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Geekers of Scale Vol.2 エンジニアファーストな組織づくり

金山 社労士の金山です。Geekers of Scale 第2回も、GAOGAO Pte.Ltd.の共同創業者、Kenさんと一緒に話をしていきたいと思います。Kenさん、よろしくお願いします。

Ken アユさん、よろしくお願いします。

金山 まだ、この呼び方慣れてないですね…

Ken (笑) 海外を目指す社労士として、グローバル意識したニックネームでやっていきましょうという。

金山 ですね!徐々にアユさんでやっていきたいと思います。

ビジネスサイドとエンジニアサイドの考え方の違い

金山 今日は、ビジネスサイドとエンジニアサイドの考え方の違いとか。いろいろあると思うんですけど、それから、考え方のギャップから生じるコミュニケーションの難しさとか。

Ken おおー、なるほど。

金山 そういった話を、専門家であるKenさんにお伺いしたいなと思って持ってきました。

Ken なるほど、なるほど。この話は、話せば長いですけど頑張ってコンパクトにまとめたいと思います。

金山 長くなりそうだったら切って、第3回に回しましょう。

Ken (笑)

(6月24日に配信した内容を文字起こししています)

エンジニアはピュアな人が多い


Ken これはもう自分自身、34、5歳ぐらいまで、エンジニアって友達にも一人もいなかったですし、この世に存在するんかな?ぐらいに思っていたので、すごくよく分かるトピックです。別人種、っていうように、よく相談を受けることもあるんですけど。この2、3年、エンジニアばかりと一緒に住んでいるので、なんとなく掴んできたような気はします(笑)

エンジニアはフラットな組織です!営業時代のようなピラミッド型組織マインドでは生きていけません笑

金山 たしかに。私もそうですけど、スタートアップの労務をやり始めてエンジニアの方とはじめて出会った気がします。それまでは、特に銀行にいたら、全然。

Ken そうですよね。

金山 出会ったことなかったので。

Ken そうですよね。「どこにいるんかな?」ってずっと。なんか、IT企業とか行っても思ってました(笑)

金山 分かってきたことをちょっと、ぜひ教えてください。

Ken 分かってきたことは、めちゃくちゃピュアな人が多いっていうことですね(笑)

金山 ピュア?

Ken はい。すごくピュアな人が多くて。忖度みたいなことは通じにくいなと思ってますと。エンジニアって意外とドライに思われがちらしいんですけど。

金山 たしかに。パソコンと向き合って、みたいな。

Ken でも全然そんなことなくて。意外とハートフルな人が多いっていうイメージですね。忖度とかで動いたりしない人が結構多いので、しっかりと向き合って付き合えば、めちゃくちゃお互いにいい関係が築けるのかなと思っています。

金山 コミュニケーションが大事ってことですね。

Ken 本当そうだと思いますね。ビジネスサイドって、私自身そうだったんですが、人の立場だとか関係各所とか、行間を読み取ってビジネスする場面って結構多いと思うんですね。特に大企業なんかは、それが強い。それを否定はしないし、僕もやってきたので、そうやってビジネスを作っていく場面というのもあるとは思うんですけど。

エンジニアは結構、会議とかをしても芯を食ったような「あ、これ言っちゃう?」みたいなことを言うんですけど、意外と当たっているみたいな(笑)

金山 うーん、なるほど。空気を読まない的な。

Ken まさにそうですね。

金山 エンジニアの人って、結構、思考回路が違いますよね。

Ken そうですね。すごく生産性も高いと思いますし、自分は、ビジネスサイドがそのエンジニア思考っていうところを学んで取り入れていけばとてもビジネスに役立つなと思っていますね。

笑顔 / 真顔 理論

金山 なるほど。今、エンジニアの考え方の話で、1個思い出した話があるんですけど。

Ken お。

金山 エンジニアの集団の方々の飲み会に参加したことがあって。顧問先の方なんですけど。私自身はごりごりの文系なんですよ。それで結構、人の心理とかを考えるのが好きで。『笑顔 / 真顔 理論』っていうのをそのとき考えていて。

Ken 笑顔?

金山 『笑顔 / 真顔 理論』っていうのがあって。

(注:あって、と言っていますが、金山の自説です。)

これも長くなるので簡単にまとめると。

Ken はい(笑)

金山 好きな人の好きな顔をパッと思い浮かべたときに、笑顔が浮かぶ人と真顔が浮かぶ人がいると。そのどちらであるかで、どのタイミングで人を好きになるかの傾向が分かるんじゃないか、という。真顔が好きな人は、その人の戦闘モード・仕事モードに関心を持って「自分ごと」化する。一方で、笑顔が好きな人は、その人のオフモードとか、弱みを見せたときに、一気に惹かれるというか。いわば、「憧れ」か「親近感」か、みたいな。

…っていう話をしたら、エンジニアの人に「笑顔が仕事である芸能人はどっち?」って言われたんですよ。「おおー…」ってなって。この理論は1回組み直しになりまして(笑)

Ken (笑) 今、それで整理できるかと思ったら、違うんかいって。

金山 いやー、穴を突かれたな、っていう。

Ken 穴を突かれたなっていうことね。それは確かに。そういうこと、やっぱ多いと思いますね。

金山 おぉ…なるほど……! っていう。

Ken まさに、まさに。会議とかやっていても「この会議って意味あるんでしたっけ?」みたいな感じとか。フィードバックくれるのって、やっぱりエンジニアで。それって実はみんな思ってたよね、とか、そういう気づきみたいなのはある。直球で意見してくれるのは、すごくいいなと思いますけどね。

金山 営業型とかの人で、そういうコミュニケーションの取り方に慣れてない人は、ちょっと最初、むっとしたり、もしかしたらするかもしれないですよね。

Ken いや、全然すると思いますよ。多分、エンジニアを増やすことが一つ解決策になると思うんですよね。それを基準にしてしまえば、問題がなくなると思うので。

金山 ああー、なるほど。エンジニアを増やすことが一つの解決策。

エンジニアサイドとビジネスサイドの力関係

Ken そうですね。やっぱり、ビジネスサイドがどうしても、風潮としては強いので。エンジニアの意見がマイノリティーって受け止められがちなんですが、決してそんなことはなくて。どっちが常識とか、当たり前かっていうような、それは別に誰にも分からないことなので。
だからエンジニアのルールでビジネスやるっていうアプローチを自分たちは、結構、指向してやっていますね。

金山 なるほど。逆にそっちに意識的に。

Ken 寄せるって感じですね。

金山 寄せるって感じ、なるほど。

Ken そのアプローチやっているところって意外と少ないなっていう印象ですね。

金山 あ、少ないんですね。

Ken そうですね。

金山 やっぱり、効率とか考えると、みたいなことですか?

Ken ビジネスサイドはどうしても、なんて言うんですかね、意見を言う方が多いので、それに合わせてなんとなく方向性が決まって、そこで手を動かすのがエンジニア、みたいな流れっていうのが一般的だと思うんですよね。

金山 ああー、なるほど。なるほど。だから、頭と手足みたいな感じで、無意識のうちに上下関係ができちゃうみたいな。

Ken そんな感じだと思いますね。

金山 なるほど、なるほど。

エンジニアのルールでビジネスをやるというアプローチ

Ken ものづくりっていうところからアプローチしていったほうが、効率的か上手くいくかどうかは、またちょっと別の世界なんですが、切り口としては面白いなと思っていて。そのアプローチをチャレンジしているっていう感じですね。

金山 エンジニアサイドに寄せて…寄せてっていうのが正しいのか分かんないんですけど、そっちに重きを置いて。私のイメージで言うと、エンジニアサイドはプロダクトをしっかり作り込む傾向。ビジネスサイドはどっちかって言うと、リーンに仮説検証を繰り返す、回していくイメージで。実務的には、結構、どっちに重きを置くかで変わってくるのかなっていう、素人的な考えなんですけど。そこで弊害とかあったりするんですかね?

Ken そうですね…。自分たちはエンジニアからビジネス作っていくっていうアプローチがいいと思っているので、逆のアプローチについてよく分かってない部分もあるんですけれども。弊害ではなくていい部分でいくと、エンジニアから始まってビジネスを作ると、基本的には、合わせるのは人になると思うんですね。

スタート地点は人か技術か

金山 合わせるのは、人。

Ken はい。例えば、プロダクトを先に作って、それに合わせて人が変わっていくっていう方式だと思うんです。

金山 ああー、人に合わせるんじゃなくて人が合わせるっていうことですか。

Ken そうですね、はい。

金山 なるほど、なるほど。

Ken ビジネスサイドの発想は、人が何か困っていることがあって、それを解決するのがプロダクトっていう流れだと思うので。

金山 なるほど。

Ken 人は、あまり進化しないことが多いと思います。

金山 そっか。だからより進化する技術のほうを起点に考えられるから、発想のスタートがちょっと違うと。

Ken そうですね。

金山 違う視点からスタートして開発ができるっていう感じですか。

Ken そうですね。技術的とかUI/UXの領域的にこっちのほうが絶対いい、と技術者が考えて、将来的に人がそれに慣れたら、その方がパフォーマンスが一気に上がるっていうことまで分かっていることがあったとして。ただ、ビジネスサイドからはその視点がなかなかなくて。自分たちが慣れたほうに行きがちというか。そこは、イノベーションが起きにくい一つの要因だと思いますね。

金山 なるほど。既存の発想に引っ張られちゃう。

Ken そうですね。

金山 リスクが大きいっていうことですよね。

Ken はい。

金山 なるほど。面白いですね。

Ken そうなんですよ。意外といいこと言うなって、自分で言いながらちょっと思ってました(笑)

金山 すごい。当初、想定していたよりとてもいいことが聞けました。

Ken いやいや、想定してたよりって、期待値めちゃめちゃ低いっていう(笑)

金山 いや、違うんです、違うんです。コミュニケーションギャップみたいな。コミュニケーションの難しさとか。姿勢とか。対立するかとか、ずれが生じたりするんじゃないかなっていう。そういうことの乗り越え方なんかをトピックとしてイメージしていたんですけど、開発する上での起点、スタート地点を変えられるっていうのは、すごく面白いなと思いました。

エンジニアをマジョリティーにする組織づくり

Ken エンジニアは声が大きくないのでマイノリティーになりがちなんですけれども、そうじゃなくて、エンジニアをマジョリティーにしてビジネスサイドをマイノリティーにしたら、面白い、違うアングルも見えてくるなと。

金山 なるほど。

Ken だから、そういう組織づくりをやるのは面白いなと思っています。

金山 組織を考える上では、声が大きい人の声がどうしても通ってしまう。

Ken そうです。それに、やっぱり立場とかそういうところが重要になってくるんで。結構難しいところですね。

金山 でもたしかに、ものづくりとかを、スタートアップなりで加速させていこうと思ったら、そういう組織の在り方、エンジニアファーストな組織の在り方ってすごく大事になってくるんだろうなって、聞いていて思いました。

エンジニアファーストな組織、エンジニアのいない組織

Ken まさにですね。エンジニアファーストで組織を作っていくか、あるいは、エンジニア全くいない組織にするか、っていうのも結構面白いアプローチだなと思っていて。今はエンジニアがいなくても使えるツールっていうのは結構出てきていて。今後も増えると思うので。一部をエンジニアの業務委託にして、組織の中に全くエンジニアを入れないっていう形にしてビジネスを拡大するのも面白いなと思っていますね。

金山 結構ありますよね。どこをフルアウトソースするかっていうのも。一つ面白いですよね。

Ken はい。結構スタートアップだと、なんとなくビジネスサイドがいて、エンジニアがいて、…っていうのがフォーマットみたいになっているんですけれども。多分、二極化するなと思っていて。全くエンジニアがいない組織で拡大するか、あるいはエンジニアドリブンに寄せて拡大する。どのアプローチからしていくかっていうのは、二極化するんじゃないかなっていうふうには思っていますね。

金山 なるほど、面白いですね。じゃあ、今日は、この辺で。

Ken ありがとうございます。

金山 ありがとうございます。次回、またエンジニアの採用のコツとか。

Ken いいですね。

金山 エンジニアファーストな組織をつくる上での具体的なところを聞きたいです。

Ken ぜひぜひ。いろいろ苦労はしてるんで。いや、苦労はしてないか。

金山 いっぱいいらっしゃしますよね、エンジニアの方が。

Ken そうですね。しかも自分が決して採用をうまくやっているわけじゃなくて、周りの、いわゆる皆さんが、どんどん仲間を増やしてくれるっていう感じなので。

金山 へー。そういう感じで増えてってるんですね。

Ken です。そんな感じで。

マンガにも組織づくりのヒントがたくさんありそうです

金山 はい。最後にお知らせですけど、半沢直樹が7月19日からスタートするみたいです。

Ken ついに。

金山 楽しみですね。

Ken 3カ月遅れ。4月から始まるって言ってましたもんね。楽しみですね。

金山 我々のバイブル、半沢直樹のスラムダンク。

Ken いや、バイブルですね、これはもう。スラムダンクも話すと多分、24時間ぐらい話せるっていう感じですね(笑)

金山 スラムダンクにヒントを得た会社、組織のつくり方とか。

Ken それ、いいですね。めちゃくちゃありますよ。影響受けた経営者の方も多いんじゃないですかね?僕も、思いっきりその1人ですけど。

金山 マンガに影響受けている経営者の方多いですよね。

Ken 多いです、多いです。30代だとスラムダンクとかキングダムとかサンクチュアリ。この三つじゃないですか(笑)

金山 なるほど、なるほど。ちょっと、マンガ回をやりたいですね。

Ken そうですね、

金山 はい。じゃあ、次回のテーマがなんとなく決まったところで、今日はこの辺で。

Ken はい、ありがとうございます。

金山 ありがとうございます。




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