【展覧会レポ】メトロポリタン美術館展:国立新美術館
国立新美術館に「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」展を見に行きました。
新美術館だし激込みかな…と思いながら行きましたが、夜7時くらいだったからか、かなり空いていて、名画の数々を間近でじっくりとかんしょうすることができました!
写真はNGだったのが残念(けっこうこういう古典名作系だと、来場者数との兼ね合いや貸出館との契約の制限があるのか、撮影全部NGが多いですよね…)
客層は、けっこう中高年の方が多めでした。といっても、夜間だったので、休日昼間はまた違ったかもしれませんが。。
よかったポイント
「西洋絵画の500年」と銘打つだけあり、ルネサンスちょい前の古典的な宗教画から、近代絵画まで、幅広い年代の作品をバランスよく展示していました。
ジャンルも、宗教画から風俗画、静物画、人物画、風景画など、いろいろ取り交ぜで、見ていて飽きません。
点数は65点と、このサイズの会場でやるにはややゆったりめな感じでしたが、それが奏功して、ひとつひとつの作品をゆっくり眺めることができました。
(多すぎると、全部見ないと!と躍起になってしまい、結局全体としてどれが一番よかったかとか、どの絵が一番気になったかとかが思い出せない残念な感想になることが結構あり…)
しかし、いかにも「西洋絵画の教科書」的ラインナップなのに、一点一点が豪華!さすがMET!
今回の1枚
今回は私の大好きなフェルメールやレンブラントも来ていて、目移りばかりの展覧会でしたが、ジョルジュ・ド・ラトゥールの『女占い師』には感動しました!
いかにもお坊ちゃんふうの青年が、したたかそうな女たちに囲まれて、しっかり金目のものをねこそぎ取られようとしているという緊迫の画面。この絵自体の存在は知っていたのですが、近くに寄って絵肌を生で見たとき、あらゆる質感をものすごく丁寧に描き分けていることに気が付き、とても感動しました。
女たちのドレスのレース部分や、平織りの紐、厚みのある毛織ふうのマント、青年が提げている細工物のチェーンと金のメダル。
そのすべてが、几帳面さを感じるくらいにまったく別の質感で描き分けられていたのでした。筆だけでどうやってこんなにもテクスチャを描き分けることができるのだろう???ふしぎでならないとともに、そんな超絶技巧の嵐を一枚の画面にギュッと閉じ込めて見せたラトゥールの意気込みもまた感じたのでした。
(鑑賞日22.3.26)