66歳のマラソンランナー西島美保子さんに心を動かされた
弁理士試験の受験を断念して何も手が付けられず、専らパラリンピックのテレビ観戦を続けてきた。新型コロナの感染拡大の中、パラリンピックの開催の危険性を感じつつも、選手の皆さんの頑張りに勇気をいただいている。
車椅子テニスやバスケット、バトミントンなどなど大健闘だが、今日起きてテレビをつけると、雨の中のマラソンが放映されており、見入ってしまった。優勝するであろうと思っていた視覚障害女子の道下美里選手が30kmまで外国選手と競り合っていたこともあり、応援をしつづけた。実力どおり見事に引き離し、余裕の優勝を果たした。
しかし、その後にゴールする日本選手に目を奪われた。まず、5位入賞の56歳の藤井由美子選手。半世紀以上前の東京オリンピックの年に産まれた方だ。私は、55歳までマラソンを走ったが、56歳には多発性骨髄腫のせいか走ることはできなくなっていた。なのに、眼の不自由ななかに、56歳までも練習を積み重ねてパラリンピックで入賞するなんて、驚きだ。
と思っていたら、なんと、その後に66歳の西島美保子選手が8位で競技場に向けて走っているとのこと。私よりも5年も年上の視覚障害の女性が、ややふらつきながらではあるが、陸上競技場に入ってきたではないか。驚愕というのはこういうことをいうのではなかろうか?前回のリオでも参加して途中棄権という結果だったそうで、今回を最期のパラリンピックと決めて、見事に完走したとのこと。
視覚障害マラソンの場合は伴走者が必要になる。彼女らを伴走する若手のランナーの献身さにも心を打たれるが、そのスピードには驚く。道下選手はいつもどおり、3時間前後でゴールする。それでも44歳だ。決して若くはないのに、世界のトップランナーだ。56歳の藤井選手は3時間17分あまり、66歳の西島選手は、3時間29分あまり。私のベストが51歳の頃の3時間41分あまりなので、恥ずかしくなった。本当に頭が下がる。
伴走者もさることながら、ランナーの皆さんの日々の努力の積み重ねに感服した一日である。もちろん、そのほかのアスリートもすばらしい活躍であった。しかし、最高齢者の西島さんの走りに、ひときわ目を奪われた。まだまだ、私も人生を頑張らなくてはいけないのだろうか。
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