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爪を切るのが好き。別に、短い爪が好きなわけじゃない。
本当は、少し伸びた爪、白いところが5mmくらいある爪のほうが指が綺麗に見えて好き。

でも、爪を切るのが好きだから、切ってしまう。

小さい時から楽器を習っていて、爪を伸ばすことはできなかった。
だから、長い爪に憧れている。長くて、真ん中がとんがっている爪。
いかにも仕事できます、って感じで格好いい。
いつか私もあんな爪にしてみたいなと思う。

なのに、切ってしまう。


切りたての爪は好きじゃない。
切った断面がざらざらして、少し気持ち悪い。
料理をするにも、パソコンを打つにも、なんだか引っかかったような感触がして、好きじゃない。
それに、私は爪を切るのが下手だから、どう頑張っても断面はガタガタ。

だから、爪を切るのは夜にしようと思うのに、
でも、夜まで待てずに切ってしまう。

夜に爪を切ると親の死に目に会えなくなるとか、そういう迷信は信じてない。
ただ、思い立ったらすぐに切りたくなってしまうだけ。


爪が伸びてくると、あぁ、生きているなぁ、と思う。
もうとっくの昔に成長期は終わって。体は横に膨らむか、縮むかの変化しかなくなった。
そういう時、爪が伸びるのを見ていると、生命を感じる。

髪も同じなのだろうけど、セミロングの私には髪の長さの変化は分かりにくくい。
そうして、爪に辿り着く。


あの、切るときの、ぱちぃっ、という音がたまらなくいい。
新しい断面が出てきて、新しい世界が始まるかのようなあの感触。
なんだかまるで、素直な女の子に戻ったような、あの気持ち。



旦那の好きなところの一つに、爪が短いところがある。
以前、少し長い爪で頭を撫でてくれた。嬉しかった。でも、少し痛かった。
それを伝えてからは、毎週こまめに切ってくれる。
そういうところが、好き。
爪が短いたびに、あ、あの言葉を思い出してくれたんだなって思って、嬉しくなる。


先月、医療職脱出の特権だ!とジェルネイルをした。Instagramでいっぱいデザインを探して、今時の韓国風ネイルをリクエストした。
ネイリストは綺麗なおねえさんで、緊張した。ちょっと無愛想だったから余計に。
可愛かった。
爪を見るたびに思わずうふふ、ってにやけてしまうくらい。友だちに会うときに、わざと爪が見えるように振る舞ってしまうくらい。筋トレが苦しくても、爪を見るともう10秒頑張ろうって思えるくらい。

でも、ネイルをオフしたら、爪が弱くなっていた。薄くもなっていた。
それに、なんだか触り心地もざらざらだった。
さらに引越し作業で爪を酷使していたら、爪が剥がれてきてしまった。


毎日、心の中でごめんね、と謝りながら、ネイルオイルを塗って寝た。
ジェルネイル、もうしないかもしれないなと思った。
今まで以上にこまめに爪を切った。深爪になりかけたけど。
そうしたら、今朝、見事復活していた。
これは完全復活と言ってよい水準でしょう。
お帰りなさい、私の可愛い爪。

ほとんど中身のない、こんなnoteもありでしょうか。

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