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【森】鍼灸師ってかっこいい。だがしかし。

お初の方ははじめまして。知ってくれている方は、なんだお前ここにもいるのかという感じでしょうか。東京の大塚で独り鍼灸院をやっているシンタローです。おめぇナニモンだって方も多いはずなので、まずは自己紹介から簡単に。

前職はいわゆるクリエイティブ職。

前職は企業広報ライターです。社内広報を外注で請ける制作会社に勤務していました。その間、営業をやったり、編集をやったり……。しかし、ライターとしての自分をあまり評価することができず、退職。ふとしたことで、鍼灸師を目指して今に至ります。

業界歴で言えば、学生時代からアルバイトだった鍼灸接骨院に就職。その後、資格取得2年で独立開業しました(早い遅いは賛否両論あるところですが、この際はどうでもいいことだと思っています)。

業団の会員向け広報誌の編集長として。

開業3年目を迎えた今は、本業のほかに業界団体の一つである、公益社団法人東京都鍼灸師会の会員向け広報誌『東鍼会報』の編集長を申しつかっています(これも開業と同時にやり始めたので3年目)。

編集長ってなにやら偉そうな肩書きですが、やっていることは独り制作会社。本業の合間に取材に行き、記事を書き、送ってもらった原稿を編集して、本誌のデザインを組む。それを印刷会社さんとやり取りをして、発行して、会員の手元にお届けする。仲間と一緒にやれることもありますが、作業環境の問題で一人で夜な夜なの作業になることもままありますし、ブラック企業並かもしれません(笑)。

鍼灸師って、かっこいい。

なぜ、大変な思いをしてそんなことをやっているのか。よく聞かれるんですが、自分の中には明確な理由があります。

鍼灸師は、職業としてかっこいいものだと信じています。業務柄、ベテラン鍼灸師のお話を聴かせていただくことも多いので、その度に感じることがあります。それぞれに信念を持って、目の前の患者さんに心から向かい合いながら治療をしている。そんなめっちゃかっこいい鍼灸師をシンタローはたくさん知っています。そして、各地域でそういう鍼灸師がたくさんいる。これってすごいことだと思うんですよね。

でも、それが世間にも社会にも伝わっていない。統計的には、鍼灸の受療率は5%とか言われています(実際そうなのかどうかは別として)。実際に、シンタローの同級生など近い存在に聞いてみても「鍼灸師って身近にいるんだね」「初めて鍼灸師を職業にしている人をみたよ」というくらいなものです。

ふつふつと、こんなにかっこいい人たちにスポットが当たっていないのはもったいない。言い過ぎでもよければ、日本社会の損失だ、とも思っています。

業界団体は縁の下の力持ち。

少し脱線しますが、業界団体っていうのは地味で、面倒臭い仕事を引き受けている人たちの集まりです。たぶん、どの分野でもそうだと思います。利害関係などいろいろあると思いますが、みんな一生懸命に業界のために自分の力を使っているんです。それも少しは理解してほしいなぁ。この人たちもかっこいいですよ、本当は。

鍼灸業界は、魅せ方が下手。

クリエイティブ職の端くれだったシンタローからすれば、東京都鍼灸師会の会報を最初に見かけた時、手にすることはあっても中を見ようとは思いませんでした。だって、ダサすぎて読む気しないんだもん(笑)。それでいて、新しい人が入ってこないとか言っちゃっているわけです。

これはセミナーや講習会のポスターとかも同様で、魅せ方を理解していないのか、そもそも魅せる気がないのか、そこらへんは判然としませんが。

だったら、そこを変えるだけでも若い鍼灸師や一般の方の興味を引けるでしょ。そうしなきゃ、注目されないでしょ。そんなことを感じました。

鋤柄さんもデザインっていう部分に注目していますが、その考え方を持ち込めば、もっといろいろなものが変わってくる。ただ、それだけの話だと思うんですよね。

鍼灸にデザインを持ち込もう。

そんな思いから、今は制作事務所「アナグラワークス」として、イベントのポスターや企画のお手伝いをさせてもらっています。

企画を立ち上げる人の思いを、うまいこと形にできたら、伝え方さえ間違わなければ、きっと強い力を持っている鍼灸という職業。一方で、だらだらと続いているよくわからない慣習ってのもありますから、業界団体の一端としてデザインと編集力を武器に、そんなところも変えていければいいな、と思っています。

最後にお仕事の紹介。

トップのポスターもアナグラワークスのお仕事。
シンタローたちよりも若い鍼灸師が中心となって、いろいろ動き出しています。よかったら、どんなものかちらっと覗いてみてあげてくださいね。

【書いた人】
野村 森太郎(ノムラ シンタロウ)
「こころと身体を空にする」をコンセプトに鍼灸治療院森空堂を東京・大塚にて運営。
今夏、制作事務所「アナグラワークス」を立ち上げ、鍼灸業界専門の紙媒体制作やイベント企画をおこなっている。
イベント企画や運営のほか、取材や撮影のできるライター鍼灸師として、年間60本の取材を実施。
本業はこちら鍼灸治療院森空堂

このサロンの活動は鍼灸業界、その先にある社会をより良くしていくことに繋がると信じています。 活動の幅を広げる為のご支援をよろしくお願いいたします。