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仕事で使えるヘッドセット
在宅ワークやウェブ会議が増えて、ヘッドセットが手放せないという方も多いのではないだろうか。
今回の記事では、仕事で使いやすいヘッドセットと、ちょっと変わったヘッドセットの使い方を紹介する。
イヤホン型
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写真は SANWA SUPPLY MM-BTMH41WBK という、Bluetooth で接続するタイプのヘッドセット。PC でもタブレットでもスマホでも使える。
どこでも買えて価格も 3,000円弱という、お手軽ヘッドセット。入門編。2019年9月発売のロングセラー。
耳に引っ掛けるだけで、右耳も左耳も使える。満充電からほぼ一日は持つので、夜のうちに充電してけば業務中は使える。
一応、本体にボタンなどがついているものの、小さすぎて操作するのは困難。また、耳に引っ掛けるのに若干コツが要るので、急にテレカンに招待されたりするとスムーズなつけ外しは難しいかもしれない。個人的なおすすめ度は、価格と入手性を評価して ★★☆☆☆。
プロ用の同じようなタイプだと、Plantronics VOYAGER 5200 が市価約12,500円、Jabra TALK 45 が市価約7,000円。
オーバヘッド型
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こちらも SANWA SUPPLY。400-BTMH013BK という、Bluetooth で接続するタイプのオーバヘッドヘッドセット。PC、タブレット、スマホで使える。
入手性はイマイチで、オンラインショップなどで探すと、4,000円ちょっとで買える。2019年9月発売で、2021年10月にバッテリ容量などが増えた改良型の 400-BTMH023BK も発売された。
MM-BTMH41WBK とほぼ同じように使えるが、こちらはオーバヘッド型なので急に通話が始まっても問題ない。
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バッテリの持ちは MM-BTMH41WBK よりちょっといいかな、くらいだけど専用の充電ドックが付属しているので、使ってないときはここへ置いてしまえばよい。待受だけなら、一週間は余裕で持つ。個人的なおすすめ度は★★★★☆。
実はかなり気に入っていて、3台買った。
プロ用の同じようなタイプだと、Plantronics VOYAGER 4310-M UC が市価約25,000円、Jabra PRO 935 が市価約27,000円。
USB接続型
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再び SANWA SUPPLY。どれだけ SANWA SUPPLY、好きなんだよ。MM-HSU06BK、USB 2.0 で接続するタイプのヘッドセットで、形が受話器型になっているのが特徴。こちらは PC専用。最新の Nintendo Switch(有機ELモデル)、SONY Playstation 5/4 にも対応。
2017年4月発売の息の長い製品。
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有線タイプなので価格は安く、3,000円弱で買えるが、スタンドが別売りで 1,000円ちょっとするのでこれを高いと見るか安いと見るか。
イヤホン型、オーバヘッド型ともに、各機器は個々人で使って他人に貸すことはほとんど無いと思うが、このタイプは受話器なのでちょっと他人に電話を替わる、といった使い方ができる。充電が不要なのもよい。PC なら標準ドライバで動くので、物理的に差すだけどこでもいつでも動くという安心感もある。
個人的には USBケーブルがカールコードじゃないのが使いづらくて、スタンドへの収容もスマートじゃないので、おすすめ度は★★☆☆☆。
プロ用
ここからがこの記事の本題。プロ用、すなわちコールセンターで使っている定番ヘッドセットの紹介。
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写真は Plantronics HW540 というオーバヘッド、耳掛け、ネックバンドの 3種類が自由に付け替えられるタイプのヘッドセット。
Plantronics というブランドは聞いたことがないという方も居ると思うが、こういうスタイルのヘッドセットを発明した会社と言ってもよく、NASA がマーキュリー計画から同社のヘッドセットを採用し、その後のアポロ計画などでも使われたので、ニール・アームストロングなど宇宙飛行士が宇宙服を着ている写真に同社のヘッドセットが写り込んでいたりする。
航空機パイロットの間でも定番のブランドの一つで、ちょっと変わったところだと F1 の RED BULLチームなどがサプライヤーとして提供を受けているので、チーム代表のクリスチャン・ホーナーが同社のヘッドセットを使っているシーンが国際映像でよく中継される。なお現在 Plantronics は、Poly の傘下なので Poly のブランド名で宣伝、販売されていることもある。ライバルはデンマークの Jabra。
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接続は有線だが、USB に直接つなぐわけではなく、QD(Quick Disconnect)という、コールセンターでよく使われる抜き差しできるコネクタを使う。QD は 6ピンのデジタルタイプと、4ピンのアナログタイプがあるが、こちらは 4ピンのアナログタイプ。
PC に接続するためには、USB接続を QD に変換するアダプタが必要。
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Poly DA80 は USB接続のためのアダプタ。通話開始、ボリューム調整、ミュートが物理ボタンで操作できる。
Plantronics HW540 が約15,000円、Poly DA80 が約10,000円と、SANWA SUPPLY のヘッドセットに比べて大幅に価格帯が上がってしまうが、さすがプロが毎日業務で使うものだけあって、音質や使いやすさは格段によい。
ライバルJabra の同等品は Jabra Biz 2300 Mono あたりで、こちらは QDタイプが市価約1万円、USB接続だと約15,000円から。
QD は純正、サードパーティ製含めて様々なアクセサリが発売されていて、カールコードで延長するもの、ミュートスイッチ、Y字になっていてスーパーバイザーが通話を傍受するもの、スーパーバイザーがオペレータだけに聞こえるアドバイス(ウィスパーボイス)を合成するものなど、コールセンター運用で必要なものは一通り揃う。
もし、毎日のようにウェブ会議を行うような人であれば、買ってしまってもよいと思う。個人的おすすめ度は断然の、★★★★★。
電話機にも繋げられる
Plantronics や Jabra などコールセンター用ヘッドセットを使うメリットは音質やアクセサリーだけではない。個人的にはここが最も重宝している機能で、これのために Plantronics を使っていると言っても過言ではない。
在宅ワークの場合だとあまり関係ない話だが、会社でヘッドセットをつけたまま仕事をしているときに不便なのが、電話機での通話だ。ウェブ会議のためにヘッドセットをつけたままにしているときに電話機に電話が掛かってくると、受話器を耳にあてるためにわざわざヘッドセットを外さないといけない。
そんなとき、Plantronics HW540 であれば PC でのウェブ会議と、電話機への通話を、一つのヘッドセットで取り扱うことができる。
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これは Poly/Plantronics の MDA220 USB という切替器で、PC と USB で接続する。バスパワータイプなので別の電源は不要。
入手性はイマイチで、価格は 13,000円前後。
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端子は左から、USB(直出し)、EHSジャック(あとで説明)、RJ-09送受話器ジャック、別売り電源ジャック(別売りリフターを使う場合に必要)になっている。
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Poly DA80 はフロントの USB端子に接続する。この接続だけだと、MDA220 USB はただの中継ハブとして動作する。
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リアの RJ-09端子に付属の RJ-09ケーブルを接続し、
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電話機の送受話器コネクタに差し替える。
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抜いた送受話器につながっている RJ-09端子を、ケーブル途中にある端子に接続する。(内部で MDA220 USB と並列接続される)
ここまでの接続を行うことで、MDA220 USB の上面にある PCボタンを押したときは PC のヘッドセットとして、電話機ボタンを押した場合は、電話機用のヘッドセットとして使えるようになる。
ただし、電話機の方は電話する際にオフフック(受話器を上げる操作)が必要になるので、もうひと手間加える必要がる。
EHS を接続する
EHS(電子フックスイッチ、Electronic Hook Switch)とは、無線ヘッドセット、イヤホン型ヘッドセットを電話機に接続した際に、オフフック信号をやり取りするために使う。
多くのビジネスホンに搭載されているが、標準規格がないので各社が独自規格の端子を使っている。日本でも使われているものとしては CISCO、Grandstream、ALCATEL、AVAYA、Poly、NEC、Yealink などがある。スマホ用だと 3.5mm 4極ピンプラグを使う。
うちで使っている Panasonic KX-UT248 の場合は、3.5mmステレオピンジャックを使った Panasonic独自規格になっていて、残念ながら Poly/Plantronics の標準対応品にはない。
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しかし、Panasonic の EHS は簡易のもので、市販のオーディオ用の 3.5mmステレオピンジャックを使うことで、Plantronics MDA220 USB の EHS端子と接続することができる。
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MDA220 USB の EHS端子にピンジャックを接続し、
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Panasonic 電話機の EHS 端子に接続する。
これで、MDA220 USB の電話機ボタンを押すことで、電話機的にはオフフック動作になり、掛かってきた通話をとったり、通話を開始したりすることができる。
もし電話機に EHS 端子がない場合や、互換性のないメーカを使っている場合、物理的に受話器を上げてしまう、リフターという機械を接続して使う。
Poly の場合は HL10 という汎用リフターがあって、これを使えば互換性を気にせずほぼ全メーカの電話機と接続することができる。電話機を買い替えても使えるので、コールセンターなどでは EHS対応メーカの電話機を使っていても、あえて汎用リフターで運用しているところもある。
今後、企業での IP電話化が進み、個人の内線電話機も PC上のソフトフォン(CISCO Webex Calling、Microsoft Teams、Zoom Phone など)で行うようになってくれば、こんな切替器を使う必要はなくなってくるのかもしれない。
(おまけ)4極ピンプラグ接続タイプ
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意外と使いやすいのが、4極ピンプラグで接続するタイプのヘッドセット。これは ELECOM HS-NB05TBK というネックバンドタイプで、家電量販店の店頭でネックバンドタイプ有線ヘッドセットを探したところ、唯一在庫していたので買ってきた。店頭価格約2,000円で、2021年9月発売だが、すでに廃盤品。後継機なし。
差し込むだけで使えるという安心感は Bluetoothタイプにないメリットで、充電を気にする必要もなし、ペアリングも必要なし、知らない間に切断される心配もなし、ということで一つ持っていても損はない。写真では見切れているが、音量調整とミュートボタン付きになっている。
4極ピンプラグは一部のスマホやタブレットで使われているコネクタで、PC で使う場合はピンクのマイク端子と緑のヘッドホン端子に分かれた HS-NB05SV という兄弟モデルがある。アダプタを使えば、相互に変換可能。
Bluetooth を 4極ピンジャックに変換する Bluetoothトランスミッタ(ELECOM LBT-PAR02AVBK など)という製品があって、これにつなぐことで擬似的に無線ヘッドセットとして使うこともできる。