くりぃむしちゅーのANN

高校卒業後、一年浪人していて、そのときに深夜ラジオを聞くようになった。当時、爆笑問題が好きで、本なんかも読んでいた。

JUNKの爆笑問題、伊集院光、アンタッチャブル、極楽とんぼが楽しみだった。

深夜ラジオを聞く習慣がついて、しばらくしてくりぃむしちゅーのANNが始まった。そして、大好きになった。

各回を録音し、繰り返し聞いた。4年位続いた番組で、159回の放送があったのだが、終わったあとも繰り返し聞いていて、適当に回を選んで話が始まると、あぁこの話か、とわかるようになった。そのへんで飽きて来て、あまりフルでは聞かなくなった。今は、ときどきコーナーのまとめられたものを聞いたりするくらいだ。

くりぃむしちゅーのANNの面白さは、有田のまわしと上田のボケとしての才能にあったと思う。有田がボケで、上田が突っ込む構図が表にある。有田はボケとして上田に無茶なトークのふりをする。

例えば、上田さんが競走馬としてダービーを走った体でトークしてください、など。何を言ってるのかわからないけど。

上田は最初突っ込む。なんでだよ、おかしいだろ、と。最初は普通のツッコミだが、途中から様子がおかしくなる。ツッコミに感情がこもり、怒りを示す。おかしいだろうが!!と声を荒げる。

これはもう次の自分の行動へのフリを作っている。最終的には、上田は有田に折れて無茶なトークを展開する。

「上田さん、カリカリしないでください。」

「カリカリしたのは悪かったよ。」


無茶なトークを展開する際には、上田が人間としてもともと持っている強引さがいかんなく発揮される。


ー競走馬のなかに、人間が並んでたらおかしいじゃないですか。

ーそういうときってさ、だいたいおどおどしてるから不審がられるわけよ。堂々としてれば大丈夫なんだよね。


そんな訳はないし、荒唐無稽な話でしかないのだが、上田が言うと真実味があるのだ。なぜかといえば、上田はそういう人間だからだ。

あるとき、有田と上田が一緒にいて、急に上田が「先行ってっかんな」と言い放ち、姿を消す。突然のことに、有田がどうしたのかと思っていると、河原で上田が野糞をしている。

あるとき、上田が細いベルトのついたセンスのないケミカルウォッシュのデニムを履いてくる。有田がどうしたんですか、それ、と冷やかすと上田は言い放つ。「マックミランだからね。」


無茶なトークを上田が展開していく過程で、上田のうちに秘められた強引な思考原理が引き出されていく。上田の奇人としての姿が、面白かったのだと思う。

書いていて懐かしくなったので、今日は久しぶりにくりぃむしちゅーのANNをフルで聞こうと思う。


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