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初心者担当が紹介する、落語のおもしろさ「妄想がどんどん膨らむ」

「落語」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

長い伝統や、座布団に座った落語家さん…。
バラエティ番組で活躍する漫才師さんやコント師さんと同じ「お笑い」でありながら、「日本の伝統」というイメージで少し敷居が高く感じている人もいるのではないだろうか。

今回は、そんな落語を放送している「寄せチャンネル」で、落語初心者として担当となったMHさんにインタビューを敢行。数百年に渡って愛され、世代を問わず楽しめる落語のおもしろさに迫った!

今回落語の魅力を教えてくれる人:MHさん

音楽が好きで現職のグループ会社である音楽系の会社に入社しました。音楽DVDやCDリリースに必要な事務的な業務を経て、音楽チャンネルの運営を開始することに。約10年前から現職、寄席チャンネルの担当となりました。

――音楽好きのMHさんが落語の担当をされることになった経緯について教えてください。

「前職の音楽チャンネルが始まった当時は、今では一般的な『コンテンツ』という言葉を、それほど頻繁に耳にすることは無かったように思います。それが現代ではメディアの拡がりもあって、管理していかなくてはならないようになり、前職での音楽『コンテンツ』の経験を落語という『コンテンツ』でも活かせることから担当を担うようになったと思っています」

――MHさんは落語初心者として担当になったということですが、落語に対してどのような印象を持ちましたか。実際に担当となり、印象は変わりましたか。

「私の祖父が落語や浪曲を聴いていたという記憶はありましたが、落語に興味は抱かずに大人になってしまいました。当時の私が、『テレビ』を通じてスピード感があり派手な仕掛けで大笑いを呼ぶ娯楽で育っていたからだと思います。私にとっては、笑いのポイントがよく分からないのに、笑えないよ~という感じでした。
ところが、寄席チャンネルの担当になってから、落語には笑いだけではない『人情噺』もあると知り、認識が変わりました」

――『人情噺』ですか!特におもしろい!と感じたきっかけになった噺はありましたか。

「見方が変わったきっかけは、落語の有名な演目の一つ、『芝浜』を知って泣きそうになった時と、今風に言うと浮気がバレそうな緊迫のシーンが描かれる演目『紙入れ』で『なるほどね~』と、変に感服してしまった時です。
『よくできたストーリーだな』という感想と共に、数百年前の日本人にこの物語がウケていたのかと思うと、驚きでした。昔ばなしやおとぎ話、源氏物語でさえ、ストーリーをわかり易くするためなのか、単調なカラーで統一されていると感じていたので、『まさかの告白』や『急展開』がおもしろがられていたとは思い及びませんでした」

――急展開が何百年も前の日本人にウケていて、今なお愛されているってすごいことですね。
初心者に向けて、おすすめの楽しみ方を教えてください。

「あくまでも、一(いち)初心者の私の経験からですが、落語ファンの方々から名演、名録音と紹介されている落語や講談であっても、なかなか『耳』が慣れませんでした。言葉遣いや録音状態が、普段耳にするものと違っているためか、テレビで見ても話が入ってこなかったのです。そこで、制作された年月が最近のものを手始めに、徐々に『名人』と呼ばれる方のものを見たり聞いたりすると、少しは違うかと思います。
また、『新作落語』という分野もあります。演者さんが創作したオリジナルの落語ですが、今のご時世を反映したものが多いので、話に入りやすく楽しみやすいと感じました」

――寄席チャンネルで放送予定の番組で、『これは絶対見てほしい!』というオススメを教えてください。

「2/23(日)の夜9時から、柳家花緑さんの独演会の模様を放送します。まさにその『芝浜』と、『ぞろぞろ』『笠碁』の古典落語をたっぷり三席楽しめますので、ぜひ、ご覧ください。
花緑さんのお祖父さんは、落語家として初めて人間国宝になった『五代目柳家小さん』。そのような家に生まれた花緑さんですが、そのことを抜きにしても、抜群の話芸で作り出す空間には、思わず我を忘れるほど引き込まれること、間違いなしです」

柳家花緑独演会 ©Atoss Broadcasting Ltd./寄席チャンネル

――最後に、改めて落語のおもしろさとは、何だと思いますか。

「話をしているのは演者さん一人のはずですが、ドラマや映画のように、動く映像を見ているような気持ちになる点ですね。妄想がどんどん膨らむ、というか。
元々、時代劇は好きですが、時代劇にもよく登場する人物が、別の見方で違うキャラクターで描かれたりするのも、面白い点です」

――ありがとうございました!

▽新作落語の魅力を番組Pが語った記事はこちら

▽寄席チャンネルの放送番組はこちら


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