AIの特性を理解し、AIができることはやらず、できないことを自分がどのようにやっていくかを常に考えていく必要があると考えます。
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