全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)📝
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1205/agenda.html .
R5/12/5に開催された『経済財政諮問会議』にて、『全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)について(素案)』が公開されました。 取りまとめ自体は『全世代型社会保障構築会議』で行われており、「全世代型社会保障」の構築に向けて、「時間軸」に沿った「改革工程」が示されています。
小難しい紹介になりましたが、わかりやすく言えば、
政府 「今後の社会保障どうしよう?」
専門家「こんな感じで進めていったらどうですか?」
って感じです。
中身(4ページからの別紙)は次の内容になっています。
Ⅰ.今後の基本的な方向性
1.現状の課題
2.全世代型社会保障の基本理念
(1)「将来世代」の安心を保障する
(2)能力に応じて、全世代で支え合う
(3)個人の幸福とともに、社会全体を幸福にする
(4)制度を支える人材やサービス提供体制を重視する
(5)社会保障のDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組む
3.3段階(2024年度、2028年まで、2040年頃)の改革
Ⅱ.今後の取組
1.働き方に中立的な社会保障制度等の構築
<① 来年度(2024 年度)に実施する取組>
◆「同一労働同一賃金ガイドライン」等の必要な見直しの検討
◆ 「多様な正社員」の拡充に向けた取組
◆ 非正規雇用労働者の待遇改善に係る取組状況に関する企業の取組の促進
◆ 経験者採用(中途採用)に関する企業の取組の促進
◆ 三位一体の労働市場改革の推進
◆ 成長意欲のある中堅・中小企業のグループ化に向けた支援
<②「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに実施について検討する取組>
◆ 短時間労働者への被用者保険の適用に関する企業規模要件の撤廃
◆ 常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消
◆ 週所定労働時間 20 時間未満の労働者、常時5人未満を使用する個人事業所への被用者保険の適用拡大
◆ フリーランス・ギグワーカーの社会保険の適用の在り方の整理
◆ 年収の壁に対する取組
<③ 2040 年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組>
働き方に中立的な社会保険制度の在り方の検討
2.医療・介護制度等の改革
<① 来年度(2024 年度)に実施する取組>
◆ 前期財政調整における報酬調整(1/3)の導入
◆ 後期高齢者負担率の見直し
◆ 介護保険制度改革(利用者負担(2割負担)の範囲の見直し、第1号保険料負担の在り方の見直し、多床室の室料負担の見直し)
◆ 介護の生産性・質の向上(ロボット・ICT活用、経営の協働化・大規模化の推進、介護施設の人員配置基準の柔軟化等)
◆ イノベーションの適切な評価などの更なる薬価上の措置を推進するための長期収載品の保険給付の在り方の見直し
◆ 入院時の食費の基準の見直し
◆ 生活保護制度の医療扶助の適正化
<②「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに実施について検討する取組>
◆ 医療DXによる効率化・質の向上
◆ 生成AI等を用いた医療データの利活用の促進
◆ 医療機関、介護施設「等」の経営情報の更なる見える化 🟧
◆ 医療提供体制改革の推進
◆ 効率的で質の高いサービス提供体制の構築
◆ 医師偏在対策等
◆ 介護サービスを必要とする利用者の長期入院の是正
◆ 介護の生産性・質の向上(ロボット・ICT活用、協働化・大規模化の推進等)
◆ イノベーションの推進、安定供給の確保と薬剤保険給付の在り方の見直し
◆ 国保の普通調整交付金の医療費勘案・後期高齢者医療制度のガバナンス強化
◆ 国保の都道府県保険料水準統一の更なる推進
◆ 介護保険制度改革
◆ サービス付き高齢者向け住宅等における介護サービス提供の適正化
◆ 福祉用具貸与のサービスの向上
◆ 生活保護の医療扶助の適正化等
◆ 障害福祉サービスの地域差の是正 🟧
◆ 医療・介護保険における金融所得の勘案
◆ 医療・介護保険における金融資産等の取扱い
◆ 医療・介護の3割負担(現役並み所得)の適切な判断基準設定等
◆ 障害福祉サービスの公平で効率的な制度の実現 🟧
◆ 高齢者の活躍促進
◆ 疾病予防等の取組の推進
◆ 健康づくりや虚弱化予防・介護予防にもつながる地域社会と継続的な関係を保つ居場所づくり
◆ 経済情勢に対応した患者負担等の見直し
<③ 2040 年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組>
科学的知見に基づき、標準的な支援の整理を含め、個人ごとに最適化された、質の高い医療・介護・障害福祉サービスの提供に向けた検討 等
3.「地域共生社会」の実現
<① 来年度(2024 年度)に実施する取組>
◆ 重層的支援体制整備事業の更なる促進 🟧
◆ 多様な専門性や背景を持つソーシャルワーカーの確保・活用のための取組
◆ 複数の分野にわたる専門的知識を習得できるような工夫の検討
◆ 社会保障教育の一層の推進
◆ 住まい支援の強化に向けた制度改正
<②「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに実施について検討する取組>
◆ 孤独・孤立対策の推進
◆ 身寄りのない高齢者等への支援
◆ 社会保障教育の一層の推進
<③ 2040 年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組>
包摂的な社会の実現に向けた検討
といった感じです。
項目名を抜き出すだけで、大分時間がかかりました💦
🟧は、特に今後の障がい福祉サービスに関係ある項目になります。
今後はこれらの課題に対する議論や法改正などが行われます。
大きな方向性として、知っておく必要がありそうですね。