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【開運酒場】クリーミー煮込みと警視庁ボトル〜練馬「呑処ぐっさん」〜
練馬駅近くで仕事終了。
帰る前に一杯やってきますか……と、界隈で一番古いという「金ちゃん」に向かった。
が、この日はすでに店じまい。
どうしよう。
今宵は雨。
いつもの居酒屋エクスプローリングもきつい……。
と、金ちゃんの近くで見つけたのがこちらのお店。
「呑処ぐっさん」
店構えは新しいが、入り口扉から店内を覗いてみると中高年客多し。
たぶん歴史は古いけど最近リニューアルしたパターンだなと踏んで入ったらその通りで、創業26年、5年前にテナントビルの立て直しでこちらに移転して来たとか。
ごくごく、フツーの居酒屋の店構え。
こういうフツーの居酒屋が最近少なくなった。
なんとかバルとか、ネオ大衆酒場とか。
しゃらくせえ。
ここはスペインじゃねえし、大衆にネオもオールドもねえ。
昔のままにフツーなら単に改修費が無いのかなと思うが、新しくしてフツーなのは、明らかに意図的にフツー。
店主の作為、というか矜持、いや狭義を感じる。
灰皿が昔ながらの居酒屋や定食屋によくあるアルミ製。
いいねえ。
メニューにを見ると、名物の一位が「にこみ鍋」、二位が「スタミナ焼き」、三位が「ホルモン焼き」。
いいねえ。
その心意気に応えて「ベスト3ぜんぶ下さい!」と男気注文。
飲み物はとりあえず、仕事終わりの生ビー(ルまで言うな。言わずともわかる)。
すぐに出てきたのはにこみ鍋。
一人仕立ての土鍋に、もつ煮込みと豆腐が半丁入っている。
スープは俺好みのクリーミーな味噌仕立て。
はて、どこかで食べた味に似てる……そうだ、板橋大山の「鏑屋」だ。
それを大将に言ったら、
「あぁ、あそこも元加賀屋だからね」
実はこちらの大将(山口さんだからぐっさん)、すぐ近くの加賀屋(練馬店)で修行、独立して練馬に店を出したという。
鏑屋の大将がどこの加賀屋かは知らないが、つまりこの煮込みは加賀屋仕込みということになる(これは帰りに寄ってみないと……)
「ホルモン焼き」と「スタミナ焼き」も出てきた。
ホルモン焼きはシロの串焼き。ピリ辛味噌味が熟成感。
スタミナ焼きはハラミの串焼き。ものすごく柔らかい。これ、すごく気に入った。
「うまいです。肉の鮮度がいいから?」
「それもある」
「味付けがいいから?」
「それもある笑」
こういうやり取りが楽しい。ここの大将とは相性が良さそうだ。
もつ焼も頼むことにしよう。
レバ、タン、ハツを頼むと「味付けは?」と聞かれたから、恐る恐る「お任せで」と言ってみる。
たまに「お任せはない」と叱られることがあるが、こちらは「あいよ」とすんなり。
飲みものは、個人的にもつ焼きに合うと思う飲みものランキング最新版一位のバイスサワーに切り替えて待つ。
出てきたレバはタレ、タンとハツは塩。
しっかりした塩けと肉汁でバイスが進む。
黒板に書かれた「梅水晶」も気になって注文。サメ軟骨と梅肉とかつお節をあえた箸休め。梅肉がバイス(梅酢)とぴったり!
なお、カウンターの「警視庁」と書かれたボトルが気になって聞いてみたら、「知人が持って来てくれね。警視庁の中にしか売ってないらしい。スナックでお守り代わりに置いてるところたまにあるよね」と、わざわざ近づけて見せてくれた。
中身は麦焼酎。
「とっくに飲んじゃって空だよ笑」
飲み物、料理の内容はフツーだけど、今の時代このフツーさが貴重。
大将も一見無愛想だけど、根はナイスガイ。
俺も自分の足元を見つめるために、たまにこの店に足を運ぼう。
■呑み処ぐっさん 東京都練馬区豊玉北5丁目20−2 03-3992-9740 https://retty.me/area/PRE13/ARE26/SUB2601/100000033497/
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