6割が感じるがんの食の悩み、相談しても満足できず。

 がん患者とその家族の約6割が、日常的な食事について気になることがあったり悩みを感じたりしたことがあるとする調査結果を、日本対がん協会などが運営する「がんサバイバー・クラブ」が発表している。

 副作用の中で、日常の楽しみを奪っている最大の副作用は味覚障害だ。当初は、体重減少が気になって、積極的に食事を摂ろうとしていたが、体重がほぼ回復してみると、なんとも味気ない食事をしていることに気づいた。味覚が治療前は全く違う。舌が味を見分けられなくなっている。これについては、主治医も抗がん剤を服用している間は、副作用として味覚異常は続きますとのこと・・・。なんとも味気ない回答だった。

 調査結果で多いのは、「食欲がない」「味が変わって感じる」「吐き気がする」「体重が減った」などで、医師らに相談しても満足なアドバイスは得られなかった人が少なくないという。私は、入院中は食欲はない期間が長かったが、体重減少が気になり、かなり無理して病院食を完食していた。退院後も味覚は違うが、体重維持、体力維持を主眼に食事はきちんと摂るように心がけてきた。その結果、体重はほぼ戻ってきたものの、味覚障害は解消されずじまいだ。退院前に管理栄養士に栄養指導を仰いだが、カロリーの摂取と体重の回復が主眼で、味覚障害の解消の仕方についてまでは及ばなかった。

 妻もかなり気を使っているようだ。悩みを感じた人は全体の6割だが、がん患者本人よりも家族の方が悩む比率が高かった。実際に、そばで見ていて食事を楽しんでいるように見えないのが原因だろう。日々の食事メニューに気を使っているのはよくわかるが、結局、味が違って感じるので、期待したものとは違うのである。最近はよく外食もするのだが、高級な食事をしても、高級な納得できる味がするわけではない。本当に、食の本来の楽しみを奪われた感覚は、どうしようもないものだ。

 調査を監修した京都府立医大の高山教授は、「食べる喜びが損なわれる心理的な影響は計り知れない。悩みの解決に役立つ情報の提供が必要だ」とコメントしている。しかし、この悩みを解決するのは、至難の業だと思われる。がん治療には抗がん剤を使用するしか患者としては方策はない。その副作用も甘んじて受け入れざるを得ない。味覚障害が解消される情報って、つまりは治療を中止することかな?

 せいぜい、残っている味覚や歯ごたえを感じながら、徐々に抗がん剤を減らしていく過程で、味覚の回復を祈るばかりである。

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