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絶対こっちのほうがいい扶養制度改革

鹿児島で社労士をしています原田です。

103万円の税の扶養控除の引き上げとか、106万円の50人以上枠の撤廃とか、扶養制度を変えようと、国会議員も官僚も大忙しですが、誰かが損する改革しか提案が行われていません。

抜本的に変えるには、絶対こっちがいいだろうと私が勝手に思っている提案を出します。

1.103万円の税は変えない

 これを変えても、中低所得層の手取りの『実感』は絶対に上がりません。定額減税で一人4万円の手取りが上がりました。夫婦と子ども一人の世帯だと一家で12万円です。

しかし手取りが増えたと喜んでいる声は全然聞こえてきません。月平均にすると1万円なので、ちょと残業したぐらいと大差ありませんから、そんなものです。

103万円の人が170万円まで年収を上げると、国内の収入の中央値(国民の収入で最も多い数)である年収360万円の場合で、だいたい12万円前後の手取りが増えます。

時給1200円の配偶者が、毎月46時間働く時間を増やした結果、月1万円増える話になるのです。

 税の扶養を変えて予算をつぎ込んだところで、期待されるような結果は絶対に出ません。だからこれは中止にすべきです。

2.社会保険の扶養130万円を引き上げる

 最低賃金の上昇幅から見たら103万円→176万円ということなので、同様に計算すると、130万円→222万円まで引き上げます。
すると、少なくとも200万円までぐらいまで働く人が絶対に増えます。

少なめに見て120万円で止めていた人が180万円まで働くと仮定しましょう。
扶養者は中央値の360万円で、子どもは15歳未満が1名。他の控除無しとします。

扶養制度は社会保険以外は変更しないので、
被扶養者の所得税 約30,000円/年up
被扶養者の住民税 約30,000円/年up
被扶養者の社会保険料:0円(国の負担増加も0円)
扶養者の所得税 約18,000円/年up
扶養者の住民税 約30,000円/年up
概算で、60万円の収入増で、10万8千円/年の税収増
手取りも49.2万円増です。

みんなハッピーです。しかも社会保険料の国の負担額も新たに増えません。
そのため財源は1円も必要としません。

3.社会保険の適用は永遠に拡大しない

 社会保険の適用拡大は50人以上で固定化させます。
これによって、中小企業の支援策とします。

中小企業であれば、学生アルバイトや短時間パートの雇用が容易になり、中堅以上の企業は、雇用の安定の反面で社会保険料の負担をすることになります。人材を獲得しやすくする面で国が支援をするのです。
しかも財源は0円です。

社会全体で国を支えながら、それぞのに見合った役割を行うことで、税と社会保険を支えることが、本当の公平な負担であり、公平を求めるならば、第3号被保険者制度自体を問題にすべきです。

4.第3号被保険者制度の改正

 と言うことで、これもやります。扶養制度改革の本丸ですが、これは国民にとって純粋な社会保険料の増大になる提案です。

第3号被保険者として、最大の問題は国民年金保険料が無料であることです。これを改正して、扶養者から年金保険料を取ります。配偶者がいると企業負担が上がるのは意味がわからないので、全額被保険者負担とします。

 厚生年金は32等級なので2等級づつ16に分けます。
国民年金保険料は16,980円なので、端数を考えずに16に分けると1分割1,000円になります。そこに端数の980円を足します。

一覧にすると下のようになります。

配偶者保険料

 当然賞与からは配偶者保険料を取りません。

 但しこれは保険料を単純に増やす話なので、激変緩和措置が必要です。
制度を5年据え置きし、まずは表の半額で導入し、更に5年後に残りの半額を導入します。

 現在0歳の子も5年経過すれば小学校に入学します。そのタイミングと合わせることで、家族としての生活設計を容易に崩さない配慮を行います。

 すると単価が高い金額で就労する場合は、厚生年金に加入した方が得になる場合が出てきます。その場合は健康保険料も払ってもらえるので、国としても喜んで厚生年金に加入させればいいでしょう。

 手続的にも会社が扶養異動届を出すことで、健康保険と連動するので、加入漏れの心配もないし、全額被保険者負担なので、企業の抵抗も少ないでしょう。

 こうしてプランと生活様式に合わせて、それぞれのやりたい育児や生活環境に合わせたライフプランを構築できるのです。

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