私はビビりである。
私はビビりである。仕事に影響が出るくらいのビビンちょである。
私の仕事は社内で複数のグループの人と一つのテーマをこなしていく。
一つのテーマをみんなで頑張っていく、というよりは、各グループが責任の所在が自グループにならないよう、自分の仕事だけに力を入れる、というストレスフルな仕事の仕方である。
そのため、グループ同士の仲がよくない。常に気を張り詰めて仕事をしている。少しでも気が緩むものなら、鋭い指摘が入り、心が血まみれになってしまう戦場である。
そんなところにいる私は元来ビビンちょである。
何か言われると心臓がドキドキして、あわわわわ…となってしまう。こうなると、思いもよらないことを口走ってしまったり、汗だくになってしまったり、挙げ句の果てにはショートして何も考えられなくなるのだ。
こうなるともう打つ手はない。相手がヒートダウンしてくれることを虚な目で相手の目をみながら、待つしかない…
相手もたまったものではないであろう。
明らかに人の話を聞いてない魚の目をした人間に叱責しているのであるから。
とんでもない時間の無駄である。
しかし困るのは相手だけではなく、私もきちんと困っているのだ。
なぜなら、叱責されている間、あまりの心臓のドキドキのせいで、私は記憶がない。
あわわわわ、となっているがために、あとで、「あれ?怒られたけど、なんて言ってたっけ?」となることが多々ある。
こうなってはもう取り付く島がない。
私は叱責されたために、記憶をなくし、また再び困り果てるのである。
怒ってくれた人は、魚の目をしているが、ここまで言えば反省して次につながるだろうと思っているだろうが、そうは問屋がおろさない。
あんたのせいでわかる話もわかんなくなってしまうのだ、もっと普通に話せ、と思ってしまう。
私はビビンちょであるが故に、言われた相手はどうなるか、と言うことは人一倍わかっているつもりである。
人に厳しくして、後輩を立派な社員に育てよう!と息巻いているそこのあなた。それはあなたの自己満足だよ。
いろんな人がいるんだから。
まずは人を育てる前に、狭いあんたの視野を広げなさい。
と、ビビンちょの私は紙面で大口を叩くのである。
これも自己満である。
いいじゃん、たまには背伸びさせてよ。