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見つけたらラッキー!激レア商品のマーケティング戦略に迫る

雪印メグミルクの「さけるチーズ」。店頭に並ぶパッケージが通常とは異なる、「ボンバーさけチー」バージョンを見たことがありますか?

さけるチーズに限らず、見つけた人が幸せな気分になれるレアアイテムが紛れ込んでいる商品があります。

今回の記事ではそれらのレア商品・パッケージを紹介しながら、希少性が消費者を惹きつける心理と、その心理を活用したマーケティング戦略に迫ります。

事例を並べてみることで、さけるチーズの巧みな仕掛けに改めて気が付きます。


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パッケージに潜むレア

さけるチーズの「ボンバーさけチー」

さけるチーズが爆発しているように見える様子が描かれているレアなパッケージが「ボンバーさけチー」です。

さけるチーズのレアパッケージ「ボンバーさけチー」(画像:雪印メグミルク

日経クロストレンドの記事によると、その出現率は2個パックで約6%、1本入りの場合は約3%とかなりの希少性。そのため、見つけたときにインパクトで話題になっています。

さけるチーズのマーケティング戦略では、「子どもに与えて罪悪感のないおやつを求める層」をターゲットに定め、さけるチーズが子どもが欲しがるおやつの選択肢になるという様子を描いたCMを放映しました。

さらに、CMを見て興味を持った消費者がお店を訪れた際に、見た目のインパクトから「子どもが喜びそう」と購入を促すことを目指して展開しているのが「ボンバーさけチー」です。

ちなみに爆発しているのはパッケージだけで、中身は通常の商品と同じです。

カップヌードルの「チベットスナギツネ」

日清のカップヌードルでは、2021年6月に「フタ止めシール」を廃止し、開け口を2つにした新形状のフタを採用しました。

その際、フタの裏側に猫の顔のイラストをプリント。それに混ざって、独特な顔の「チベットスナギツネ」が出現しました。日清らしい、遊び心に溢れたユニークな取り組みです。

公式Xアカウントによると、その出現率は6%だったそうです。

現在、フタ裏へのプリントは終了していますが、当時は大きな反響を呼び、新形状のフタを採用することで日清が環境問題に取り組んでいることを広めるのに一役買いました。

ヱビスビールに鯛が2匹!?

サッポロビールのヱビスビールのラベルには、七福神の恵比寿様が描かれています。通常、鯛は恵比寿様が抱える1匹だけですが、極稀に左後ろのびくにもう1匹入っているレア版が存在しています。

瓶商品のみに存在し、「ラッキーヱビス」と呼ばれています。これは知らないと気付くことも難しそうですね…。

サッポロビール公式サイトの「よくある質問」には、“数百本に1本の割合”と書かれ、めぐりあったお客様に何か幸運なことがありますようにとの願いが込められているそうです。

商品自体に潜むレア

ホームパイにペコちゃん

不二家のホームパイには、パイにペコちゃんの焼き印が入ったレアなものが存在します。公式Xアカウントによると、出会える確率は0.1%!

X上には、3年以上毎日ホームパイを食べ続け、5,000枚食べたところでようやくペコちゃんに出会えた方もいます。

星型・ハート型のピノ

森永乳業のピノには星型やハート型のレアが入っていることがあります。食系メディア「ちそう」の記事によると、1箱に1個の星型が入っている確率は4.8%。ハート型は3.2%だそうです。

なかには星型とハート型の両方が1箱に入っているパターンもあります。

パナップのソースの顔

Sprocketのメンバーには、ほっぺにハート型のえくぼのパナップに出会えた方もいました。

ほっぺにハート型のえくぼのパナップ

グリコの公式サイトにある「豆知識コーナー」によると、“皆様にわくわく・ドキドキをお楽しみ頂こうと、たまにソースが笑顔になっています”だそうです。

ラッキースターアポロ

明治のアポロは、アポロ宇宙船をイメージした円錐型をしています。2019年には発売50周年を記念して「ラッキースター」と呼ばれる星形をしたアポロが含まれた商品が発売されました。

現在発売中のアポロにも、パッケージに「入っているかな?ラッキースター」と書かれていて、知っている方も多いでしょう。

まゆげコアラのマーチ

ロッテのコアラのマーチには様々なコアラが描かれていますが、その中でもまゆげのある「まゆげコアラ」はラッキーコアラとして話題になりました。

実はこの絵柄は、まゆげではなくトランペットを吹くときにできた眉間のシワだったそうです。

それが女子高生を中心に「まゆげコアラ」として人気になり、今では公式サイトの「絵柄ずかん」でも「まゆげコアラ」として紹介されています。

まゆげコアラ(画像:ロッテ

ウォーカープラスの記事によると、コアラのマーチの絵柄は現在365種類で毎年更新されているそうです。

特定の絵柄を少なくしているということはなく、まゆげコアラが特別レアというわけではありません

まゆげコアラの他にも、おなかに傷がある(ように見える)「盲腸コアラ」や鼻血が出ている(ように見える)「鼻血コアラ」もラッキーコアラと呼ばれています。そして、それらが一つになった「スーパートリプルラッキーコアラ」も存在しています。

話題性を生み、見つけた人を幸せにさせるWの効果

食べるときに一つずつ手に取ることから目に入り、心を和ますお菓子類にレア商品が多くあることがわかります。

見つけた時の喜びや驚きから、SNSへの投稿も多く、話題になることも少なくありません。各社、公式サイトやSNSの公式アカウントで出会える確率をさり気なく発表しているケースもあります。そうすることで、希少性がより際立ちます。

さけるチーズのマーケティング戦略が特出しているのは、ターゲットを「子どもに与えて罪悪感のないおやつを求める層」とした際に、菓子類ではよく使われている「レアを紛れ込ませる」という仕掛けを取り入れたことでしょう。

『僕らはそれに抵抗できない』という本では、“当たり自体が大事なのではなく、直前のハズレから変化が起きて当たりになったという体験が、人の気持をわきたたせるのである”とあります。

「当たり」が豪華な商品や特典である必要は必ずしもなく、「当たりという経験」自体に人を魅了させるものがあります。

企業側により買って欲しいという意図があっての仕掛けだとしても、レアを見つけた消費者をワクワクさせたり幸せな気持ちにさせていることも事実です。

自社の取り組みの中に消費者を驚かせる「レア」をうまく活用できるところがないかを考えてみましょう。新たな施策のヒントが得られるかもしれません。

執筆:スプ論編集部


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