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SPORTY TUBEを世に出すことで、本当は何を伝えたいのか。

コロナ禍でのわが社の現状

新型コロナウイルス感染拡大の影響が、経済的にも生活にもここまで日本人、いや世界中の人々に影響を与えると誰が想像していたでしょうか。私たちも例外ではなく2月に中国で感染が拡大している際は、他人事だったのだと思います。

確かに、弊社には中国工場があり、そこで生産する商品の生産ができなかったり物流が滞り入荷が遅れたりはしていました。しかし、ここまで影響が広がるとは、、、

その後、日本でも感染が拡大し、現在スポーツ用品を扱う業界は未曾有の危機に瀕しています。もちろん飲食店、観光業などもっと影響を受けている業種もあるでしょう。私たちも例外ではなく、学校の休校により全国ですべての部活動・クラブ活動が止まり、またインターハイ・全中・春のセンバツの中止によりそれに伴う地方大会もほぼすべて中止になったことから、

①ユニフォームが必要なくなり、

②ユニフォームを作っている場合ではなくなりました。

そして、4月の売上は前年比20%程度のダウンで済みましたが、ついに5月の売上は前年比70%以上ダウンと予想され、ブランドが始まって以来の危機となっています。

ただ、そんな危機に後ろ向きに考えているだけでは何も変わりません。
弊社では、いち早く一人のパート従業員が開発し、提案のあったユニフォーム生地で作ったマスク≪SPORTYマスク≫(https://sq-athle.com/?pid=149469969)を3月下旬から発売し、オンライン・小売店合わせて1か月で6000枚販売し、マスクの需要の多さだけでなく、私たちのブランドを応援いただけるユーザーの皆様の温かみを実感いたしました。

いつまでもマスクを作っていてもいけない事情

ありがたいことに、SPORTYマスクは多くのユーザー様にその商品開発のプロセスとともに買っていただき、Twitterでは、多くの反響をいただきました。

あげればきりがないのですが、マスクが届いたご連絡をこのような方法でお伝えいただけることは、生産者冥利に尽きますし、販売者冥利に尽きます。早速社内でも共有し、喜び合ったことは言うまでもありません。

ただ、私たちが目指しているものは、ここからもう一歩高次の物語のような気がしてきました

そして、いつまでもマスクを作り続けることができない理由。それはまさしく経済的な理由で、私たちが決めた値段、1枚500円ではどれだけ作っても会社を維持することができなかったのです。

私たちがマスク販売を通じて知ったこと

といっても、学校が休校で、部活動やクラブチームが活動を休止している以上、ユニフォームの注文はやってきません。逆に来るほうがおかしい(笑)

だからと言って、コロナが去り経済がもどるのを手をこまねいて待っているだけでは何の解決にもならない。

気付きました。

私たちがマスク販売を通じて、お客様に教えていただいたこと。それは製造者(作り手)と生活者(使い手)が直接つながることにより、意見をいただいて商品にフィードバックできることも大きいですが、最も大きい気づきは、「幸せや喜びのシェア」ができることなんだなぁと感じました

だからこそ、直接販売できる商品を次々と私たちは開発し、しかももちろん機能性をもって世の中の役に立つ商品。なおかつ、商品開発のプロセスを共有し、なんなら商品開発にも携わっていただく。生活者はもはや、売る相手ではなく、社会をよくするためのパートナーとなっていただくことができるのです。

SPORTY TUBE!

コロナが終息したあと、当分の間スポーツをする環境というのはどのようになるのでしょうか?

まさかマスクをしてサッカーやバスケをするわけにはいかず、かといって密集したところで無防備に鼻口を開けておくのもなかなか勇気がいります。もちろん、健康に生活したり、免疫力を高めるため睡眠や栄養をしっかり取るということが大前提にあるのは間違いありません。

ただ、なにかマスクの変わりになるようなものがないか?と考えていたのですが、ユニフォームの素材でネックウォーマー型マスクを作れば、柄やデザインは自由に描くことができるし、なにせ生地の筒を作るだけですから、生産もそれほど難しくありません。(マスクはかなり手間がかかります)

と思っていた矢先に下記のこのニュース。ips細胞の山中教授がランニングやウォーキングの際に口をふさぐような動画を公開いたしました。ちなみに山中教授のYOUTUBE チャンネルには、この動画1本しか上がっていません(笑)が、チャンネル登録者は3000人いますね。

この動画に載っているスペインのメーカー BUFF(バフ)のネックウォーマーは、この週に7000枚売れたとか噂が飛び交っておりましたが、まさに私が作りたかったものが、目の前に現れました。

これなら夏用と冬用を作って、真夏には紫外線対策もできるし、ユニフォームの素材なら洗えばすぐ乾く。

ウチの会社は、昇華プリントの専門工場でもあるから、毎週のように様々な柄を、リアルタイムに、オンデマンドで、まさに必要な分だけ作ることができる。

SPORTYなTUBE(筒)ということで、SPORTY TUBE!と名付けられたその商品の開発に着手しました。

サンプルを配って予想もしない出来事が

4月中旬にサンプルを10枚ぐらい作りかけた瞬間に、多くのスポーツ用品店さんから電話が鳴り始めました。もちろんこの山中教授の動画を見て、、、というのもありますが、

「いっしょに商品開発してくれませんか?!」というお電話でした。今までももちろん販売店さんと共同開発する商品自体は多くありましたが、ここまで一気に電話が鳴ることは初めてでした。

その一例を紹介すると、、

①「どうしても口を覆っていてランニングすると、ずれて落ちてしまう。耳掛けをつけることはできないでしょうか?」

→まずは夏用は、チューブの筒を細くすることによりずれを解消。秋口に発売する冬用に関しては耳掛けをつけるように開発する

②「明るい色、白も出してほしい。学校につけていくのにカモフラージュ柄は少し怖いし」

→確かに、黒、紺ばかりは夏用は暑苦しいですね。野球のお店さんは黒・紺が売れるらしいですが、女性、ランニング、キッズなどは明るい色を展開しよう!

③「室内競技には、こんな長いのより、思い切って短いネックウォーマー型マスクができないでしょうか?」

→ 確かに室内競技は首を覆う必要がありません。暑いし。聞いた瞬間に15cmのネックウォーマーを作りすぐにお送り!

④「お店の別注対応とかしてもらえませんか?チームで購入いただけることもあるし、お店オリジナルだと競合にもならない」

→さっそく別注柄の対応もします。お店単位でロットを決めて発注いただければ対応可能!

これも言い出したらきりがないですが、こんなにスクアドラの取り扱い販売店の社長さんクラスからお電話をいただいたのは初めてかもしれません。うれしくてうれしくてたまりませんでした。まさにこれもしたかったことの一つでありますし、ウチの会社のリソースでできることは、まさにこの個別対応の商品開発と、必要な分だけを作りこめる体制にあります。

もちろん、今後ユーザーさんの声なども集約しながら進化していくことは言うまでもありません。

どんな逆境でも、前向きに肯定的に、未来志向で

このコロナ禍で、売上が爆烈に減る中で、このような動きを多くの方と共にできることは、なぜなのでしょうか?

その問いを与えられたら、私は、「自分だけではなく、みんながよくなってほしい、ひいては将来世代の子供たちに素晴らしい社会をつないでいきたいから」と言えると思います。

また要因としては、自らの前半生を「受け取り直す」ことにより、負の経験価値(逆境)を「自分の成長の糧」だと思えるようになったからだと感じています。

私たちは、コロナ禍で売上が激減する逆境を受け取り直し

これを機会にして、チームオーダーユニフォームという枠組みを超え、あらゆる人と育む商品開発をしながら、人の心が前向きに肯定的に、未来志向になってほしいという思いがあります。

このSPORTY TUBEは、その一例です。

事業をやられている人で苦しんでいる人、コロナのせいにしてしまう人、政治のせいにしてしまう人、その人たちも否定ではできませんが、

コロナを機会(チャンス)にすることだって、人間はできます。

そんなことを感じながら、22日の発売を待っています。

おまけ

宣伝にはなりますが、今後コロナを機会に新しい商品が目白押しです(笑)

まだ内緒ですが、

①汗がへばり付かず、秒速で乾くトレーニングシャツ

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②こめかみが痛くならない!ツバがやたらと柔らかい夏用キャップ

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以上宣伝でした(笑)


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SQUADRA(スクアドラ)【公式】
’73年生。大学卒業後、大阪の中堅会計事務所で10年の税理士業務を経験した後、’11年同社入社。翌年、チームウェアブランドSQUADRA(スクアドラ)の立ち上げ。’12年代表取締役就任。Bリーグ、JFLなどのチームのサプライヤーも担当する。昇華プリントが世に広まるきっかけを作る。