ポークチョップ(映画「トイストーリー」)
すりすろした玉ねぎには神が宿ると確信した料理がこのポークチョップ。以前すりおろし玉ねぎでハンバーグのソースを作った時にも絶妙な美味という神が降臨しました。これにニンニクとケチャップ、ウスターソースで作るポークチョップ。肉は塩麹で下味をつけておくと軟らかくてまろやかになり、塩麹とすりおろし玉ねぎとケチャップで、絶望的に美味になるのです。しかもこの日買い求めたお肉は対面販売の量り売り。この日は文句無しの優勝でした。
トイストーリーに出て来るブタの貯金箱は「ハム」といいます。このパート3の冒頭で、宇宙船を操るドクターポークチョップに扮するハム。普段ちょっと皮肉屋さんなのですが、このとき扮したお名前が豚肉料理という潔さに、シャッポを脱ぎました。トイストーリーの登場人物はおもちゃたち。しかも人間に見られていない時には動いています。これ、付喪神じゃん?と思いつつ鑑賞しておりました。持ち主に大切にされると物には魂が宿る。持ち主の生活をよそに、いろんなハプニングが起こるトイストーリー。アナ雪の出現まで、大ヒットの名をほしいままにした作品だと耳にしておりましたのも納得です。
ここから先はネタバレ満々。トイストーリー3の中で、おもちゃたちが間一髪、溶鉱炉にじわじわと落ちかかってゆく場面がありまして、とても印象に残っています。もはやこれまで、と危機的な状況となったときにその人の本質が顕れる。泣き叫ぶのか、わめくのか、取引か、怒りか。他者を踏み台にして自分だけ助かろうとするのか。自分を犠牲にして他者を守るのか。このおもちゃたちは上記のどれでもありません。お互いの顔を見つめ合い、手をつないで、運命を共にする決心をするのです。
普段一緒にいる間柄でも、喧嘩をするような間柄でも、本当の仲間なのかどうか、こういう時にはっきり分るのだろうなと不思議な感銘を受けておりました。私たちは縁あって出会いますが、それぞれに天命ある命を、それぞれの人生として生きている以上、必ず別離の時が来ます。仲間とは苦楽を共にするものなのかもしれませんが、楽よりも苦を共にして乗り越えた経験が強いボンド(絆)となり、やれば出来るという自信になってゆく。別離の時がきても、本当の仲間と言う存在に出会えた、その消えない事実が、自分だけの人生を生きる支えとなるのかもしれません。
*ネタバレ注意の表記を出来るとnoteより伺いましたので、今回から記載しています。便利でいいですね。
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