天職は見つけようとすると見つからないという矛盾。
すっかりご無沙汰してしまいました。娘の体調の関係で少しバタついている(心が)日々です。子育て中は色々予想外のことが起きるなあと改めて。
さて、ずっと紹介したいと思いつつなかなか読み終わらない本のご紹介です。まだ半分くらいまでしか読めていませんが見切り発車でご紹介。
「科学的な」と銘打っているとおり、研究に基づく根拠や数字がたくさん出てきます。
「強み」をいかすことや「好き」を仕事にする、ということに対しては意外にも否定的。「適職を導くための公式」が色々紹介されています。直観に頼りすぎて今まで失敗してきたな・・と思う人にはとても勉強になる本だと思います。
ただ、HSPさんにとっては、「強み」を活かして仕事をするという視点は外せないと思っています。なぜなら「強み」を活かして仕事をした経験は、何よりも自信につながるから。HSPさんはしつけや学校教育の影響を受けやすく、どうしても自己肯定感が低い傾向にあります。(学校って今の自分を否定してもっと成長しろというメッセージを多く出していませんか?)
経験を通して自信を育む経験、HSPさんには特にあったほうがいいです。それがその後の人生の土台になっていきます。
ということで、HSPさんがそのまま取り入れるにはあまりオススメしないな・・と感じているのですが(注:読み途中)、素敵な提言もたくさんありましたので、その中の1つをご紹介。
天職は見つけるのではなく、育てる。
天職って、「これぞ私の天職だ!ビビビ!」という感じではないのです。「自分が労力を注いだら注いだだけ、その仕事が好きで天職だと感じるようになる」とのこと。「特に思い入れなくなんとなく始めてみた人のほうが仕事が長続きする」という面白いデータも載っていました。「『自分が注いだ努力の量』が多いと仕事を好きになる。」なんとも興味深いです。それだけの努力ができるということはその仕事が好きになれる才能があるということですもんね。(あれ、卵が先か・・みたいな話ですね)
「仕事が人生において重要」と考える人ほど、仕事に対する期待やこだわりが大きくなります。すると少しでも自分の好みから外れる作業が出てきた場合に、「こんなことがしたいんじゃないのに」という思いが出てきてしまう。仕事が好きでやりたい人ほど転職を繰り返してしまうカラクリはここにあります。
私はこの傾向がある人でした。「分かりやすく知的な授業がしたくて教員になったのに、この雑務の多さは!?生徒の質は?!」とげんなりしてしまうのです。でも雑務もこなさないと、色々な生徒を相手にしないと、教員はできない・・・そう、仕事は仕事、と割り切れないのです。おそらく割り切れない人、HSPさんには多そう。
ではどうやって仕事を選んだら良いのか。この本にたくさんのメソッドが載っていますので、自分に合いそうなやり方を探してみるのはとても良いと思います。「この職場で良いのか?」を考えるための「ヒエラルキー分析」、「仕事満足度尺度」、「ジョブ・クラフティング」・・・こういうの、学生時代に知りたかったなあ。
でも本ってすごいですよね。1500円でこんなエキサイティングな知識が得られるって凄いことだなあと、感謝の気持ちが湧いてきました。(成長。)