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社労士的就業規則の作り方 21
鹿児島で社労士をしています原田です。
みんな大好き就業規則。
「嫌い」と言ってる方も多分本当は好きです。
真顔で「本当に嫌だ」と言ってるかたは、きっと大好きの裏返しです。
怒りながら「マジ嫌い」と言ってる方の深層心理では、恐らく大好きなことを隠そうとしているはずです。
だからみんな大好きなはずです。
ここでは厚労省モデルを使って、社労士が就業規則に対してどうアプローチするかを案内しています。
第6章 賃金 第46条
賃金計算期間
(賃金の計算期間及び支払日)
第46条 賃金は、毎月〇日に締め切って計算し、翌月〇日に支払う。ただし、支払日が休日に当たる場合は、その前日に繰り上げて支払う。
2 前項の計算期間の中途で採用された労働者又は退職した労働者については、月額の賃金は当該計算期間の所定労働日数を基準に日割計算して支払う。
就業規則の必須記載事項で重要な締め日、支払日です。
給与計算だけでなく、社会保険の諸手続きや助成金等にも大きく関係があります。新規に何らかの契約した場合に、最初に確認しておきたい項目の一つです。
第1項は締切日と支払日と休日の対応。
圧倒的に末日が多いのですが、15日締めや20日締めも一定割合であります。また、パートアルバイトや、一定の範囲の従業員が異なる支払日に設定されている場合もあります。
(理由は支払時期を分けたいという企業の資金繰りの関係だったりします)
医療法人、社会福祉法人、行政の外郭団体、第三セクター等では、
『末締めの当月25日(20日)払い』
もかなり多いです。締め日より前に支払日が来るので見込みの先払いになります。これは行政機関がそうなっていて、それを真似して決めたからという理由が多いようです。
先払いの場合は、残業代や欠勤控除を翌月に行うことが多いです。
先払いは運用上での間違いやトラブルが起こりやすいので、開業時に事業主に立ち会える場合は、絶対に阻止しましょう。
「支払日が休日に当たる場合」ですが、銀行振込で給与を支払う場合で、土日祝日に営業する会社であれば、この文章のままでは
会社の休日に当たらないのに前倒しで払わないと間に合わない
ことになるので、記載内容を変えないといけません。土日祝日だけでなく、盆休や年末年始もあるので、一概に土日祝日に当たる場合と書いても、正しくなことになります。
よくありますが、末締めの翌月5日払いに設定してある企業で、ゴールデンウイークや年始は、常に締め日前に振り込まないと間に合わないところもありました。
第2項では、締め日以外の中途の入退社です。これが無いと日割にできないので、こうした内容の条項は必須です。
日割り計算の計算式を記載する場合もあります。
残業代が年間所定労働時間をベースにするのに対して、日割り計算は「当該計算期間の所定労働日数」になっていることに注意です。
これは、月平均所定労働日数とかにするとおかしくなるからです。
完全週休2日制(2日×52週=104日)で、祝日休み(16日)で盆・年末年始(5日)の場合だと年間休日は125日を想定します。
365日-125日=240日 → 年間所定労働日数が240日
の場合に、月平均だと 240日÷12か月=20日になります。
例えば2024年7月の場合で想定しましょう。
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土日祝日を除いた日数は22日です。
月給が20万円の方が入社した場合に、年間平均所定労働日数で計算する場合をやってみましょう。
7月1日入社:当然に月給20万円
7月2日入社:20万円÷20日=1万円 出勤日数21日×1万円=21万円
7月3日入社:20万円÷20日=1万円 出勤日数21日×1万円=20万円
となり、これでは1日入社した人が怒ります。
反対に2025年の2月の場合で途中退職をやってみます。
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月所定労働日数は18日です。
2月28日退職:20万円
2月27日退職:20万円÷20日=1万円 出勤日数17日×1万円=17万円
1日早かっただけで3万円も減ります。
こういうことを防ぐために当該計算期間の所定労働日数で1日分を出すことが妥当になるのです。
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