一酸化窒素(NO)の血圧降下作用

 久々に、NHKの「ためしてガッテン」を見た。血圧降下の話題だったからだ。なんでも一酸化窒息(NO)に血圧を下げる作用があるそうな。その効果は、23年も前にわかっていたそいうだ。

 1998年のノーベル医学・生理学賞をR. Furchgott米ニューヨーク州立大名誉教授,L. Ignarro米カリフォルニア大ロサンゼルス校教授,F. Murad米テキサス大教授の薬理学者三氏が授賞している。その授賞理由は「循環器系における信号伝達分子としての一酸化窒素(NO)の発見」であった。

 NOの主な効果は、血管を広げること。「脱毛症」や「狭心症」、「胃腸障害」、「男性機能低下」を改善させるための治療が、NOの効果に注目して行われてきたそうだ。そして「認知症」や「新型コロナウイルス感染症」の治療における効果の研究が進められているとのこと。

 血管の内壁の細胞には壺(つぼ)のような形をした「カベオラ」という組織があって、そこに刺激が加わるとNOが発生する。つまり、血流を良くすることで、つぼへの刺激が増え、NOの発生量が増す。そうすると、そのNOが血管を拡張させ、血圧を下げることになるとうわけだ。

 紹介された血圧低下方法は、1分左手をニギニギ、1分右手をニギニギという超簡単なもの。ネットを調べたら、胸の前で手のひらを合わせ、ギューッと力いっぱい押し合うようにして、10秒たったら一気に力を抜くという運動を1分ほど繰り返すことでも効果があるそうな。歩くといいというのも、結局、血管のポンプ運動で血流がよくなり、NOの発生が促進されるからだろう。

 不思議なのは、23年も前に効果があるとされ、ノーベル賞も授賞されている研究が、未だに世間に浸透していないばかりか、医療行為として使われていないことだ。ひとつにあまりに簡単で、薬も要らないので診療報酬があまりにも低くなり、病院経営上よくないからなのではないか??このような科学的根拠がある非常に簡単な健康方法が常識になっていないことをなんとかせねば、医療費の高止まりによる財政悪化を阻止できない。

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