再発がんにiPS細胞を使う治験に期待
千葉大学と理化学研究所は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使ってがん治療を行う医師主導の治験を始めているそうだ。iPS細胞はさまざまな組織や細胞に変化させることができる万能細胞の一種。目の組織や心臓の筋肉、神経の細胞に変化させて患者に移植すする研究が進んでいるとのことだが、がん治療に使われるのは国内初だそうだ。
人体にはがんなどの異物を排除する免疫細胞があるが、その働きが弱まると、がんを発症しやすくなる。そこで、iPS細胞を「ナチュラルキラー(NK)T細胞」という免疫細胞に変化させて、がん細胞を攻撃させようというものだ。このNKT細胞は、ほかの免疫細胞の働きも調整してくれる。
健康な人から NKT細胞を抽出し、iPS細胞にして大量の増殖したうえで、再びNKT細胞に変化させる。このNKT細胞を、患者の血管に注射して移植するとのこと。
これまでの、がん治療は切除手術や放射線治療、そして抗がん剤投与が中心。免疫の働きを利用した治療法は4番目の柱になるのではないかと期待されている。
しかし、治験の対象は、再発がん。2年かけて副作用が起きないか、移植細胞が狙い通り機能しているかを確かめる。対象となるがんも、頭頚部のがんである。血液がんに使うのは困難なのだろうか?治験に2年もかかるのであれば、恩恵にあずかることは無理だろう。とはいえ、新たな治療法が有効であれば、他のがんにも応用の可能性は広がる。治験の結果が、よいものであることを祈りたい。
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