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親父ブチギレ → 地球滅亡!?

あらすじ

「親父の機嫌で、地球が終わる!?」

気候変動が進み、異常気象が日常となった世界。
そんなある日、ごく普通の家庭の親父・タケシが、突如"天災そのもの"と化した。

・怒れば火を吹き(炎帝オヤジ)
・怒鳴れば雷を落とし(雷神オヤジ)
・足を踏み鳴らせば地震を起こし(震撼オヤジ)
・機嫌が悪ければ台風を巻き起こす(オヤジ台風)

やがて、その怒りは制御不能となり、国連が緊急会議を開くレベルに発展。
「オヤジ災害」を防ぐ唯一の方法は、**「親父を怒らせないこと」**だった。
しかし、最大の問題は——

「親父は、何もしなくても勝手に怒る生き物だった。」

全世界が絶望する中、息子・カズキは"ある決断"を下す。
それは——親父を"適当におだてる"こと。

「へぇ~、さすが親父!」
「昔の人はすごかったんだなぁ……」

この一言で、奇跡的に親父の怒りは収まり、世界は救われた。
だが、カズキは知っていた。

「次にブチギレるのは……今夜の夕飯かもしれない。」

果たして人類は、"終わりなき親父の怒り"と共存できるのか!?
家庭内トラブルが地球規模のパニックに発展する、超ド級災害エンタメ!!

第1章:異変の兆し 〜気候変動とともに~

1. 終わらない猛暑
その年の夏は、異常だった。

朝から気温は35度を超え、昼には40度に達する日が続いた。
アスファルトは熱され、地面を歩くだけで靴底が溶けそうなほどだ。
夜になっても気温は下がらず、寝苦しさに人々は悶えていた。
「地球、壊れかけてるんじゃないのか?」
ニュースキャスターが深刻な顔で語る。

だが、真の問題は、地球ではなかった。
この異常気象に呼応するかのように、ある家庭の"異変"も始まっていた。

2. 家庭内の異変
「最近の若いモンは…」

その言葉が、食卓に雷鳴のように響き渡った。

息子のカズキは、思わず箸を止める。
テーブルの向こうでは、親父——タケシが腕を組んでいた。
暑さのせいか、ただでさえ厳つい顔がさらに険しく見える。

「おい、カズキ」
「……なに?」
「なんだ、その返事は」

言い方一つで"地雷"を踏む——そんな雰囲気が、家の中に漂っていた。
カズキは慎重に言葉を選びながら答えた。

「……何か用?」

だが、それすらも火に油だった。

「なんだその態度はァァァ!!!」

ドンッ!!
親父の拳がテーブルを叩いた。
瞬間、湯気が立ち上る味噌汁がカズキの方へと跳ねる。

「熱ッ!!」

「お前なぁ、昔の俺たちの頃はよォ!!」

また始まった。
カズキはげんなりしながら、親父の説教モードを察する。
いつものことだ。
だが、この夏から親父の怒りは異様に増していた。
まるで、気温と比例するように——

3. 気象との奇妙な一致
それは偶然なのか。
猛暑が続く日ほど、親父の機嫌は最悪になった。
熱波の日には小さなことで怒鳴り散らし、
夕立が激しい日には、不機嫌に唸り声を上げる。

さらに異変は続く。

台風が発生した日、親父は突如として「雷オヤジ」と化した。
「てめぇ!言うこと聞かんか!!」
その怒号と同時に、部屋の電球がバチバチッと点滅し、
なぜか外では雷が鳴り始めた。

地震が発生した日、親父はテレビのリモコンを投げつけながら、
「話を聞けぇぇぇぇ!!!」と叫び、足を踏み鳴らした。
すると、本当に家が揺れた。
家族は顔を見合わせる。
まるで、親父の怒りが地球と連動しているかのようだった。

4. 天災の化身
そして、運命の日が訪れる。

8月15日。
観測史上最高の気温を記録したその日。
朝から気象庁は「危険な暑さ」と警告を出し、
全国各地で熱中症患者が続出していた。

カズキはクーラーの効いた部屋で、スマホを眺めながらため息をつく。
(こんな日に外に出るなんて無理だろ……)

そこへ、親父の声が飛んできた。

「カズキ!てめぇ、まだ部屋にいるのか!」

カズキは顔を上げる。
親父が鬼の形相で仁王立ちしていた。
彼の周りには、ゆらゆらと"陽炎"のようなものが揺れている。

「な、なに……?」

「てめぇ、クーラーなんかに頼ってんじゃねぇ!!」

怒声と同時に、親父の体が赤く光った。
瞬間——

ドォォォン!!!

まるで爆発が起きたように、部屋の温度が一気に上昇する。
エアコンはショートし、窓ガラスが熱でひび割れた。

「アッツ!!!」

カズキは飛び上がる。
まるで火山の噴火のような熱波が、親父の体から吹き出していた。

「親父……お前……」

カズキの目の前で、
父・タケシが天災そのものと化していく。

まさか、気候変動が——
この男を"天変地異の化身"へと変えたのか!?

この日、世界は一つの新たな脅威を認識することになる。

その名も——

「災害級の親父」

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