一周回って身近になった映画館
自分の子ども時代は昭和のころでした。一番最初に映画館で映画を見たのは中学生の頃で、見た映画は「明日のジョー」です。
なんと劇場内満席なうえ立ち見。一番後ろの人混みに紛れて、人と人のすき間から見ていました。
少しのち、インドの映画館では観客が映画を見ながら一緒に踊ると聞いたことがあります。当時の日本の映画館も踊りはしませんでしたが、劇場内にはきちきちに人が入っていました。
あのころ映画というとテレビよりも大画面で見られる貴重な経験で、テレビ番組の総集編のような映画、続編のような映画と様々でした。おぼろげに覚えているのは、動物もの映画も人気だったような。「南極物語」とか。
映画館で映画を見る、というと厳選して、何日も前から楽しみにしていたもの。
クラスメイトたちと見に行って、300円くらいのラーメンを食べて帰る。映画館も途中から入り、次回の途中まで見たら退出。入退場の時間もまたアバウトでした。
思い返してみると今よりもずっと自由だったような気がします。
高校のころ女性の先輩が「男装してポルノ映画上映の映画館にはいってみようかな」なんて大真面目で言ってたのを覚えています。成人映画の映画館も、街中に普通にありました。先輩が本当にその計画を実行したかは不明ですけれど、やりかねない行動力をお持ちの先輩でした。
いつのまにやら映画館で見る入場料がどんどん上がって行ってしまう一方で、ビデオレンタルサービスも普及してきます。
1000円位の映画を映画館で見るよりも、ビデオレンタルで300円で見た方が安くて自宅でのんびりと好きなときに見られる。
そうして映画館から足が遠のいていきました。
あとは子どもを連れて「ポケモン」を何度か見に行って以来もう何年も、何十年も映画館なんてあまり行かない場になってしまい。その間に入場料はさらにうなぎのぼりに上がっていってしまいました。
それがここ数年子育てを終えてやっと年1~2回くらい映画を見られる余裕がでてきたのです。久しぶりに入場料を調べてびっくり。1800円ですって。
実はアマプラを契約しているので、自宅で好きな時に好きな映画を見ることの方が多く、映画館というともはや贅沢品です。
1800円の入場料であれば、4~500円の立ち食いソバ4~5回いけますし。
ところがイオンシネマの「ハッピー55」というサービスを知ってまたまたおったまげ。55歳以上であれば1100円という驚異の価格でした。
中学生のころの1000円入場料と同じくらいの金額に戻るなんて、誰が想像できたでしょうか。世の中のシルバー割引きなんて65歳以上がほとんどで、まだまだ先だと思っていました。
これはいかなきゃソン、ソン。
初めてシルバー割引を使って見に行った映画が「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」です。温かいカフェモカを買って飲みながら鑑賞。
これならたまに映画館を利用してもいいかなと、再び身近な存在となったのです。ドリンク片手に大画面で見る映画、あの臨場感はイイものです。
(*タイトル画像はケンコウ様のみんなのギャラリーからお借り致しました。迷ってしまうくらい映画俳優の画像満載なのです)。