そういえば
もう何度も聴いている曲でも、その時その時で｢引っかかる言葉や歌詞｣ってないだろうか。わたしは、よくある。
やるぞ！と決めたときにポンと背中を押してくれたり、人知れず頑張った帰り道、車の中で聞いたときにスっと入ってきたり、自分では気付かないうちに無理してたときハッとさせられたり。自分が置かれている状況だったり、心の健康状態だったりでピントが合う言葉や歌詞が違ってきたりする。
12月は｢師走｣という名の通り、本当にバタバタとしていた。肉体的な疲れは、ある程度なんとかなるのだけど、精神的な疲れというのは、どうにもこうにも寝たらスッキリという訳にもいかず、ダラダラと気持ちが上がらない日々が続いていた。
ある日、いつものようにカーステレオから流れてきた曲の歌詞が引っかかった。
最近は大人の前の作り笑顔に慣れてしまって
誰も君を見つけられないのがあたり前で
「いつの間に君はここにいても苦しくなくなったんだろう」
前半？部分は、ずっと好きな歌詞で心の中にあったけど、この日は｢いつの間に君はここにいても苦しくなくなったんだろう｣という歌詞に心奪われた。
｢そういえば｣という曲は最初の部分こそ、｢僕｣のことが僕目線で描かれているのに、はじまってすぐに主人公が｢君｣に変わる。それからはずっと｢僕｣を外側から見て｢君｣へ語りかけているような歌詞なのだ。(、、、と、わたしは勝手に思っている。)
社会に出れば｢嫌でも周りに適応させていかなきゃならない｣と思いながらも時に気持ちが追いつかなかったり、｢型にハマる方が楽なのかもしれない｣と割り切ろうとしても出来なかったり。別に明確な何かがあって違うことをしたいわけでもないけど、それこそ自分とピントが合わないときなんてよくあるし、その｢合わない｣違和感を抑えなければいけないときの方が確実に多い。
精神的に疲れてるときほど、そんな違和感を強く感じがちなわたしの心に語りかけるような歌詞。もう何度も数え切れないほど聴いてるのに、今のわたしの心を完全にロックオンした。発売から15年以上も経っている曲が、まだわたしの心を揺さぶってくる。(今の若者言葉をあえて使わせてもらうと)唄人羽、エグい。そして音楽って本当に素晴らしい。
今日、その唄人羽のボーカル、我らが本多のてっちゃんのソロライブがあった。序盤から優しい歌声と久しぶりのピアノの音色に心が緩む。柔らかくてしなやかに伸びる声とピアノは、幸せな気持ちにさせてくれた。
ライブの中盤あたりだったか、｢そういえば｣を唄ってくれた。誰がなんと言おうと、わたしは、この曲の始まりのハープが大大大大大好きだ。｢あぁ、やっぱりすきだなぁ｣なんて呑気に聴いていると、早速｢いつの間に君はみんなと似たような形になったんだろう｣という歌詞に涙腺を刺激される。ヤバイ、、これはヤバイ。もうすでに泣きそうだ。そう思っているうちに例の歌詞がやってきた。もうそこまでいく段階で今にも溢れそうなくらい涙目になっていたわたしの目の堤防があっさりと決壊した。あからさまに涙を拭うと泣いているのがバレてしまう(バレてしまうというのも何だか変な感じだが)と思い、気付かれないようにそっと流した。
誰もいない…誰もいない…誰もいない
何もない…何もない…何もない
ここの歌詞で表に出さないけど自分の中にある孤独感や虚無感がさらけ出される。そして極めつけは、、
改めて君の好きな君になろう
ちっぽけな事が幸せと気付く
最後の最後に｢許された｣感がすごい。いつもこの曲を聴くと、騒がしい心がリセットされる気がする。｢本当の君はそうじゃないだろ？｣って言ってるわけじゃないし、｢そのままの君でいいんだよ｣って言ってるわけでもない。でも確実に｢何か｣を問いかけられて｢何か｣を許されている感じがするのだ。
流されるような毎日でも、その流れに乗り遅れそうな日でも、ふとした時に心の支えになる言葉や歌詞がある。そんな言葉たちを直接受け取れて、｢無｣で日々を過ごしていたわたしの感情を刺激してくれた。ライブっていいなと改めて思えた新年の歌い始めライブだった。
唄人羽としてもソロでも曲をたくさんリリースしたいと話してくれた。新曲を楽しみに出来るということは、何よりも幸せなこと。ソロでは行ったことないところにもライブしに行きたいと話していたので、機会があれば是非、ライブにも足を運んでほしい。きっと、ちっぽけどころじゃない幸せを感じれるはず。
2025.1.19 福岡Live Music Bar & Grill TUPELO
本多哲郎ソロLIVE ｢うたかたる｣
白紙の日々へ
パレード
スマイル
向日葵
陽射し
紫陽花
そういえば
陽炎
翼
月明かりをポケットに
春が咲いたら
三日月とピアス
ジグソーパズル
ねェねェ
カレーライス
アルコール
虹空
【EN】
路
レモネード
