骨髄腫発症、治療に至る予兆は骨折だった

 多発性骨髄腫の疑いは、5年ほど前に検査で了知していた。しかし、セカンドオピニオンでは、自覚症状のない段階での治療は避けて、症状が出たところで治療を開始する方がよいとの判断をいただいた。くすぶり症の場合、自覚症状が出ずに、長く血液検査の値も大きく変化しないこともあるとのことだった。

 5年前は、公私ともに重大な事件が重なり余裕がなかったこともあり、すぐに治療というわけにはいかなかった。その後は気を付けながらの生活を続け、4年以上経過した昨年暮れころに、畑仕事でかがんだときに肋間に痛みが走った。以前にもそういう経験があったので、さほど重大には感じていなかったし、しばらくすれば良くなるだろうと思っていた。毎年の健康診断におうても、検査値は徐々にしか悪化しておらず、腎機能や肝機能、尿検査などは若干の異常はあるものの基準値に近いものだったし、内科医にかかっても、もさらなる精密検査の要求はなかった。

 しかし、今年になり、再び肋間に痛みが生じる。そこで、整形外科にかかると、肋骨骨折が見つかったが、医師は肋骨の骨折はまま起こるから心配しなくてもいいとのこと。さらには、鎖骨に痛みが生じたため、別の整形外科にかかると、胸鎖関節炎との診断。もしや、多発性骨髄腫が進行しているのではと思ったが、どこかでそう思いたくない自分がいたことも確かだった。

 肋骨の痛みは徐々に和らいだものの、胸鎖関節炎はなかなか治らないので、整骨院にも通った。しかし、肋骨も時折痛み、回復とは言えなかった。この段階で、骨髄腫の悪化をうすうす感じていた。しかし、体調が急激に悪化した5月下旬に入るまでは、通常の勤務ができる状態であったし、今すぐ治療に入ろうと思うことはなかった。

 整形外科医が多発性骨髄腫を見極めるのは難しいのかもしれない。自分から、進んでこういう診断をかつて受けたとの申告をしないかぎり、整形外科医はレントゲン撮影による判断しかしないようだ。

 決定的になったのは、体調不良と嘔吐。胃腸科に駆け込み、胃カメラ検査と血液検査が行われた。その結果、蛋白の上昇、腎機能の低下などの異常値が見つかり、大学病院に紹介状が出され、入院の運びになった。

 今日、落ちた体温計を拾おうとしたとき、肋間をひねった感じの痛みが走った。ここまで、骨の増強剤の投与など治療を続けてきたが、油断をしていたかもしれない。来週の検査が気になることろだ。

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