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偽装請負とは?注意点と回避するための具体的対策

偽装請負とは?

偽装請負とは、業務委託契約などの形式を取りながらも、実際には発注者が受注者側の労働者に対して指揮命令を行っている状態を指します。これは 労働者派遣法に違反 するため、企業にとって大きなリスクとなります。

厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(1) によれば、以下のような要素がある場合、偽装請負と判断される可能性があります。

  1. 業務の遂行方法に関する指示(具体的な作業内容や手順の指示)

  2. 労働時間に関する指示(始業・終業時間、休憩時間、休日の指定)

  3. 配置に関する指示(担当業務の変更やメンバーの入れ替え)

特に発注者が受注者の開発者に直接指示を出す形になってしまうと、 偽装請負と見なされる可能性 が高まります。

アジャイル開発におけるリスク

アジャイル型のシステム開発では、発注者と受注者が密に連携して開発を進めるため、偽装請負と判断されるリスクが高くなります。
特に、

  • 毎日のスタンドアップミーティングで直接受注者の開発担当者に対して、発注者がタスクの細かい指示を出している

  • 受注者の開発者が発注者の社内ルールに従って勤務している

といった状況がある場合は注意が必要です。

偽装請負を回避するための対策

厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」に関する疑義応答集(第3集)(2) によると、 「対等な関係の下で」「自律的に」業務を進めること が重要であるとされています。

具体的な対策

  1. 開発責任者の明確化

    • 発注者と受注者の両方で開発責任者を指名する

    • 受注者の開発責任者が、開発担当者に要件を伝達する

  2. コミュニケーションルートの整理

    • 発注者と受注者側の開発担当者が直接やり取りする場合でも、

      • 指揮命令にならないよう注意する

      • 受注者の責任者を介して情報を伝える

  3. 業務の進め方を受注者に委ねる

    • 作業手順や開発手法を受注者が決定できるようにする

    • 発注者が細かい作業指示を直接行わない

オフショア開発においても、適切な契約形態と業務の進め方を整えることで、 偽装請負リスクを回避しつつ、スムーズな開発を実現することが可能 です。

(1) 労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準
https://www.mhlw.go.jp/content/000780136.pdf

(2) 「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」に関する疑義応答集(第3集)
https://www.mhlw.go.jp/content/001328190.pdf


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