実家で起こったほんのり怖い怪現象 4【うすっ黒い影】
実家は山の麓にあり、家の周囲には田んぼと山が広がる田舎です。
うちは江戸時代から続く農家で、子供のころから家というか土地に様々な念のようなものが残っているように感じていました。
そんなに怖い話でもないと思いますが、これまでの経験を晒してみようかと思います。暇潰しにどうぞ。
過去のノートはこちら
→実家で起こったほんのり怖い怪現象1
→実家で起こったほんのり怖い怪現象2
→実家で起こったほんのり怖い怪現象3
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小学生だったある日の夜、仏間の隣の座敷でピアノの練習をしていましたた。
仏間と座敷は襖続きで、襖は開けたまま、仏間を背にしてピアノを弾いていました。
ふと、仏間のほうに人の気配が。
「オトンが来たかな…」
と思ったぐらいで、特に気にすることなく練習を続行。
しばらくすると、その気配は襖近くに移動。
人の気配を感じながらも私はピアノに集中。
それにしても、妙に背中がぞわぞわしてる…
「オトンは仏間で何しとるんじゃろ…」
と思ってました。
その数分後、その気配は襖を越えて座敷に移動し、ゆっっっくりと私に向かってにじり寄ってきました。
「あーなるほど。うちを驚かそうとしとんじゃ…」
私は気づかないフリをしてピアノを弾いていましたが、なんだかいつもと様子が違う。
背中のぞわぞわが大きくなり、全身鳥肌。
その気配は、私の真後ろに来たかと思うと、背後左側から前を覗き込んだまま動きません。
「え…なん、なんか違う…………!」
しばらくその状態が続き、1曲弾き終わったと同時に「ふっ…」と左耳に人の息がかかったように感じました。
その瞬間、頭のてっぺんまで総毛立ち、後ろをガバッ!っと振り返ると
((( うすっ黒い影がいました )))
驚きすぎて声が出ず、私は弾かれたように家族がいる部屋へダッシュ!
その部屋では案の定オトンがのんきにテレビを見ており、
「オ、オトン!さっき仏間に来た!?」
「ん? 行かんで。」
その答えを聞いた瞬間の、形容しがたい脱力といったらもう…
こういうのって、たいてい後から気づくのですが、気配はしたけど、歩く音はまったくしていないし、音がしてないのに気配の動きは敏感に感じ取っていました。
ただ、気配を感じてた間、嫌~な感じしなかったので、悪意のあるモノではなかったと思います。
多分、ナニかがピアノを聞きに来ただけなんだろうけれど、どうせなら、予め名前と目的を言ってから現れて欲しい…と思いました。
あの時は本当に寿命縮まる思いでした。。。
とにかくその日以来、夜は絶っっ対ピアノの練習はしませんでした。
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次回は、「ほんのり怖い」に戻ります。
当時の私にとっては「けっこう怖い」体験でしたが。。